Takekida's log

千里の道も一歩から

地産地消のデザイン

2019-08-03 21:55:45 | Books
  JR九州と言えば…個性派観光列車のメッカといっても差し支えないほど魅力的列車の走る場所。大きな貢献を果たしているのがデザイナーの水戸岡さんでこの本はその水戸岡さんの仕事に向かう考え方や流儀を紹介した本です。優れたデザインというのは決してギラギラしたものではなく第3者のフィルターも入った美しいというよりは使うための正しいデザインというのが主眼にあるようです。ただ人の意見を聞いてばかりいても「なかったSeeds」というのを取り入れることはできないわけでいかに咀嚼して自身のアレンジを入れるのかというのは非常にセンスの問われるもの。まさに水戸岡さんはその絶妙の勘どころを抑えているのかと思います。そして背景にあるのは長期的な視点に立った理想の追求というのを情熱をもってやっていることなのでしょう。 木の座席や藺草の縄のれん、金箔の妻壁、山桜のブラインド、漆などその地方に特産品もうまく生かしながら取り入れていくところはまさに地産地消。であるからこそ観光列車といえども変に浮くことなくマッチするのでしょう。 仕事でもなんでも手段を目的にすることは憚られますが移動手段である鉄道を目的にして呼び寄せるということを可能にする観光列車はこれからも振興の目玉になるのではと思います。
 それにしてもこの感性がどこから来たのかというのが気になるのですが幼い時の自然に触れた体験が五感を磨いたと振り返っています。外で思いっきり自然に触れた体験=自然の移り変わりや植物、動物、昆虫を触ったりにおいをかいだりと実際に経験する感覚から培われたのではとの振り返りがあります。そういった意味では日本の季節の移り変わりの激しさと東西南北の気候の違いというのはポジティブに考え生かせるところなのかもしれません。
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