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雫井脩介「検察側の罪人」

2018-09-20 19:31:00 | 小説・マンガ感想
現在絶賛上映中である検察側の罪人を読み進めました(映画の方については後述)。
上巻下巻の二部構成でしたが、上巻が続きが気になる終わらせ方をしていたので、すんなりと下巻に移ることができスムーズに読み終わりました。


<あらすじ(抜粋)>
東京地検のベテラン検事・最上毅と同じ刑事部に、教官時代の教え子、沖野啓一郎が配属されてきた。ある日、大田区で老夫婦刺殺事件が起きる。捜査に立ち会った最上は、一人の容疑者の名前に気づいた(松倉)。すでに時効となった殺人事件の重要参考人と当時目されていた人物だった。男が今回の事件の犯人であるならば、最上は今度こそ法の裁きを受けさせると決意するが、沖野が捜査に疑問を持ちはじめる――。



強引に松倉を犯人に仕立て上げる最上と、真犯人は別にあるのでは・・・と疑問を抱く沖野の対照的な展開が物語を大きく左右させていく。最上はここまでしてまで松倉を犯人にさせたいのかと思わせる展開で上巻を終わらせることができたのは、読み進めていくうえですごく興味深かった。決してスッキリした展開ではなかったのですが。。。


下巻ではある一つの証拠により松倉のほうが厳しい局面に立たされるが、そこで行動に出た沖野とそこで出会う数多くの重要人物が大きなカギを握る。
そして結末は、読む人によっては意見が分かれてもおかしくない終わり方となる。ハッピーエンドと捉える人もいれば、沖野の気持ちも考えれば果たしてこの結果がよかったのかと思う人もいてもおかしくない。僕個人としては、沖野の判断は間違っていないし、裁かれるべき人が裁かれて当然だと思っている。


非常によくできた作品で、是非とも映画を観る前に読み進めていただけることをお勧めします。



というのも、映画の方は本を事前に読んでから観る人と、原作を読まずにむしろキムタクや二宮の演技観たさに来た人とでは満足度は大きく異なると思っている。


はっきり言って原作とは変えてきています。大人の都合かもしれないが、吉高由里子演じる沙穂は映画用のキャラで原作よりも目立たさせています。これが吉高でなければもっと原作寄りのキャラでいれたはずです。

あと松倉に関しては、原作では釈放させてあげたいと思わせるところもあったりするが、映画のキャラでは松倉の肩を持つことはまずやりたくないなと思わせるキャラを演じていた。松倉の終わらせ方も原作とは異なっているし、ここ一つだけで映画の評価をされてもおかしくないくらい原作とは大きく変えていた。
まあ酒向芳さんはよく演じたと思うよ。

キムタクやニノの演技は完璧だったのでそっち目的の人は文句なしの評価に違いないが、原作から追ってきた立場からすると、せっかくいい作品なのだから原作に寄せればいいのにという評価でした。あと、2時間ちょっとで収めるのはちょっと無理があるような印象を受けたので、純粋にドラマで観たかったというのが率直な感想。




繰り返しになるが、原作は読んでて面白かったのでお勧めする。

じゃこの辺で


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