二人が付き合い出した21日を二人の記念日として、毎月どんなことがあっても必ず会おうと決めた二人。お父さんから二人の仲が一ヶ月持てば、三ヶ月は持つ、三ヶ月は持てば、半年は持つ、半年持てば一年は持つと言われた娘は、それを信じて一ヶ月立てば三ヶ月頑張ろうと努めてきた。だが、こともあろうに11ヶ月目の21日の記念日を彼が忘れてしまった。というよりラグビーの部でやっとレギュラーの地位をつかんだ彼はクラブ活動を優先してしまった。その日に彼は試合の遠征に行ってしまったのである。彼女も頭でそれは理解できていたが、せっかく11ヶ月も二人の努力で続いた記念日のデートが途切れてしまったのが、とても悲しかった。彼女は次の日、頭でわかっていても悲しかった感情が吹き出してしまい彼にあたってしまった。彼はオロオロと謝るばかりである。そして一年目の21日にまたしても大事な彼のラグビーの試合が入ってしまった。それも公式戦の関東大会なので、遠く二人の住む神奈川県から埼玉県まで行かないといけない。彼女もその日は学校があり部活があり塾がある。とても高校生の二人が時間的に会える余裕は無い。
「おはよう」
寝坊が多い彼は奮発して朝早く起きて彼女の通学する駅で待っていた。
「おはよう」
途中駅で彼が埼玉に行く電車に乗り換えるまで、彼女は嬉しさいっぱいの涙でくしゃくしゃのとびきりキュートな笑顔を見せていた。
「おはよう」
寝坊が多い彼は奮発して朝早く起きて彼女の通学する駅で待っていた。
「おはよう」
途中駅で彼が埼玉に行く電車に乗り換えるまで、彼女は嬉しさいっぱいの涙でくしゃくしゃのとびきりキュートな笑顔を見せていた。