元外資系企業ITマネージャーの徒然なるままに

日々の所感を日記のつもりで記録

朝から冷たい雨だが、5Kmの散歩に行ってきた。良い人格を作ろうと思ったら、良い習慣を作ることである。

2021-06-04 08:48:02 | 哲学エッセイ
朝から冷たい雨だが、5Kmの散歩に行ってきた。雨にも負けず風にも負けず、台風でさえも負けずに通勤した元サラリーマン(マルクスに言わせれば雇用され時間を売るしか能がない労働者)であるから、まだ小ぶりの雨は当然のごとく、全然問題にせずに散歩に行ってきた。
哲学者カントのように規則正しい生活をしていると、寝る時間も同じだし、夜中にトイレで起きることも同じだし、散歩の時間になると身体が欲する。テレビ体操もそうだが、時間になると脳の命じるままに動いてしまう。自由意志などないのを実感する。まさに良い人格を作ろうと思ったら、良い習慣を作ることである。
6月1日から新しくなったNHKのテレビ体操には戸惑ってしまう。連続体操実施119回目の朝であるが、今までとは違った動きに、まだ身体がついていけない。





横田南嶺著「真の自己を尋ねて 十牛図に学ぶ」読了

2021-05-27 14:05:32 | 哲学エッセイ
横田南嶺著「真の自己を尋ねて 十牛図に学ぶ」読了。なぜか?北鎌倉円覚寺派管長の横田南嶺さんに出会ってしまって、Webセミナーを聴いて、いくつか本を読んでいるが、いつも大変わかりやすい。だから若くして管長さんになられたのだろう。この禅宗派の良いところは、悟りを開いたら、また街に戻ってきて世の為に仕事をこなすところ。悟りを開いて、それで終わりではないところが素晴らしい。まだまだ修行が足りないが、自我を無くすことで政治や行政へのストレスが格段に減るはず。

鈴木敏夫著「禅とジブリ」読了。 そもそもジブリ作品は「トトロ」と「千と千尋の神隠し」しか見ていないので、話しについていけなかった。

2021-05-22 08:42:35 | 哲学エッセイ
鈴木敏夫著「禅とジブリ」読了。
そもそもジブリ作品は「トトロ」と「千と千尋の神隠し」しか見ていないので、話しについていけなかった。
ただ、対談相手の細川晋輔和尚さんの「吉川英治さんの小説「宮本武蔵」の中に「本来無一物という言葉がでてきて、武蔵は目の前に禅師が描いた円を見て「円を拡げてみるとそのまま世界となり、縮めてみると自己がある」ということに気づく。自分は本来無一物、何も持っていない。全て縁によって自分が成り立っているとわかった」という言葉が印象に残った。深い言葉だ、素晴らしい。
円を、アーレントの「人間の条件」の中で以下のように言っている繰り返しの円環に近いイメージを、座禅の中で感じた宇宙(自然)と一体となる循環感(円)のように理解していたのだが。
「死んだ物体は,一切を含む自然の巨大な円環の中に帰ってゆく。この円環の中では、始めもなければ終わりもなく、すべての自然物が、変化もなければ死もない繰り返しの中で回転しているのである。」P.152
また確かマルクス・ガブリエルはNHKの「欲望の時代を哲学する」の番組で、宇宙とか神とか自然とか、大きなものに包含されてはいけないと言っていたような気がしたので、彼の「新実存主義」でも、読んでみよう。




ハンナ・アーレントの「人間の条件」(志水速雄訳 ちくま学芸文庫)を読んでいたら、原書を読むことの重要性を嫌というほど知らされた。

2021-05-19 16:39:19 | 哲学エッセイ
難解な哲学書は解説書を読んで理解していた気になっていたが、ハンナ・アーレントの「人間の条件」(志水速雄訳 ちくま学芸文庫)を読んでいたら、原書を読むことの重要性を嫌というほど知らされた。彼女は「全体主義の起源」でナチスドイツが全体主義へと向かう道程を解説してみせたが、それ以外にも多くの言葉を残していたのだ。

「最大多数の最大幸福が実現した暁には、世界の物が、すべて消費と消費による絶滅の脅威に曝される」のような記述を見つけた。(第三章労働の17消費社会)これはまさに「人新世」の現代社会の大消費社会が、地球環境を壊滅的に破壊していることを予想しているので、びっくりした。

「死んだ物体は,一切を含む自然の巨大な円環の中に帰ってゆく。この円環の中では、始めもなければ終わりもなく、すべての自然物が、変化もなければ死もない繰り返しの中で回転しているのである。」P.152
去年から続いた在宅勤務のおかげで、毎日散歩が出来た。その中で桜が咲き散り、つつじが咲き散り、バラが咲きアジサイが咲くという自然の営みが、確実に毎年毎年繰り返される丸で円のような循環と、座禅の中で感じた宇宙(自然)と一体となる循環感(円)と同じことをアーレントも言っていたのだ。

コロナ禍の在宅勤務で始めた毎朝の散歩も、1年以上が過ぎた。いつもの散歩道にも初夏がやってきて、1年を通じて同じ季節が巡っていることを実感する。今朝の雨上がりの散歩道に例年より早く春バラがそろそろ満開を迎えつつある。地球が規則正しく太陽の周りをまわるのに合わせ、季節も1年を通して丸を描くように循環しているのがよくわかる。私の住む横浜市は、春先から初夏のような気温が続き、今年も桜の開花が早かった。観測史上最も早い開花となっている地点が多いとニュースで報道している。この分では今夏も40度近い猛暑日が続くに違いない。毎朝の散歩で季節のずれと、確実に地球は温暖化していると感じる。季節は本来規則正しく循環する丸なのに、多くの野生生物を途切れさせたり、夏が異常に長いいびつな楕円にしたりと壊してしるのは人類なんだと、もう夏のような日差しを見上げる。