そばにいるよ
ずっと君を見てるよ
大丈夫。
そのままの君でいいから、
帰っておいで。
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新1年生は、初めての春休みが終わって、
いよいよ一大イベントの「入学式」も終わり、
学校生活がスタートしました。
これまで新1年生の生活については
わかっているつもりでいました。
しかし、今年初めて我が娘を小学校に
入学させて、1年生のスタートがなんと
大変なことかとあらためて思い知らされました。
恥ずかしながら、いや、恥ずべきことではない
と思っていいと思いますが、子を持って初めて知ることの
なんと多いことか。
子どものお陰で学ばせてもらうことばかりです。
今、別件で読んでいる新書にも出てきましたが、
その本曰く、人間にとって最大のストレッサー
(=ストレスの原因)は「変化」であると。
新1年生の生活は、すべてこれまでの生活と
ちがうことを要求されます。
いわば、変化だらけ。全部変化。変化てんこ盛り。
極端な話、朝起きてから夜眠るまで、全部の
生活リズムも変わるし、家でやるべきことも
変わります。
無論、学校へ行くこと、帰ること、学校で学ぶこと、
友達づきあい、先生との信頼関係、放課後の過ごし方、
トイレの行き方、お昼ご飯(給食)…子どもを
取り巻く環境のすべてがこれまでとは変わります。
変わらないものってなんだろうかというくらい。
もちろんそんな猛烈なストレスの波の中にあると
言っても、楽しいこと、嬉しいことの刺激も
たくさんあるんですけどね。子ども達を見ていると、
むしろそちらの喜びの方ばかりが目について
こちらもほほえましくなってしまいます。
しかし、そんな陰で、ストレスに晒されている
子ども達のサインも見落とすことないように
していきたいと自分に言い聞かせています。
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生まれて初めてかも知れない、何百人、あるいは
1000人近い人達の前で一人名前を呼ばれて、
大きな声で返事をして、手を挙げて立ち上がるという、
入学式のイベント。
大人はどこででも見る光景だし、当たり前のように
思ってしまいがちですが、子ども達の心のストレスは
いかばかりかと思うのです。
こりゃぁ、自分が六歳の時だったら、しっぽ巻いて
逃げ出したくなっちまうなぁと。
いやぁ、1000人はムリでしょう。1000人は。
笑っちゃってケラケラしているか、オシッコちびっちゃいます。
百戦錬磨のベテラン教師やベテラン保育士ではあるまいし、
たかだか6歳の子ども達の小さな小さな心が、どれほどの
緊張や嬉しさ、不安と興奮と、一見したら相反するような
心のせめぎ合い、葛藤やなんやかやの、ひっくるめた、
それら「ストレッサー」と戦っているかと思うと、
大人の自分でも耐え難いだろうなぁと思うのです。
そんなものと戦って帰ってきた子ども達を、わたしは
むしろみんな抱きしめてあげたい、あたまなでなで
してあげたい、という気持ちになるのです。
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少し調子悪そうにしていた男の子。
わたしの方をちらちらっと見ながら、
通りかかります。
「どうしたの?どこか調子悪いかい?」
「うん、こっちの耳が痛い」
隣に座って、話します。
「そうかぁ、耳が痛いんだね。
どれどれ…痛かったね。
どっちの耳が痛かったの。
左?そう。痛いね。
中耳炎かな?……わからない?…
うん、でも痛かったね。」
それから、少しお話をしました。
「きょう学校でどんなことしてきたの?」
「…ふうん。そうなんだ。楽しかったね。」
その後、お母さんのお迎えで、嬉しそうに
お母さんにくっついていました。
よかったね。少し寂しくなっちゃったのかな。
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わたしたちセンタースタッフは、お医者さんじゃ
ないから、具合が悪いものを直すことは出来ないし、
お父さんやお母さんの代わりを完全にしてあげることも
できないかも知れません。
でも、毎日同じ場所で、みんなの隣に座って、
寄り添うことならできます。
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いつもそばにいるよ。
心配しないで、帰っておいで。
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Challenge!! IKUEI!!
by 川上