白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

SGW杯本戦2回戦

2018年12月21日 23時59分59秒 | 対局
<本日の一言>
日経平均が2万円割れ目前の大ピンチに・・・。
オリンピックが終わったら景気が悪くなってしまうのでしょうか?
心配ですが、自分がしっかりしていれば何とかなると信じ、日々の仕事に励むのみですね。
</本日の一言>

皆様こんばんは。
だいぶ間が空いてしまいましたが、本日は第1回SGW杯中庸戦の感想の続きです。
2回戦は山森忠直六段と対局しました。
1回戦でいきなり優勝の目が消え、やる気が無くなってしまうかと思いきや、全くそんなことはありませんでしたね。

普段私が打つ碁の大半は、アマの皆様の目に触れることがありません。
ところが、本棋戦では予戦3局、本戦4局の計7局の全てが幽玄の間で中継されました。
その喜びが大きかったのかなと思います。

ただし、本局の内容はあまりにも酷かったです。
自分で気付くレベルのミスが何十回もあり、話になりません。
難しい場面で偶然得をしたところもあり、結果は大差にはなりませんでしたが・・・。



1図(テーマ図)
序盤を振り返ってみましょう。
もっと酷いミスも沢山ありましたが、見ない方が幸せです。

私の白番、白は黒×を攻めようとしていますし、黒は白×を狙っています。
どちらが戦いで主導権を握るかが大きなポイントです。





2図(実戦)
実戦は白1、3と進出しましたが、あまりにも鈍重でした。
黒2、4とかぶせられては、明らかに黒が攻勢に立っています。





3図(変化図)
白1(黒Aの防ぎ)を決め、白3と一歩早く進出すべきでした。
布石の一路違いは大差無いことも多いですが、戦いにおいては一路の差が天地の差ということもあります。





4図(変化図)
黒1のボウシには、白2、4と反撃して戦えます。
黒がどう打ってくるにせよ、一方的に攻められることはなく、実戦より数段優ったでしょう。