Takekida's log

千里の道も一歩から

幸福の計算式

2013-06-22 21:27:26 | Books
週末は雨も上がって気持ちの良い天気となりました。6月もあともう少しです。
幸福の計算式 結婚初年度の「幸福」の値段は2500万円! ?
クリエーター情報なし
阪急コミュニケーションズ


ブータンの国王夫妻が来日したことがありましたがブータンでは国民総幸福量(GNH) を定義して幸福を追求する国づくりを目指しているとのこと。たしかに見た目の経済成長や生活の豊かさというのは必ずしも幸福感と一致するものではないというのは誰もが感じていることでしょう。仕事の報酬などはそういった食い違いというか矛盾を感じるところかと。

お金で買えない価値がある。買えるものは… というCMがありますがこの本は真面目に「幸福度と収入の関係式を作ること」、「人の幸福度をお金に換算すること」を追求した本です。当然ながら手法は統計学で幸福度を数字で申告してもらい、その経過観察を実施することで環境や性格特性といったものをなるべく排して幸福度とお金の家計を探ろうとしています。
この分析から見えてきたものとしては意外に?高いものとして新婚の価値:2500万
意外に低いものとして子供が生まれた時の喜び:31万。離婚は初年度分で98万の損失
配偶者の死は3800万、子供の死は1500万。など、現実に即していないと思う人も多いでしょうが客観的に見てしまうとこの程度の数字となってしまいます。ただ悲しみや喜びというのは意外にも数年間で回復していくもののようであくまで直後の苦しみが大きいというのがわかってきていることです。時間をかければある程度は癒されるもののようです。
また幸福度と仕事や人間関係の充実や長寿といったものにはやはり相関があります。なので幸福を追求するという観点は間違ってはいないと思われます。ただ幸福は少なからず他人を犠牲にして成り立つ面もあるため社会としてという観点では難しいものですがブータンのように政治的な取り組みが今後進んでいくかもしれません。
 筆者が最後に書いているように幸福というのはあくまで心の一状態にしかすぎず、欲望を満たすということからある程度は成り立ってます。であるとすると幸福を追求することが苦しみになるというのは否定できずそれよりは心を鍛えて変化をありのままに受け入れることが幸福を追求する苦しみから逃れられる方法だといえると思います。知足(足るを知る)という言葉がありますがそういった心を身に着ける方がよっぽど結果としては幸せになるのでしょう。
そのことをすでに悟っていたのは釈迦でしたが自分を含め多くの人がそういった域には達することが出来ていないというのは皮肉なことです。


Comments (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 第31回琉球民謡コンクール | TOP | 植物に学ぶ »
最新の画像もっと見る

2 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
値段とは (まっつん)
2013-06-24 11:15:36
 子供に関する値段が低いように感じますね。客観的にみるとそんなものなのかなー、不思議です。
 欲望を満たすことは一時的に幸福度がアップするかもしれないけど、次から次へ欲望がでてくるのも不幸のような気がします。
 貴方の言うとおり、「足るを知る」ことが最も人生を楽しめるのかもしれませんね。
返信する
Unknown (たけきだ)
2013-06-26 23:53:21
子供は確かに意外なものですが実際は苦労を過小評価する傾向があることからのようです。たしかに大変なことも多いので特に女性はそう感じるのではないでしょうか。

持てば持つほど欲しくなる、「The more we have, the morewe want.」ではないですが欲望は限りないと思います。ふと客観的に欲しいものを手に入れた後のことを思い出すと手に入れてしまうと意外にそれまでの欲望がはかないものだったと終えてくるような気がします。
返信する

post a comment

Recent Entries | Books