ちょうど1週間前の12月18日、札幌で公演中のマイ・フェア・レディに出演されていた神田沙也加さんがお亡くなりになりました。改めてご冥福をお祈りいたします。
私とマイ・フェア・レディの出会いは、大みそかの深夜に放送された映画が最初です。いつ頃だったかは全く覚えていません。民放が「ゆく年くる年」を制作していたとき、その後は局によっては夜どおし映画を放映していました。そのなかの一つです。
ストーリーもさることながら、大学では英文学科に所属していた(英文学を勉強していたとは恥ずかしくて言えません)私にとって、イギリス英語とアメリカ英語の発音の違いや「コックニー」と呼ばれているロンドン下町の言葉にも興味があり、機会があれば今でも映画を見たり音楽を聞いたりしています。
特に、下町の様子を歌っている"Wouldn't It Be Lovely"、コックニーを克服してヒギンズ教授から祝福された後に歌った"I Could Have Danced All Night"、イギリス紳士淑女がアスコット競馬場で歌う"Ascot Opening Race"がお気に入りです。
イライザ役のオードリー・ヘップバーンの歌は、マーニ・ニクソンという方の歌に吹き替えられていることと、その方は1961年にアメリカで公開された「ウエスト・サイド物語」のヒロイン・マリアを演じたナタリー・ウッドの吹き替えも行ったとは聞いていました。
イライザはロンドンの下町の娘、マリアはカリブ海に位置するプエルトリコから移民したアメリカ人という設定です。発音の使い分けを確かめてみるのも楽しみの一つです(理解できているわけではありません)。
また、このブログを書くにあたっていろいろと調べていたら、新たな発見がありました。
厳しいレッスンをするヒギンズ教授に対し、最後は王様に頼んで銃殺してしまうという空想をする場面で歌っている"Just You Wait”。3つのパートに分かれているのですが、マーニ・ニクソンの吹き替えは真ん中のパートだけで、最初と最後はオードリー・ヘップバーンの歌がそのまま流れているということです。
何となく違う気がしてはいました。真ん中は最後に銃殺を王様へお願いする、つまりおねだりをする場面なので甘えた声になっているのかと思っていました。しかし、改めて聞いてみると他の歌の場面の声と同じです。最初と最後の部分はそれより少し低い声、オードリー・ヘップバーンが普通に話しているときと同じ声のようです。
これからも、映画を見たり歌を聞いたりすることでしょう。そのたびに新たな発見があるかもしれません。
最後に、海外のミュージカルの日本語版を見にいったことは、今までありません。イメージがくずれてしまう気がするからです。ただ、神田さんが演じていたイライザは非常に評判が高かったそうです。今は安らかにお眠りになられることを祈るのみです。
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