今日はもうこのタイトル以外は頭に浮かばない。
エンドロールが終わり、劇場の照明が再び灯りだす瞬間まで、僕は作品の世界に引き込まれ続けていた。
「人は変われる」などといった映画のなかに勝手にメッセージを見出し解釈したものを書き記すのは簡単だ。
でも、僕の中にはそんな優しい言葉なんかでは表現しつくせない、心にズンズンと響いてくる作品だった。
劇中ではタオという青年が、イーストウッド演じるウォルトからたくさんのことを学び続けていく。
それと同じように、客席にいた僕自身もスクリーン越しにウォルトが発する多くの「言葉」を受けとめていくことができた気がする。
時に尻を叩かれ、時にやさしく見守られ、最後は身体を張って「生き方」を教えてくれた存在…。
そんな劇中におけるウォルトの「温かさ」を感じるにつけ、僕は18の時に亡くした母の葬儀において、寺の住職が言った言葉を、ふと思い出した。
「(死んだ母親は)自分の生涯をかけて皆さんに『死と生』を教えてくれたのです。」
「その意味を、今度は残されたあなた方が生涯をかけて考え、次の世代に伝えていかなくてはいけません。」
僕にとってこの映画は、そんな映画だった。
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