昨今は藤井聡太竜王の活躍で賑わいを見せている将棋界ですが、将棋のタイトルは次の8個があります。順番は日本将棋連盟が定めた賞金額による序列です。
竜王と名人は同格のタイトルとされています。
叡王は2017年に創設されたタイトルのため、永世称号の規定がありません。
竜王戦、名人戦、王位戦、王座戦、棋王戦、叡王戦、王将戦、棋聖戦
・竜王戦
予選は1−6組に分かれて各組でトーナメント戦が行われます。本戦出場枠は1組が優勝、準優勝を含む上位5名。2組は優勝、準優勝の2名、3組以下は優勝者となります。
本戦は変則的なトーナメントを2組に分かれて行います。その優勝者が挑戦者決定三番勝負を行い、先に2勝した方が挑戦者となります。
竜王戦はタイトル保持者と挑戦者が1日制、持ち時間8時間の七番勝負を行い、先に4勝した方が竜王となります。
永世称号は連続5期または通算7期以上で永世竜王となります。
・名人戦
名人戦の予選はフリークラス、C級1、2組、B級1、2組、A級に分かれ、その内のA級に所属する10名がリーグ戦を行い、最上位1名が名人に挑戦します。従ってA級に昇格しなければ挑戦者になる事はできません。
名人戦はタイトル保持者と挑戦者が2日制、持ち時間9時間の七番勝負を行い、先に4勝した方が名人となります。
永世称号は通算5期以上で引退後に**世永世名人となります。
・王位戦
王位戦の予選は王位保持者とシード4名を除くの全棋士と女流棋士2名が8組に分かれて参加します。各トーナメントの優勝者とシード4名が2組に分かれてリーグ戦を行い、その最上位者が決定戦を行い挑戦者を決定します。
王位戦はタイトル保持者と挑戦者が2日制、持ち時間8時間の七番勝負を行い、先に4勝した方が王位となります。
永世称号は連続5期または通算10期以上で永世王位となります。
・王座戦
王座戦の予選は少し複雑です。1次予選は順位戦のC級1組以下の棋士と女流棋士4名でトーナメント戦を行い、上位6名が2次予選に進出します。
2次予選はシード(タイトル保持者と前期ベスト4)を除く棋士と1次予選通過の6名でトーナメント戦が行われます。通過人数が年により異なりますが、10名前後です。
挑戦者決定トーナメントはシードと2次予選通過者の計16名で行われます。このトーナメントを勝ち抜いた棋士が挑戦者となります。
王座戦はタイトル保持者と挑戦者が持ち時間5時間の五番勝負を行い、先に3勝した方が王位となります。
永世称号は連続5期または通算10期以上で永世王座となります。
・棋王戦
棋王戦の予選は順位戦B級2組以下の棋士でトーナメントを行い、上位8名が挑戦者決定トーナメントに進出する。
挑戦者決定トーナメントは前期ベスト4、タイトル保持者、永世称号保持者、順位戦B級1組以上の棋士で争われる。準決勝、決勝の敗者は敗者復活戦を争い、最終的に決定トーナメントの勝者と対局し挑戦者を決定する。
棋王戦はタイトル保持者と挑戦者が持ち時間4時間の五番勝負を行い、先に3勝した方が棋王となります。
永世称号は連続5期以上で永世棋王となります。
・叡王戦
叡王戦の予選はシード者(前期挑戦者決定トーナメントのベスト4以上)以外の段位毎に勝ち残りトーナメントを行い、各2名が挑戦者決定トーナメントに進出する。
シード者4名と予選通過者12名で挑戦者決定トーナメントを行い、優勝者が挑戦者になる。
叡王戦はタイトル保持者と挑戦者が持ち時間4時間の五番勝負を行い、先に3勝した方が叡王となります。
叡王は創設が2017年とまもないため、永世称号の規定がありません。
・王将戦
王将戦の一次予選はB級1組以下の棋士(二次予選からの出場者を除く)がいく組かに分かれてトーナメントを行い、二次予選進出者を決定します。(年により変動)
二次予選(シードあり)は18名でトーナメントを行い、勝ち抜いた3名が挑戦者決定リーグ(シードあり)に進出します。
挑戦者決定リーグはリーグ残留者4名と予選通過者3名で争われ、最上位車が挑戦者となる。
王将戦はタイトル保持者と挑戦者が2日制、持ち時間8時間の七番勝負を行い、先に4勝した方が王将となります。
永世称号は通算10期以上で永世王将となります。(保持者は大山康晴、羽生善治のみ)
・棋聖戦
棋聖戦の予選は順位戦C級1組以下と女流棋士2名で争われ、8名が二次予選に進出する。
二次予選はB旧2組以上(シード除く)と二次予選進出者8名の棋士で争われ、8名(変動あり)が決勝トーナメントに進出する。
決勝トーナメントはシード8名と(変動あり)と決勝トーナメント進出者8名(変動あり)の16名で争われ、優勝者が挑戦者となる。
棋聖戦はタイトル保持者と挑戦者が持ち時間4時間の五番勝負を行い、先に3勝した方が棋聖となります。
永世称号は通算5期以上で永世棋王となります。
現在のタイトル保持者
竜王:藤井聡太
名人:渡辺明
王位:藤井聡太
王座:永瀬拓也
棋王:渡辺明
叡王:藤井聡太
王将:藤井聡太
棋聖:藤井聡太
タイトル戦は4月から翌年3月にかけて行われます。番勝負ですから、時には3タイトルが同時に開催されることもあります。
冠数が多ければ多いほど番勝負の対局が多くなり、その他に一般棋戦もあるのですから大変な忙しさになります。羽生善治九段も7冠を保持していた頃は殺人的な忙しだったと思います。