◎ギリシャ神話 24 オリュンポス12神 11
★アポロンの従者ムサたち
◎ムサは、文芸、音楽、舞踊、哲学、天文など人間のあらゆる知的活動の女神である
○ムサたちは、もともと泉の神であったが、記憶の女神となり、さらに詩的霊感の女神となった
のちに歴史、哲学、天文などより広い知的活動も司る女神となった
○ムサの名は「記憶」「思い出させる物」を意味する
吟唱詩人たちは、書物ではなく記憶に頼っていたからである
吟唱詩人たちは、詩の内容を丸ごと暗記していたのではなく、伝統的な定型的表現を自由に用いて作詞する技術と、物語の筋の概要を習得するだけであった
吟唱詩人たちは、丸暗記していたものをそのまま暗唱するのではなく、ジャズのように聴衆の前で自由に即興的にその場で作詞して語り、歌ったのである
詩の内容の一部分だけを取り出して語ったり、内容を圧縮して語ったりしたのだろう
○ムサ Musa の英語名はミューズ Muse
○ムセイオン Museion
プラトンやアリストテレス以来、ムサたちの崇拝を行なう団体が学校にあったところから、アレクサンドリアでムセイオン(「ムサの神殿、神域」)は教育、研究機関の名となった
○ムサを語源とする言葉
・music(音楽)
・museum(博物館、美術館)
☆ムサの数
・最初は3人
メレテ 「実践」「熱心に行うこと」
ムネメ 「記憶」「思い出すこと」
アオイデ 「歌」「歌うこと」
・レスボス島とシシリア島では7人
ピタゴラス学派では8人
・ヘシオドスは9人とし、これが正規とされるようになった
○ヘシオドスによると、ムサはゼウスとムネモシュネ(「記憶」の意)の娘である
「神楯(アイギス)もつゼウスの娘 オリュンポスの詩歌女神(ムウサ)たちは。
彼女たちを ピエリアで 父神ゼウスに添寝して 生みたもうたのは
エレウテルの丘陵(おか)を治めるムネモシュネ
彼女らを 災厄を忘れさせ悲しみを鎮めるものとして生みたもうたのだ。
すなわち賢いゼウスは 9夜 彼女(ムネモシュネ)と臥せられた
不死の神々から遠く離れたところで 彼女の聖い臥床にのぼって。
だが1年が過ぎ 季節が巡り
幾度も月が虧(か)けて あまたの日々が経めぐると
彼女は 9人の娘を生まれた
(中略)
大いなるゼウスの儲けた 9人の娘たちは。
クレイオ エウテルペ タレイア メルポメネ
テルプシコラ エラト ポリュムニア ウラニアに
カリオペで この方(カリオペ)はみんなのなかで第1等の位にある」(ヘシオドス「神統記」岩波文庫 より)
○後になって、ムサたちそれぞれに専門領域が与えられたが、確定したものではない
・クレイオ「讃える女」
歴史
・エウテルペ「喜ぶ女」
笛の演奏
・タレイア「華やかな女」
喜劇
・メルポメネ「歌う女」
悲劇
・テルプシコラ「踊りを楽しむ女」
抒情詩と舞踊
・エラト「憧れを呼ぶ女」
恋愛詩
・ポリュムニア「讃歌をたくさんもつ女」
物真似芸術
・ウラニア「天の女」
天文学
・カリオペ「美しい声の女」
叙事詩と雄弁
○アムピマロスとウラニア(またはカリオペ)の子リノスは、リズムとメロディを発明したという
また、リノスはフェニキア文字をギリシャにもたらしたという
○ヘラクレスの少年時代、多くのその道の達人が彼の教育にあたった
アムピトリュオンは馬術と戦車を御す術を
エウリュトスは弓術を
アウトリュコスは格闘術を
ポリュデウケスはフェンシングを
カストルは武器のつかい方を教えた
・リノスは竪琴を教えた
ヘラクレスは無器用でなかなか上達しなかった。
リノスがヘラクレスを叱ったとき、かっとなって竪琴で師の頭を打ちくだいて殺してしまった
ヘラクレスは殺人罪で訴えられたが、正当防衛は罪に問わずというラダマンテュス(クレタ人の立法者で、死後は冥界の裁判官になったと考えられている)の法を引用して無罪を勝ち取ったという
★アポロンの従者ムサたち
◎ムサは、文芸、音楽、舞踊、哲学、天文など人間のあらゆる知的活動の女神である
○ムサたちは、もともと泉の神であったが、記憶の女神となり、さらに詩的霊感の女神となった
のちに歴史、哲学、天文などより広い知的活動も司る女神となった
○ムサの名は「記憶」「思い出させる物」を意味する
吟唱詩人たちは、書物ではなく記憶に頼っていたからである
吟唱詩人たちは、詩の内容を丸ごと暗記していたのではなく、伝統的な定型的表現を自由に用いて作詞する技術と、物語の筋の概要を習得するだけであった
吟唱詩人たちは、丸暗記していたものをそのまま暗唱するのではなく、ジャズのように聴衆の前で自由に即興的にその場で作詞して語り、歌ったのである
詩の内容の一部分だけを取り出して語ったり、内容を圧縮して語ったりしたのだろう
○ムサ Musa の英語名はミューズ Muse
○ムセイオン Museion
プラトンやアリストテレス以来、ムサたちの崇拝を行なう団体が学校にあったところから、アレクサンドリアでムセイオン(「ムサの神殿、神域」)は教育、研究機関の名となった
○ムサを語源とする言葉
・music(音楽)
・museum(博物館、美術館)
☆ムサの数
・最初は3人
メレテ 「実践」「熱心に行うこと」
ムネメ 「記憶」「思い出すこと」
アオイデ 「歌」「歌うこと」
・レスボス島とシシリア島では7人
ピタゴラス学派では8人
・ヘシオドスは9人とし、これが正規とされるようになった
○ヘシオドスによると、ムサはゼウスとムネモシュネ(「記憶」の意)の娘である
「神楯(アイギス)もつゼウスの娘 オリュンポスの詩歌女神(ムウサ)たちは。
彼女たちを ピエリアで 父神ゼウスに添寝して 生みたもうたのは
エレウテルの丘陵(おか)を治めるムネモシュネ
彼女らを 災厄を忘れさせ悲しみを鎮めるものとして生みたもうたのだ。
すなわち賢いゼウスは 9夜 彼女(ムネモシュネ)と臥せられた
不死の神々から遠く離れたところで 彼女の聖い臥床にのぼって。
だが1年が過ぎ 季節が巡り
幾度も月が虧(か)けて あまたの日々が経めぐると
彼女は 9人の娘を生まれた
(中略)
大いなるゼウスの儲けた 9人の娘たちは。
クレイオ エウテルペ タレイア メルポメネ
テルプシコラ エラト ポリュムニア ウラニアに
カリオペで この方(カリオペ)はみんなのなかで第1等の位にある」(ヘシオドス「神統記」岩波文庫 より)
○後になって、ムサたちそれぞれに専門領域が与えられたが、確定したものではない
・クレイオ「讃える女」
歴史
・エウテルペ「喜ぶ女」
笛の演奏
・タレイア「華やかな女」
喜劇
・メルポメネ「歌う女」
悲劇
・テルプシコラ「踊りを楽しむ女」
抒情詩と舞踊
・エラト「憧れを呼ぶ女」
恋愛詩
・ポリュムニア「讃歌をたくさんもつ女」
物真似芸術
・ウラニア「天の女」
天文学
・カリオペ「美しい声の女」
叙事詩と雄弁
○アムピマロスとウラニア(またはカリオペ)の子リノスは、リズムとメロディを発明したという
また、リノスはフェニキア文字をギリシャにもたらしたという
○ヘラクレスの少年時代、多くのその道の達人が彼の教育にあたった
アムピトリュオンは馬術と戦車を御す術を
エウリュトスは弓術を
アウトリュコスは格闘術を
ポリュデウケスはフェンシングを
カストルは武器のつかい方を教えた
・リノスは竪琴を教えた
ヘラクレスは無器用でなかなか上達しなかった。
リノスがヘラクレスを叱ったとき、かっとなって竪琴で師の頭を打ちくだいて殺してしまった
ヘラクレスは殺人罪で訴えられたが、正当防衛は罪に問わずというラダマンテュス(クレタ人の立法者で、死後は冥界の裁判官になったと考えられている)の法を引用して無罪を勝ち取ったという