前回の、「障がい児と抱っこ法をご説明するため」の、
私の息子が抱っこ法と出会った時のお話の続きです。
第1回目のセッションは、
話の中で、赤ちゃんの時期の話にじょうが反応して、
私がなんだか不思議な気分に包まれた感じになりました。
また、言葉の話せないじょうが、
人の話を聞いて理解していることにびっくりしました。
恥ずかしながら、
自閉症でコミュニケーションの障がいがあるじょうは、
言語理解は単語くらいで、
話なんて分からないと思い込んでいたのです。
それが、七野先生の話を理解して、
悲しい時に泣き、
伝えたい言葉を伝えたので、
本当にびっくりしました。
2回目のセッションに行くとき、
じょうは「いけへん」と拒否の言葉を言って、
べそをかいているのですが、
なのに、自分で靴を履いていく準備をしていました。
『あら、あら、言葉ではいやって言ってるけど、本当は行きたいのね…』
という感じでした。
2回目のセッションでは、
以前通園していた幼稚園の話をしました。
本人にとってはとてもつらく、
パニックばかり起こしていた時期の話になると、
唇を噛んだり、舌を盾に動かしたりして感情を押し殺していました。
そのため、私から七野先生に抱っこを変わると、
まるで閉じていた蓋が空くように、大泣きになりました。
先生から、「母が抱っこしているときに泣くと、
お母さんを責めるようなので泣けないのでは」と説明を受けました。
こんなに小さいのに、母のことを思うんだ。
障がいがあっても、そんな感情があるんだと驚きました。
途中「痛い」と発言があり、
七野先生が「痛いのね。」と耳をなぜると、
とても激しく泣いていました。
音が「痛い」と感じるなんて、
とても私には想像できない感覚です。
そんな感覚を持って生きていたじょうは、
苦しかっただろうなと、つくづく感じました。
2回目のセッションが終わってから、
じょうは少しのことでかんしゃくを起こすようになりました。
自分で靴下をはいてみて、はけなかったら衣類を全部脱いでぐずってみたり、
いつもは何も言わないことでもぐずぐず言ってみる。
ぐずぐず言うのは主に私にだけで、
保育園の先生には何も言わずに頑張っていました。
ぐずぐず言い出したら、自分自身で感情を落ち着かせることができないようで、
私が抱っこをした途端、大泣きと大暴れをして泣き叫び、
20分~30分抱っこして話すと、
その後は落ち着きを取り戻していた。
まるで、今まで自分一人で頑張ってきたことを、
私に何かをわかってもらいたいと訴えているかのようでした。
また、ぐずぐず言うときは、口ではかなりの拒否を言うのですが、
抱っこしてほしいと訴えているように見えました。
この時期は、じょうは私にどうやって気持ちを受け取ってもらっていいのか分からず、
ただ、ぐずぐず言うしか表現できなかったのですが、
私を必要としていることはよく伝わってきました。
3回目、4回目とセッションを繰り返すうちに、
どんどんじょうは、訴えが上手になってきました。
もちろんパニックや大泣きにもなりますが、
話を聞いてほしい時は、
抱きしめる体制になりやすいように、待っています。
また、大泣きする場所も、時間も、
私に合わせてくれるようになりました。
じょうとのかかわりが増え、
じょうの言いたいことが大体伝わるようになってくると、
じょうに対する理解や愛情がどんどん増えていきました。
加えて、障がいを持っていても、
感情や苦しさ、悲しみ、喜びなど、
たくさんの喋りな心があることをどんどん味わっていきました。
それと同時に、
障がいからくる困難(苦手な音やこだわりなど)も、
親子で頑張れるようになっていきました。

≪6歳のころのじょうです≫
私が抱っこ法と出会えたことは、
本当に幸せなことだったとつくづく感じています。
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