イチゴロー’s Memorandum

日々の出来事、雑感や思いついたことの記録です

総力戦研究所

2020-08-16 16:14:34 | 日記
皆さんは「昭和16年 夏の敗戦」という本をご存知でしょうか?
この本で扱われているのは大東亜戦争に突入する前年に設立された研究機関の「総力戦研究所」です。日本がアメリカと戦争になった場合、どのような経過を辿り、どのような結果になるかを研究しました。
研究員は軍部だけでなく民間からも選ばれています。それもエリートばかりです。
その研究の成果は、第2代所長の飯島穣陸軍中将の時にシミュレーションが行われ、政府に報告されました。
その結果は、緒戦は勝利するものの以降はジリ貧となり、ソ連の参戦によって敗戦となる。原爆を除けばほぼ史実と変わらない結果となりました。しかし、机上演習の結果であって、実際にどうなるかは分からないとして一蹴されました。
実際に緒戦の真珠湾奇襲による勝利、ミッドウェー海戦の敗北からジリ貧となり、アメリカ軍の沖縄上陸、ソ連の参戦、広島・長崎への原爆投下により敗戦しました。
研究結果は正しかったのです。アメリカや日本の国力、海外の情勢や体制などを正しく評価し、結論を導いています。その当時としては大変な勇気のいることだったと思います。
飯島穣所長は短期間で解任され、第5軍の司令官として転出しています。このことでも軍部、特に陸軍は都合の良い結論を欲しがっていたかが分かります。

なお、アメリカ軍を主力とする連合国軍の日本上陸作戦が計画されましたが、日本の敗戦により実施されることはありませんでした。この作戦についても別の機会に取り上げたいと思います。

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