天かける馬～ディープインパクト

　馬券を買った事はない。競馬場に行った事もない。普段はほとんど興味もない。でも何故かGⅠだけはたいていテレビで観ている。そもそも、亭主がGⅠは馬券を買うというのをしていて、それにつられて一緒に観ていただけなのだが・・・。ちなみに亭主の買った馬券で儲かった試しはない。つくづく勝負運の無い亭主なのである（笑）。
　一生懸命走る馬を見るのは楽しい。背中に騎手を乗せてお尻をペチペチ叩かれながら、パカパカ走っている姿は健気だ。中には必死で走っているのもいれば、「俺はやるぜ！俺はやるぜ！！」とやる気まんまんで走っているのもいて、面白い。
　そんな可愛いお馬さん達の中でも群を抜いて美しく走るのが、ご存知、ディープインパクト・・・。馬の名前も騎手の名前もほとんど知らない私でも知っている、ディープと武豊の稀代のコンビ。
　ディープの走る姿はすごい。武豊が「飛んでいる」と表現するが、本当に飛んでいる。脚が地面についている時間が他の馬に比べて短いような気がする。そしてアレだけ早く走っているのに、騎乗の武豊は勿論、首の上下動も物凄く少ない。滑るように走る。
　昨日は亭主と一緒にディープの走りを「動作分析」していたのだが、肩の付け根から肩甲帯にかけての可動域が他の馬よりも大きい。その分、前脚が高く大きく上がっている。骨盤と後脚の連動が滑らかで、脚だけでなく骨盤が大きく動いている。そのため背骨のしなりが他の馬より大きい。そのせいでストロークが長く、なんだか、馬というより猫科の動物のようなしなやかな走りだ。
　そのディープ、走っている時の表情がまた、がっついた感じが無くてとても気持ち良さそうに見える。あぁ、この子、走るのが本当に好きなんだろうな・・・と素人の私にも伝わってくる。騎乗の武豊もほとんど鞭を振るうことがない。スパートをかける瞬間に合図を送る程度だ。彼はディープを本当に理解しているのだろう。きっと奥さんよりも理解しているよ（笑）。
　秋にはフランスに渡ってひとっ走りしてくるというディープインパクトと武豊。フランスの空の下を思いっきり飛んできてほしいものだ。いっそ、飛行機に乗らずに走っていったらどうだろう。ディープなら羽が生えているからきっとフランスまで辿り着くよ（笑）。