白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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本日の問題

2016年05月11日 23時59分59秒 | 問題集
皆様こんばんは。
本日は久しぶりに問題を作ってみました。
やはり実戦が元ネタです。
プロは問題作りならお手の物、と言いたい所ですがかなりの個人差があります。
アマでも良い問題を作る方はいらっしゃいますが、自分には全く才能がありません・・・
一から問題を創作したことは一度もないと思います。
しかし筋自体は知っているので実戦で発見すれば持ち帰って問題にすることはできます。
ということで次はいつになるかわかりませんが、気長にお待ちください(笑)




白先です。
全滅寸前の状況ですが、うまく手にしてください。
問題を作る時は黒先で統一しているのですが、今回は図を全部作ってしまってから気付きました。
仕方なく白先のままです(笑)。
なお、こちらで石を置いて研究できます。
頭の中だけでは難しいという方は、ぜひご利用ください。




まずは左上黒の死活確認です。
白1、3とやってみても黒4で生きています。
白5は先手ですが、2眼できず白死んでしまいます。




白1の方から打つのもやはり黒生きです。




それでは白1を利かしておいて白5と眼を取りに行くのはどうでしょうか。
一見黒困ったようですが・・・




黒1でAとBが見合いで生きています。




では白3、5はどうでしょうか?
AとBが見合いになったようですが・・・




やはり黒1で見合い返しです。
黒生きています。




では白1、3と利かして白5と凹むのはどうでしょうか?
白Aの放り込みと白Bの生きが見合いになっていますね。




白1と右の方を先に利かしても同じ事です。
白7となり、黒Aに取ってコウになります。

読みが苦手な方だとこの図を発見するのは大変でしょう。
よく出来ました、と言いたい所ですが実はこの図は最善ではありません。
腕に自身のある方はもう一度最初から考え直してみてください。









白1の1線トビ!
これが正解です。
生き死にの絡んだ戦いでは、しばしば一線が急所になります。
白の狙いは右側の切りです。
しかし、2線の引きを利かすのはまだ早いのです。
利き筋は必要になるまで取っておきます。




白のトビに対して、黒2を利かして4なら黒は生きています。
しかしここで白から良い手があります。




白1の1線ツギを利かし、白3の切りが成立します!
黒4には白5で繋がり、黒1子を取って2眼できます。




それでは、出を打たずに黙って黒2と打ってきたらどうしますか?




ここでようやく白1の利きを使います。
これで左右が見合いになります。




黒1なら白2で黒の眼がありません。




黒1なら白2と切って生きです。
ここまで出来てようやくこの問題を完全に攻略したことになります。
今回もかなりの難易度だったと思います。
石を並べながらでも解ければ自慢して良いですよ!




ちなみに、元ネタは4子局のこんな局面でした。
白1の手筋からAの切りを実現させました。

いかにも問題に使えそうな筋が出てきたので、今日のブログ更新は楽ができるかと思っていましたが・・・
問題化のためにかなりの時間がかかってしまいました。
やはり才能がありません