胃は三層構造
食物は口の中である程度が咀嚼(そしゃく)され、食道を介して胃に送られる。胃に入った食物は蠕動(ぜんどう)運動により胃液で溶かされながら、さらに細かく押しつぶされドロドロの状態にして次の腸へ送られる。
この蠕動運動のために胃の筋肉は縦走筋・輪状筋・斜行筋の三層構造になっている。水・塩分・アルコール(エタノール)の一部は胃でも吸収されるが、大部分の栄養分は腸で吸収される。内側は円柱上皮という円柱管のような形の細胞でできた粘膜で覆われており、この粘膜の中に胃液の分泌腺(ぶんぴつせん)を持っている。
胃液はpH2程度で1回の食事でおよそ500ml分泌され、1日に1,500~1,800mlも分泌されている。
ちなみに、アルコールは、胃および小腸上部で吸収され、飲酒後1~2時間でほぼ吸収される。吸収と同時に分解も行われ、飲酒後血中濃度のピークは30分~2時間後位である。
食物が溶けて何故胃が溶けない?
pH2といえば塩酸と同じ程度の強い酸である。酢にも穀物酢・米酢・りんご酢・白ワインビネガーといろいろあるが、特殊なものを除けば概ねpH2.7前後であり、それより遥かに強い酸性である。
食物は口の中である程度が咀嚼(そしゃく)され、食道を介して胃に送られる。胃に入った食物は蠕動(ぜんどう)運動により胃液で溶かされながら、さらに細かく押しつぶされドロドロの状態にして次の腸へ送られる。
この蠕動運動のために胃の筋肉は縦走筋・輪状筋・斜行筋の三層構造になっている。水・塩分・アルコール(エタノール)の一部は胃でも吸収されるが、大部分の栄養分は腸で吸収される。内側は円柱上皮という円柱管のような形の細胞でできた粘膜で覆われており、この粘膜の中に胃液の分泌腺(ぶんぴつせん)を持っている。
胃液はpH2程度で1回の食事でおよそ500ml分泌され、1日に1,500~1,800mlも分泌されている。
ちなみに、アルコールは、胃および小腸上部で吸収され、飲酒後1~2時間でほぼ吸収される。吸収と同時に分解も行われ、飲酒後血中濃度のピークは30分~2時間後位である。
食物が溶けて何故胃が溶けない?
pH2といえば塩酸と同じ程度の強い酸である。酢にも穀物酢・米酢・りんご酢・白ワインビネガーといろいろあるが、特殊なものを除けば概ねpH2.7前後であり、それより遥かに強い酸性である。
普通そんなに強い塩酸を手にかけたら、大火傷(やけど)でただれてしまう。
にも拘わらず、胃が溶けないのは、胃壁が上皮細胞から分泌される「胃粘液」のバリアで守られているからである。1mmにも満たない薄さで胃壁を覆っている胃粘液はとても抵抗力があり、塩酸を中和してアルコールや薬剤の刺激から胃壁をプロテクトしている。
にも拘わらず、胃が溶けないのは、胃壁が上皮細胞から分泌される「胃粘液」のバリアで守られているからである。1mmにも満たない薄さで胃壁を覆っている胃粘液はとても抵抗力があり、塩酸を中和してアルコールや薬剤の刺激から胃壁をプロテクトしている。
この粘膜部分は常に細胞が新陳代謝を繰り返し、新しい細胞に生まれ変わりながら胃壁の保護を続けているのである。。
胃炎とピロリ菌
胃炎にも急性胃炎と慢性胃炎があり、急性のものはアルコール・香辛料・鎮痛薬などの影響が原因といわれている。多くの慢性胃炎では、ピロリ菌への感染が主な原因で、胃の粘膜に炎症を起こす。
胃炎とピロリ菌
胃炎にも急性胃炎と慢性胃炎があり、急性のものはアルコール・香辛料・鎮痛薬などの影響が原因といわれている。多くの慢性胃炎では、ピロリ菌への感染が主な原因で、胃の粘膜に炎症を起こす。
ピロリ菌は誰でも持っており、20代より50代の人は3倍多く、40代以上なら約70%の人は保有している。結果、40代以上になると胃がん発症率が急激に上がる。
ピロリ菌に感染したからといっても、必ず胃潰瘍や胃癌が発症するわけではないが、除菌・減菌しない限り感染した殆どの人が胃炎を起こす。
ピロリ菌は胃の中に継続的に棲み続け慢性的炎症を起こさせ、胃の粘膜を防御する力が弱まり、ストレスや塩分の多い食事、発癌物質などの攻撃を受けやすい無防備な状態となってしまう。
少し脱線して、ピロリ菌の話
「ピロリ菌」などと可愛い名前に似あわず悪党である。名前の由来は、胃の幽門部から初めて見つかったこととその形状によるものである。
正式名は「ヘリコバクター・ピロリ」で、「ヘリコ」はヘリコプターのヘリコと同じ「らせん」とか「旋回」という意味。数本のべん毛部分を回転させて移動する。「バクター」はバクテリア(細菌)、「ピロリ」は胃の出口(幽門)を指す「ピロルス」からきている。
ピロリ菌の特徴として、酸素の存在する大気中では発育できず、酸素に晒されると徐々に死滅し乾燥にも弱い。そのピロリ菌が強酸性下の胃の中で生きておれるのは、胃の中にある尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解し、アンモニアで胃酸を中和しつつ、自身の周りの酸を和らげて生きているためである。
ピロリ菌による胃潰瘍を放置しておくと、胃がんになりやすい。
ピロリ菌に感染したからといっても、必ず胃潰瘍や胃癌が発症するわけではないが、除菌・減菌しない限り感染した殆どの人が胃炎を起こす。
ピロリ菌は胃の中に継続的に棲み続け慢性的炎症を起こさせ、胃の粘膜を防御する力が弱まり、ストレスや塩分の多い食事、発癌物質などの攻撃を受けやすい無防備な状態となってしまう。
少し脱線して、ピロリ菌の話
「ピロリ菌」などと可愛い名前に似あわず悪党である。名前の由来は、胃の幽門部から初めて見つかったこととその形状によるものである。
正式名は「ヘリコバクター・ピロリ」で、「ヘリコ」はヘリコプターのヘリコと同じ「らせん」とか「旋回」という意味。数本のべん毛部分を回転させて移動する。「バクター」はバクテリア(細菌)、「ピロリ」は胃の出口(幽門)を指す「ピロルス」からきている。
ピロリ菌の特徴として、酸素の存在する大気中では発育できず、酸素に晒されると徐々に死滅し乾燥にも弱い。そのピロリ菌が強酸性下の胃の中で生きておれるのは、胃の中にある尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解し、アンモニアで胃酸を中和しつつ、自身の周りの酸を和らげて生きているためである。
ピロリ菌による胃潰瘍を放置しておくと、胃がんになりやすい。
胃潰瘍を治すには抗生物質による除菌・減菌であるが、この薬は腸の善玉菌まで殺してしまうので下痢症状を起こす。一度除菌すれば、1年以上感染することはないと言われている。
薬は必ず副作用があることを心得ておくべきで、そのためには、常日頃からストレスを溜めないように、且つ食事にも注意して健康体を保つことである。
薬は必ず副作用があることを心得ておくべきで、そのためには、常日頃からストレスを溜めないように、且つ食事にも注意して健康体を保つことである。
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