ゼロから考えるリーダーシップ 高橋 潔(著)
原点に立ち返って日本型のリーダーシップについてを模索した本です。
リーダーシップの大御所、南カリフォルニア大学の組織のウォーレン・ベニスに言わせれば「組織が成功するかしないかは少なく見積もっても15%はリーダーシップにかかっている」とのこと。ある意味リーダーシップというのは組織に風土を作る品格/人徳に近いと思っている人も少なくはないのかもしれません。組織が危機に瀕した時にその真価が発揮されるものだと思いますし、組織が大きくなればなるほど現状維持の慣性が働くのでそこに新たな風/変化を取り込むのが仕事の一つなのだと言っても良いのかと思います。
この本では「目標の達成に向けて集団の活動の照準を合わせ、他者に影響力を発揮すること」がリーダーシップのエッセンスであるとしています。
①目標への志向性、②集団活動の照準合わせ、③影響力の発揮の3つが大事
①の志向性といっても情熱や一貫性というのは少し違い、求められるのは自分の言葉で人を引き付けるビジョンを描きそれを明快に伝えることが出来るかというのがポイントになりそうです。これはえらくなればなるほど簡単ではないのかもしれません。そして欠かせないのは楽観性。絶望的な状況でもなんとかなると思えるかといったところなのでしょう。とにかくビジョンを作るには自分で考え抜くしかありません。日常の仕事に忙殺されるだけでなくいかに考える時間を作れるかその余裕を自分で作れるのかというのが大きなポイントになりそうです。
日本型のリーダーシップに関してはどうしても組織論が先に出てきてしまうので奉仕型のサーバント・リーダーシップとシェアド・リーダーシップ ≒アメーバ経営 の合間がひとつの解。 現場が優秀な状況も踏まえると孔子の言っている「無為の治」というのがうまくいくことを期待したいと思います。ただ出るときには出るというメリハリがあり、垂範率先的な行動と確に使い分けられるのが理想なのでしょう。
今までもいろいろとリーダーシップの本を読んできましたが止まないのは自分がリーダーシップがあると思えない/自信がないからというのの裏返しなのかもしれません。リーダーシップは学ぶ要素もあるのですがそれよりも子供の時からのリーダーシップを養う経験が非常に重要だというのも指摘されており・・・ぜひ そのような経験をさせる場が少しでも作れればと考えています。
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