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「バイオ戦士 DAN ~インクリーザーとの闘い~」 レビュー (ファミコン)

2017-02-24 21:00:43 | ファミコンレビュー

サイドビュー横スクロールアクション
1987年9月22日発売
開発はアトラス
発売はジャレコ
「ゲームセンターCX ~有野の挑戦~」プレイソフト#121

お話としては
西暦2081年地球は「インクリーザー」と呼ばれる増殖生物に侵略され
占領されつつあり、このままでは地球は滅亡すると判断した人類は
「DAN」という青年にバイオ技術を施し、
インクリーザーが発生した1999年にタイムワープさせたのだった。
「DAN」は「インクリーザー」を倒せるのか?

特徴
最大7種の武器と3種のアイテムを使い敵を倒していく。

右上に
「EN」と「M.V」という数字がある。

「EN」・・・『武器』の使用に必要なエネルギーとなる。
 それと、『お金』として利用する。

「M.V」・・・『Mother Vitality』の略
 早い話がそのステージのボスのHPである。
 ステージに入ると徐々に上昇する。
 これが999になると1ミスとなる。

後はこのゲーム最大の特徴はカオスすぎる世界観って所か…(笑)

十字キー:移動
Aボタン:ジャンプ
Bボタン:所持武器での攻撃

スタートボタン:メニューを開き武器選択等


点数は50点

良い点
特になし

悪い点
・操作性
・宿の仕様



悪い点の解説
・操作性
ジャンプはそれほど高くはなく
左右の操作は受け付けない。
その割にプレイヤーは大き目で敵の弾に当たりやすい。

・宿の仕様
1ステージ、1度泊まると次は

「満室です」

と言われてコンテニューするまで再使用が出来ない。
しかもこのゲーム、敵を倒してもHP回復アイテムは出ないのだ。
隠しアイテムではあるもののどこにでもあるようなものではないし
何のためのお金なんだよ…



このゲームの最大の特徴は世界観だわな。
過去を変えるべくタイムワープするてのは分かるけど
エレベータ乗るぐらいの感覚でタイムワープしていたり
ステージクリア毎に姿を変える場面とか…
お店の人々とか…

「何やねんコレ…」

という心境になる。
これを笑って楽しめるか呆れて見放すかがこのゲームの評価を分けるだろう。

このゲームを楽しみたい人は

「未来の人類の滅亡をどうするかって危機的状況の世界観のはず!」

って考えをまず捨てろ!!

あ、ゲーム自体はサーベルが主となるのだが…
突き動作で攻撃するので判定が横に長いが縦には小さく小さい敵にやや当てづらい。
訳分からなさで肝心のゲーム自体が吹っ飛んでしまっていたわ(苦笑)


ここからがネタバレ






















ツッコミどころは満載である。

①DAN自身
1999年にタイムスリップしたはずなのにエリア1の隠し通路を越えた所の扉で

「ダン㊙事項。片手は義手で
 取り外し可能。中にはエネルギー弾を発射できるスパイダーショット内臓」

という事をしる。
お前は2081年のバイオ戦士なんじゃねーのか?
この場所で自分の取説を読んだのか?

②お店などの住人
宿はキャバレーの女風の店員がいる。
泊まると和風の部屋で風鈴が鳴る。
DANは浴衣に着替え、「D」と書かれた団扇を持っている。
何くつろいでんねん!

武器の店員の男は関西弁を話す。
武器パワーアップの店は謎の中国人。

化粧するという宿の女店員かぶり。
化粧をすると体がでかくなってパンチでブロックを破壊する。
お前はトロルか!

「手押し相撲やろうぜ」とかいうミュータントみたいな奴。
看板が「♂押忍♂」と書かれていたり…

「一人でも仙人」とかいうジジイ
桃太郎伝説でも出て来ていたな。

③エリアクリア後
エリアクリア後にタイムスリップした機械に入るのだが
そこで変身するのだ。

1面クリア:忍者
2面クリア:バネ
3面クリア:ダチョウ
4面クリア:イモムシ

だからと言って、ステージ開始はDANに戻っているし無意味である。
まぁ、製作側がテレビでも見ていてそこに「忍者」だの「バネ」などを映っているのを目にして

「よし!DANをバネにしよう!そうしたら、面白い」

という小学生の思い付きレベルである。
何故そんな事をしたのかという考えるのは愚の骨頂と言える。
ちなみに「ゲームセンターCX」の「有野」氏ですら後半

「コレどういう意味なんやろな」

と、困惑するだけで気の利いたツッコミを入れる事が出来なかった。
髭人と同じ、一般人と同じ心境である。
芸人といえど面白い事を言うにも限度があるわな。人間だもの。



④エンディング
「やったねダン!これでちきゅうはあいつらから
 とりもどすことができたんだ。みんなのいる2081
 ねんにかえろう!あいつらにころされたひとたちも
 やっとのおもでにげのびたひとたちも、きっとたの
 しくくらしているはずだよ。だってダン きみは
 ちきゅうのれきしをかえてしまったのだから」

などと口語調の説明文と舌を出す「インクリーダー」らしき奴の画面があり
タイムスリップすると集まる人々とよくわからん女からほっぺにキスされてデレデレするDAN。
そして「END」と書かれて終わり。

歴史自体が変わっているんだから未来の人々は苦しめられていたという事実がなくなっているはずだから
祝おうなんて気にはまずならないと思うんだけどねぇ…
仮に今、実際のこの瞬間、一人の人が現れて

「俺が過去を変えたから今、お前は平和に暮らしているんだぞ!
 俺がいた時の今は本当、地獄だったんだ!」

なんて言われたとしても

「そ、そうなんだ…ありがとうね。歴史を変えてくれて…」

ってな感じになるだろうから…
人知れず平和になっている今を見て喜びをかみしめるってのが正しいエンディングだと思うが…

このソフトにそんな考えは無用か…

開発は「アトラス」
似たようなカオスな世界観の「亀の恩返し ~ウラシマ伝説~」も
「アトラス」開発だから理解できるっちゃ~理解出来る。

かぐや姫伝説」の時にも言ったけどお笑いのボケってのはある程度、理屈付けしないと

「理解不能…」
「コレどういう意図があんの?」

という思考ばかりが先行してしまって笑う事が出来ないんだよな。
ステージ4の最初、イモムシになったっていきなりやられたって笑える訳などないのだ。
『タイムスリップ中はその中にいたものが思考したものに変身してしまうという効果がある』とでも説明があればまだ分かるんだけどね。
タイムスリップ前に花を見ていたら葉っぱに気持ちが悪いイモムシがいるのを見てしまい、
タイムスリップ中も思い出してしまってイモムシ化してしまった…みたいな…

製作者的には

「DANを変身させたら面白いだろう」

と、深い考えもなく思い付きでやっただけにしか過ぎないんだろうけどね。
そんな特に何も考えてないであろう製作者に対して無理矢理フォローしてみただけだよ。
あんま、面白さを期待すんなよ…
辛いだろ…俺も…


PS)エンディングのDAN。
何か髪が緑になった「DAIGO」っぽくね?

『インクリーザーとの闘い』っていうけどプレイヤーとしては本作の意味不明さと闘い続けていたよ…


そして…敗けました…





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