白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

2子局の打ち方

2016年07月08日 23時28分23秒 | 仕事・指導碁・講座
皆様こんばんは。
本日は宣伝から入ります。

まず一点、明日7/9(土)午後1時から5時半頃まで永代塾囲碁サロンで指導碁を行います。
その場で棋譜をお渡しするサービスも付いています。
こんな時間になってしまって宣伝効果はあまり期待出来ませんが、とりあえず・・・

もう一つ、横浜駅近くの宇宙棋院にて囲碁アカデミーという教室があり、級位者向けと有段者向けの教室がそれぞれ毎週火曜に開催されています。
私の担当は級位者向け教室の1週目です。

私の担当回は、まず宿題の詰碁の解答と解説→その場で問題を解いて頂く時間→大盤を使っての講座、という流れになっています。
問題の時間は、解き方のコツを身に付けて頂けるよう、見回りながらアドバイスを差し上げています。
大盤での講座は皆さんとの指導碁、プロ同士の対局等多岐にわたります。
今月は皆さんで連碁を打って頂きましたが、好評でした。
上達も大事ですが、皆さんに楽しんで頂ける教室を目指しています。

さて、本日の講座は生徒さんとの指導碁を題材にします。
ハンデ戦の大会に出るので、2子局の打ち方を教えて欲しいとのリクエストがありました。



白両ガカリから△と打った場面です。
ここで黒、どういう構想を描きますか?





実戦は黒1と白△を小さく取りに行きました。
アマの方が大好きな手ですが、悪い手です
白4が絶好点で・・・





以下白8までと進みました。
こうなると後から打っているはずの白の方が模様が大きくなってしまいました。
このまま地になっては困るので・・・





黒は打ち込んで行きましたが、白の石数の多い場所で戦う羽目になっています。





少し進んだ場面です。
左側の白がしっかりしましたが、黒はまだまだ安心出来ません。





さらに進んだ場面です。
白の下辺が大きくなって来ました。
この間黒は中央の守りで精一杯でした。
こういう展開は2子局の負けパターンです。

2子局では上手の石数の多い場所が出来てしまいがちです。
そこで戦いになってしまうと大変です。
自分より力の強い相手に対して不利な状況からスタートしては、勝てるわけがありません。





最初の図に戻りましょう。
正解は黒1のトビです。
黒△の石は左に向かって伸びているので、その流れを止めてはいけません。
この形、白△の石には拘らないのがポイントです。





白は隅を閉じ込められないよう、1と受けて来るでしょう。
そこで流れのままに黒2、4と押してしまいます。
4線を押すなと言いますが、高段者向けの格言です。
級位者のうちから数目の地を気にしてはいけません。
それよりも黒6と大きく構える発想が大事です。





でも、白1と動かれたら?という声が上がって来そうですね。
恐れる事はありません。
黒2と堂々と戦いましょう。
周囲に黒石が多いので、戦いは圧倒的に有利です。





白としては生きに専念するぐらいです。
黒8などと大場に回ってみると、どうでしょうか。
黒石がのびのびとしていませんか?
今後戦いが起きても、外側に石数の多い黒が有利です。
上手に対しても互角以上に戦う事が出来るでしょう。

置碁のコツは、一言で言えば石数のリードを保つことです。
9子局などでは白がそれをひっくり返すのは大変ですが、2子局では油断するとあっという間です。
そのためには隅や辺に拘らず、大きさ比べで負けないように心掛けると良いでしょう。
入って行くのではなく入らせる事が出来るようになれば、2子局の勝率は格段に上がります。