◎響きの科学
★「響きの科学」(ジョン・パウエル、ハヤカワ・ノンフィクション文庫)を読んで少し
○音の高さ(ピッチ)はどうやって選ばれたのか?
昔は国によってもピッチは異なっていた
●1939年にロンドンで開催された会議で、国際的な標準として、中央のC(ド)の上の「A」(ラ)のピッチ(基本周波数)を440Hzと定められた
1939年以前はAのピッチにばらつきがあった
○現在、絶対音感をもつ人は、1939年に決定された標準的なピッチを記憶しているということになる
○モーツァルトは絶対音感を持っていたが、モーツァルトが記憶していた音は、1939年に採択された音とは異なっていた
今のドレミファソラシドとモーツァルトの時代のドレミファソラシドは違う(ピッチが違う)ものである
○音を生むのに最適な振動する単純な形は円柱である
大半の楽器は、空気の柱や弦(細長い円柱)を振動させて音を出している
○ギターなどの弦は数週間ごとに一式取り替える必要がある
使っていると、弦の形が崩れてピッチがあやふやになるから
○音の強度を10倍すると、音の大きさは2倍になる
バイオリン1台の音の大きさを2倍にするには、バイオリン10台が必要となる
○音の大きさが2倍になるごとに、10デシベルずつ増えていく
20デシベルの差があれば、音の大きさは一方の音より4倍大きい
●長調と短調の気分は実際に異なっている
しかし平均律の調はそれぞれ異なる気分を伝える(例えば、イ長調とハ長調について)というのは神話(思い込み)である
調と気分のあいだに関連性はない
○気分を転換するのは、転調したときである
今の調から、全音または半音上の調に転調すると曲の雰囲気が「高揚」する
○指揮者はオーケストラが実際に演奏する前に、仕事の大半を終えている
○CDの音とレコードの音を聞き分けられる人はほとんどいないだろう
○平均的な聴き手なら、CDとMP3による再生を聞き分けることはできない
MP3は人間の耳には聞こえない不必要な情報(CDの約90%)を削除したものである