Takekida's log

千里の道も一歩から

ユニクロとしまむら

2009-11-21 22:36:20 | Books
冬の足音の聞こえてきた今日この頃。
明日は長良川にてカーフマンへ。この大会で今年のレースは終りの予定です。

ユニクロ vs しまむら(日経ビジネス人文庫)
月泉 博
日本経済新聞出版社

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2006年に出版された本の文庫版。個人的にはしまむらは利用したことはなくここまで躍進している企業とは知らなかったというのが正直なところで勉強になりました。06年の時点で全小売業では売上高ベースでユニクロ(ファーストリテイリング)は6位。しまむらは8位。上位陣にはヤマダ電機やヨドバシといった単価の高い家電量販店が軒を連ねていることから考えると相当、この2社は健闘しているといっても良いと思います。

この本によると両者は対照的であるとのこと。
それは中間流通の位置づけです。ユニクロは中間流通を不要と考え、自社ブランドをそのまま販売する形(SPA=Speciality Store Retailer of Private label Appearel)をとるのに対し、しまむらは中間流通を内包化し自らに問屋機能を備えてしまったということ。結果として得られたのは「問屋には頼らない」システムであるという点が共通しているというのは面白いところ。つまり山登りに対する異なるアプローチなわけです。

ユニクロは高品質のベーシックカジュアルの提供という理念は変わっておらずアイテムの絞込み、低価格、高品質ブランドの破壊的な展開というのが原動力かと思います。挫折もいち早い決断で乗り越えてきており勢いと決断力があることが特徴
しまむらの秘密は徹底した経費の削減。テンポと人にかかる費用を極限まで圧縮する仕組みをつくったのがしまむらといえよう。本部での各店舗の一括管理やセントラルバイング(本部一括しいれ)小規模郊外店舗への集中など経費を減らすために真面目にやるべきことをきちんとやっている会社だといえる。

消費にあわせる戦略+低価格で伸びてきた2つの会社にとっては順風満帆ともいえないこともないがいつまで勝ち続けられるか分からない。H&M、GAP、Forever21など外資系の勢力も次々と参入してきている。
今後はユニクロとしては消費にあわせるだけでなく新しい市場を開拓できるか、ライフスタイルまでを含めた提案ができるかというところにポイントがありそう。
一方、しまむらは成長するためには大型店舗内への展開も進めていかなくてはいけず独自の経費削減術がどこまで通用するかということがポイントになりそう。
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3 Comments

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Unknown (せと)
2009-11-23 22:01:26
最新のデータを見てみると、ユニクロ11位、しまむら19位、と少し差が開いているようです。
しまむらは、ネット販売をやっていないようですので、その辺りの差が出てきたのかも知れませんね。

ユニクロやしまむらは、質はともかくシルエットは妥協せざるを得ないですよね。
逆に言えば、試着せずに買うことになるネット販売には強いかと。
今週のダイヤモンドによれば、セレクトショップのものでもネットで結構売れているようですので、ユニクロやしまむらならかなり大きいのではないでしょうか。
(実際、ユニクロはネット販売は躍進中の様子)

ヒートテックものが欲しい今日この頃です。
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Unknown (せと)
2009-11-23 22:03:23
上の記事で書いた最新のデータです
http://markets.nikkei.co.jp/ranking/keiei/uriage.aspx
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Unknown (たけきだ)
2009-11-25 00:00:38
最新のデータ&分析ありがとうございます。
確かに一点もの勝負のしまむらでは通販はきついのかもしれませんね。

違う視点からいうと通販で一番困るのはサイズが実際着てみて合わないことでユニクロは一回合うサイズさえ見つかってしまえば靴と一緒で基本的にはどんな商品も同じ規格で作られていると安心できるので買う敷居はかなり低くなると予測できます。

デザインも昔よりは格段によくなったと思います。
Basicなアイテムは重宝しますがひねってあると逆にいかにもという感じになってしまう気がします。

スタンダードとしてこれからも定着するのは間違いないと思いますが後一歩、物足りないと感じる人達の満足を得られるところまで踏み込めるかどうかがポイントかと思います。
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