元外資系企業ITマネージャーの徒然なるままに

日々の所感を日記のつもりで記録

2020年版の映画「野生の呼び声」をWOWOで録画したのを見る。評価は2点(5点満点)

2021-01-30 21:23:45 | 芸術(美術展・映画・コンサートなど)
2020年版の映画「野生の呼び声」をWOWOで録画したのを見る。評価は2点(5点満点)
ハリソン・フォード主演。ジャック・ロンドン原作の「野性の呼び声」の通算6度目の映画化だそうだ。
CGで犬やクマ、オオカミが表現されているので、まるでディズニー映画のようで肝心の野生が全く感じられない。ただ、人類の永遠の友達である犬が題材なので、ちょっとこれはあり得ないだろうと思いながらも、引き込まれて最後まで見てしまった。普通は評価2点だと途中で見るのを止めてしまうのだが、最後まで見る価値はある。

1月にチューリップの花が売っていた

2021-01-30 20:59:06 | 日記
國分功一朗さんと山崎亮さんの対談本「僕らの社会主義」を読んでウィリアム・モリスを知った。彼の「生活の芸術化」は、そもそも社会主義革命後の豊かな社会をどう生きるか?から来ていると。「生活の芸術化」は、産業革命後の大量生産で市場に溢れた粗悪品への反発。コストを出来るだけ抑えた粗悪な大量生産品が街に溢れている。
それを見てなんと普段の生活が味気ないのだろうとモリスは考えた。じゃあ普段の生活を芸術品で飾ってみようと家具や壁紙、テキスタイルなどをデザインして制作した。それがのちに、ヨーロッパでアールヌーボーとなり、アールデコへの発展していく。
翻って今の日本は19世紀産業革命当時の粗悪品の大量生産、大量消費社会と同じではないか。安く粗悪でしかも地球環境に大変悪い商品が多量に売られている。例えばファストフード店の商品を入れるプラスティック製品だってそうだし、衣服や食品まで、本来安全であるべき車が正しく検査されないで販売されたり、むしろモリスの時代より生活は粗悪品が溢れているのではないか。
ただ、現代では生活を彩りするのに、芸術品で生活を飾るだけではなく(無理して飾る必要もないし)、生活を豊かに飾ることを中心に考えれば、生活と芸術を一致させる必要もない。ただ旅行に行ったり、友達と美味しい物を食べたり飲んだり、映画やコンサート、好きなスポーツを見に行ったり、もしくはお金をかけなくても様々なことで生活を豊かに飾ることは出来るのではないか。
そう思い、私は在宅勤務で部屋に引きこもっているので、生活の少しは彩をと、週に一回近所のお花屋さんに行き、季節の花を買ってきて、家中に飾る。今日はリビングに、明日は私の部屋や妻のキッチンに飾る。
ただ、びっくりしたのは、1月にチューリップの花が売っていたことである。温室栽培じゃなければ、本来は4月の後半から5月のかけて咲く花である。季語だと晩春である。それなのに1月にチューリップが楽しめる。生活を飾る感覚よりも、需要があれば商売が成り立つ、これでいいのか資本主義と違和感しかないのである。

今日のジャズは日本のギタリスト小沼ようすけさんの2010年に発売されたベストアルバム「The Best」の最初の曲「Driving」

2021-01-30 09:14:37 | ジャズ
今日のジャズは日本のギタリスト小沼ようすけさんの2010年に発売されたベストアルバム「The Best」の最初の曲「Driving」。彼の初期のとてもグルーミングな曲が集まったとても良いベストアルバム。このグルーミングという意味が、最初よくわからなかったのだが、このアルバムを聴いて「ああ、なるほどグルーミング」と納得した。
海外のギタリストだと(素人の私が知っている範囲で)、フュージョンのラリー・カールトン並みに乗りのよい曲。小沼さんはフィンガーピッキングのギタリストで、フィンガーピッキングでよくこんな感じで弾けるなぁと思っていたが、彼がピッキングを変えたのは2004年のリチャード・ボナとレコーディング(『ザ・スリー・プライマリー・カラーズ』)した時だそうで、このDrivingは2002年の作品だから、まだピックを使って弾いていたんだと納得。

最近では2019年4月に発売されたアルバム「YOSUKE ONUMA JAM KA2.5」。その中でも「Beyond the Sea / Le Bonheur」は、海をテーマにした曲なので大好きな一曲である。グルーミングな小沼さんのリズムにはジャマイカを感じるのだが、この曲はピアノがすごくフィーチャーしてあり、ビル・エヴァンスを彷彿させるような良い響きがある。とても彼の作品とは思えない、別の良い一面を見たような作品。

古いジャズを聴くのもいいが、最近の特に若い、これから伸びるプレイヤーをリアルタイムで聴いていくのも、とても楽しみになってきた。コロナ禍でライブには、まだまだ行ける状況ではないが、ブルーノート東京のライブも配信されるライブも増えたので、料金的にも配信の方が安いし、応援する意味も込めて出来るだけ生のライブを聴いていきたい。でも配信だと、その場の雰囲気が味わえないのがとても残念であるが。

生活保護申請時の扶養照会なんて知らなかった

2021-01-29 10:21:08 | 時事エッセイ
若尾政希著「百姓一揆」(岩波書店)の中で、著者の若尾さん「一揆は体制を変えることではなく仁政を求めた。仁政が回復すれば一揆は収まった。領主も百姓の生存権を保障することを自覚していた。」と書いている。
学校で習った「百姓一揆」は、とにかく死なずに飢えをしのぎ生きぬくために収めた年貢からお米を分けてくれ、年貢の納入を待ってほしい、もっと年貢の量を減らしてほしいと言った、仁政とはちょっと違う感じがしてした。しかし仁政で生存権が保障されて一揆が収まったとあるのなら、仁政とは日本国憲法が25条で保障する生存権を確保する政策、そのものではないか。憲法25条には「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と国の義務を規定している。
2021年1月28日の国会予算委員会で菅総理は共産党の小池書記局長の「最後は生活保護があるのなら、それを阻んでいる、ためらわせているものについて見直すべきだと」質問したのに、菅総理も田村厚労相もその壁である「扶養照会」の見直しを明言しなかったと、Buzzfeed Japanが報じている。
生活保護を申請に役所に行くと、まず初めに扶養照会といい扶養者はいないのか親族に問い合わせがいくという。これは公助の前に共助をまず考えなさい。国家に頼むより先に親族や親戚に面倒をみてもらいなさいということだ。生活保護の申請をする人の1/3が申請を取りやめる実態がわかる。しかし、こんな扶養照会なんてテレビと新聞が全然報道しないから知らなかった。きっと多くの人が自分は生活保護なんて関係ないと思っているせいか、知らないのではないか。
江戸時代は、さきの若尾政希著「百姓一揆」(岩波書店)によれば「領主も百姓の生存権を保障することを自覚していた。」とある。江戸時代の方が、現代社会よりずっと弱者にやさしい、社会保障の行き届いた社会ではないのか。それも領主も百姓も保障されるべき生存権を自覚していたからである。
江戸時代のように一揆を起こす気力もない政治に無関心の国民のみなさんは、どうやって生き延びて行くのだろう。

新自由主義は「最大多数の最大不幸」を実現する反功利主義政策ではないのか

2021-01-28 09:48:36 | 時事エッセイ
昔NHKで放送されたサンデル教授の白熱教室で話題になったトロッコ問題とは、簡単に説明すると「ブレーキが効かず暴走する路面電車の前には5人いるが、電車の進路を変えて別の線に引き込めばその先には1人しかいない。進路を変えずにこのまま進めば5人が死ぬのは確実である。それとも1人が死ぬのを受け入れて進路を変えるか」である。
これは「最大多数の最大幸福」の功利主義の例として白熱討論のテーマとなった。
世界の最富裕層1%の保有資産が、残り99%の総資産額を上回る現代社会の格差の現実に、ここでトロッコ問題の暴走路面電車を新自由主義、5人を世界の99%を占める貧困層、1人を同じく世界の1%の最富裕層と変えて読んだらどうなるか。
今日本を含めて多くの国で行われている新自由主義政策は暴走する路面電車ではないのか。このまま新自由主義の政策を進めていけば、ますます格差が拡大して固定化し99%の人々はますます貧困となることは確実である。そして、この固定化された格差は封建時代の階級社会、そのものである。
まさに新自由主義は「最大多数の最大不幸」を実現する反功利主義政策ではないのか。この暴走路面電車の進路を切り替えて少なくとも99%が裕福になれるように政策を変更する時期に来ているのではと思う。旧民主党の菅直人首相が理念として掲げる「最小不幸社会」という考え方でも、この超格差社会は改善できない。今の政策の真逆の政策が一番いいのではないか。消費税を内部留保460兆円も貯めこんだ大企業の法人税を減額するために使うのではなく、消費税を止めて法人税を上げる、金持ち優遇税制を止めて、それなりに負担してもらう税制改革などなど。