Takekida's log

千里の道も一歩から

The Power of Diversity 

2009-02-21 22:14:48 | Books
どうも天気がはっきりとせず急に寒さも戻ったため外の練習もやや少なめ。
SWIMは12000m/週ぐらいをキープしてますがどうも思ったように力は上がっていかず。トライアスロンのシーズン開始は6月を予想していますがそれまでどこまでいけるか、ここ2ヶ月ぐらいが正念場です。

「多様な意見」はなぜ正しいのか 衆愚が集合知に変わるとき
スコット・ペイジ
日経BP社

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オープンソースやWikiなどインターネットでは集合知というものが確立されつつあります。もちろん学問を体系的に学んでいくというのは学校がこれからも担っていなければいけない役割ですが多くの人はWebに蓄積された知やノウハウに助けられたことがあるのではないでしょうか? 

多様な集団であることが個人の能力に勝り、正しい予測と判断、優れた解を見つけられる。
というのがこの本のメッセージです。
やや直訳に近く,難解な部分もありますがきちんと思考実験をして論理的に多様な集団が個人の判断に勝ることを示しており、単なる感覚だけで書かれている本とは一線を画しています。

前述のインターネットの場(Wikiや助け合い掲示板など)というのはある程度の専門やBackGroundを持った多様な集団が集結する場所であり、まさにこの条件がそろった場所なのではないかと思いました。

生物学的にも多様な血が交じり合うことで突然の環境の変化や突然変異に強くなり、生存競争に生き残っていったというのはゆるぎない事実。
目標や利益が一致する集団でなくては効果がないので常にプラスになるというわけではないですが実社会でも同じ目標に対して多様であることをうまく利用すれば様々な難局も乗り越える事の出来るヒントになるはずです。

1.多様性を評価するための枠組み

多様性というのは具体的に

多様な観点:状況や問題を表現する方法
多様な解釈:観点を分類したり分割する手法
多様なヒューリスティック:問題に対する解を生み出す方法
多様な予測モデル:原因と結果を推測する方法

のこと。

2.多様性がもたらす恩恵
 大きく「問題の解決」と「予測」に分けて思考実験を紹介。
「問題の解決」では選択肢を作って可能性を評価するという作業を取り上げている。
 集団としての恩恵が得られるのは次のような条件がそろった場合。
 1.問題が難しい
 2.集団の個々の持つ観点やヒューリスティックが多様である
 3.集団はさらに大きな集団から選び出す必要がある
 4.集団は小さすぎない
 観点やヒューリスティックスが多様であることが多数の解への繋がりを増やすことができるというのがポイント。
 「予測」の問題では多様性と正確さ(予測能力)が集団としての予測に等しく寄与しているということを示している。
 
3.多様な価値
 多様であることはいいことばかりでないソルバーが多様であることは恩恵があるが好みや目標の相違というのは衝突を生み出す。
このことに関してもツールボックスと好みの多様性がどのように相互作用するかという思考実験で明らかにしています。

4.アイデンティティとの相間
 多様なアイデンティティ(人種、性別)は問題解決と予測で優れていることが多い。それは個々の持つバックグラウンドの違いから持っている観点やヒューリスティックが多様である可能性が高いということで常に成り立つわけでないし、過大評価をしてはいけない。
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