日経新聞の今月の「私の履歴書」は、日本語ワープロソフト・一太郎で有名なジャストシステムの元会長が執筆されています。
「一太郎」は私が社会人になったころから広まりました。5インチのフロッピーディスクをNECの98シリーズのパソコンに入れ、ガタガタ言わせながら文書を作成したものです。
そのうちにWindows95の頃からでしょうか。マイクロソフトのWordとExcelがだんだんとシェアーを広げ、家電量販電ではWord・Excelモデルと一太郎・ロータスモデルの両方が売られていました。
当時の勤務先はゼネコンで、会社としてはWord・Excelモデルを導入していました。管理部門にいた私もそれらを利用していました。
ある日、ある作業所で事故が発生し、管理部門として各種対応の応援に向かいました。到着すると、事故報告書の作成の続きをある部長から命じられました。現場の事務の方が対応していたのですが、他のことをしなければならなくなったからです。
パソコンに向かうと、慣れ親しんだWordではなく、もう、とっくに操作方法を忘れてしまった一太郎が立ち上がっているではありませんか。当時、作業所には会社の方針が浸透しておらず、自分たちが使いやすいものを入れていたのです。
文字を打つことは何とかできても、レイアウトや修正などはできません。しかし、その部長はそんなことはお構いなしに、「こうしろ、ああしろ」と言ってきます。
焦っているうちに、「途中経過を出せ」と言われて印刷して部長に渡しました。部長はそのまま当局へ提出しに外出。もどってくるなり「あの部分が修正されていないじゃないか! 事務屋のくせにワープロも打てないのか!」と怒られてしまったのです。
「ワープロと言っても種類が違う。だから操作方法も違う。そんなことも知らないのですか」と反論するわけにはいかず、しばらくは汚名を着せられたままでした。
ものにもよるとは思いますが、会社として統一すべきものはしておかないと、ミスにつながったり余計な力を浪費することになります。今でも私の教訓になっていることでした。
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