私の名前は山下沙織、母は装飾品のデザイナーをしている。私は中学高校とミッション系の学校だったので、髪型や服装に普段からうるさく学校に行く時はもちろんのこと、休みの時も普段も装飾品を身に付けたことは無い。大学生になった今も、何となく面倒くさくて見に付けていない。同じ学校だった友達の下田由美子は母のデザインが好きで、大学入学と同時に何かいい事があるように4つ葉のクローバーの耳飾りをしている。ラグビー大好き少女だった由美子は早速ラグビー部のマネージャーになった。その耳飾りが効いたのか、彼女に同じラグビー部の同級生のボーイフレンドが出来た。彼女に会うといつも彼の話ばかり聞かされる。名前は上原雄一、理学部数学科の頭の切れる論理的な奴だそうな。
彼女とその上原によると私は可愛いらしいらしくあっという間に男子学生の憧れの的超人気者になったそうだ。確かによく校内でも街を歩いていても、よく声をかけられる。そのせいか彼女にボーイフレンドが出来てもちっとも羨ましいと思わないし、かえって彼氏を持つのは鬱陶しい気がする。かと言って別に男が嫌いって訳でもない。授業と授業の合間などで、たまに由美子と雄一と三人でお茶したり、他のラグビー部のメンバーと飲み会に行ったりもする。かっこいいと評判の二つ年上の橋本秀行先輩がいいなぁと思ったりもする。ボーイフレンドにするならこういう人がいいなぁと単純に思うだけだが、ただ橋本先輩には、もう既に当然のごとく彼女がいる。それも年上の綺麗な大人の女性らしい。そんな訳で私に彼氏は出来ずにいたら、校内で誰が一番先に私を射止めるか?そんな競争が始まった。なんとも馬鹿げだ競争だ。しかもよりによって由美子のボーイフレンドも参戦すると由美子から連絡があった。
「あなた達はいい恋人関係じゃないの?」
「私はそう思っていたんだけど、彼はどうやらあなたが好きみたい」
由美子から電話があった。彼女は泣きながら彼と二人っきりで会ってやって欲しいと、まるで恋の取り持ちをするようなことを由美子にやらせて、私は彼に腹が立ったから会って振ってやると答えた。
次の日曜日ラグビーの試合に応援に行った。橋本先輩は相変わらずかっこ良かったし、一年生のくせに試合に出ていた上原もそれなりにかっこ良かった。試合に勝っても由美子は元気がなかった。
帰りに三人で喫茶店に寄った。
「じゃ私は今日はこれで帰るわ、二人はゆっくりして行ってね」由美子は髪をかきあげて言った。由美子の耳にはいつもの4つ葉のクローバーの耳飾りではなく、白いスズランの耳飾りが見えた。スズランの花言葉は片思いの女の子の涙だ。由美子の初恋がこんな形で終わるなんて悲しい。私はますます上原に腹が立ってきた。
「じゃ」と言って由美子は席を立ち上原に別れの挨拶をした時、由美子の目からキラリと涙がこぼれた。
その涙を見た上原の動揺したうろたえようはおかしかった。彼女の涙を見て始めて由美子への自分の気持ちに気づいたらしい。慌てて彼も席を立って彼女を追いかけて行った。上原は店の外で由美子に追いつき思いっきり胸に抱きしめた。由美子は上原の胸でわんわん泣いていた。
彼女の耳飾りはスズランから、また4つ葉のクローバーに戻るだろう。彼女に負けないように、4つ葉のクローバーとり、もっともっと幸せになる5枚の花びらのライラックの耳飾りを母に頼んで作ってもらおう。
彼女とその上原によると私は可愛いらしいらしくあっという間に男子学生の憧れの的超人気者になったそうだ。確かによく校内でも街を歩いていても、よく声をかけられる。そのせいか彼女にボーイフレンドが出来てもちっとも羨ましいと思わないし、かえって彼氏を持つのは鬱陶しい気がする。かと言って別に男が嫌いって訳でもない。授業と授業の合間などで、たまに由美子と雄一と三人でお茶したり、他のラグビー部のメンバーと飲み会に行ったりもする。かっこいいと評判の二つ年上の橋本秀行先輩がいいなぁと思ったりもする。ボーイフレンドにするならこういう人がいいなぁと単純に思うだけだが、ただ橋本先輩には、もう既に当然のごとく彼女がいる。それも年上の綺麗な大人の女性らしい。そんな訳で私に彼氏は出来ずにいたら、校内で誰が一番先に私を射止めるか?そんな競争が始まった。なんとも馬鹿げだ競争だ。しかもよりによって由美子のボーイフレンドも参戦すると由美子から連絡があった。
「あなた達はいい恋人関係じゃないの?」
「私はそう思っていたんだけど、彼はどうやらあなたが好きみたい」
由美子から電話があった。彼女は泣きながら彼と二人っきりで会ってやって欲しいと、まるで恋の取り持ちをするようなことを由美子にやらせて、私は彼に腹が立ったから会って振ってやると答えた。
次の日曜日ラグビーの試合に応援に行った。橋本先輩は相変わらずかっこ良かったし、一年生のくせに試合に出ていた上原もそれなりにかっこ良かった。試合に勝っても由美子は元気がなかった。
帰りに三人で喫茶店に寄った。
「じゃ私は今日はこれで帰るわ、二人はゆっくりして行ってね」由美子は髪をかきあげて言った。由美子の耳にはいつもの4つ葉のクローバーの耳飾りではなく、白いスズランの耳飾りが見えた。スズランの花言葉は片思いの女の子の涙だ。由美子の初恋がこんな形で終わるなんて悲しい。私はますます上原に腹が立ってきた。
「じゃ」と言って由美子は席を立ち上原に別れの挨拶をした時、由美子の目からキラリと涙がこぼれた。
その涙を見た上原の動揺したうろたえようはおかしかった。彼女の涙を見て始めて由美子への自分の気持ちに気づいたらしい。慌てて彼も席を立って彼女を追いかけて行った。上原は店の外で由美子に追いつき思いっきり胸に抱きしめた。由美子は上原の胸でわんわん泣いていた。
彼女の耳飾りはスズランから、また4つ葉のクローバーに戻るだろう。彼女に負けないように、4つ葉のクローバーとり、もっともっと幸せになる5枚の花びらのライラックの耳飾りを母に頼んで作ってもらおう。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます