<宅建講座の受講者様から>
下記の問題を分かりやすく解説して頂きたいです。
>1. Aに売る意思もないのに、A所有の土地がAからB、BからC へと売り渡され、移転登記もなされている。この場合、Bが悪意であれば、C が過失により善意でもAはAB間の売買契約の無効をC に対して主張することができる。
【井真井】
例えば、斉藤様(仮名)が宴会の席で、気分が高揚し、冗談のつもりで「私の土地を君に格安で売ってあげよう!」と友人に言ったとします。冗談のように、真意と異なる意思表示を法律専門用語で「心裡留保」と言います。
斉藤様の心の中など、誰もわかりませんので、このように意思表示をしてしまった場合、それが本心でなくても、この発言は有効とみなされますので、友人が売却を本気で請求してきたら、斉藤様はその人に土地を格安で売らなければいけない義務を負います。
売買契約は諾成契約です。売る側が「売ります」、買う側が「買います」と互いの承諾のみによって有効に成立します。だから、冗談でも軽はずみな言動は避けるべきなのです。
言われた側の友人が、斉藤様の真意を察し、「この人、ホラ吹きだからねえ」といったように、土地を格安で売る意思など、斉藤様には無いと知っていた場合、または知ることができた場合は、斉藤様の発言には法律的な効力は生じませんので、「無効」となります。
しかし、斉藤様が冗談とはいえ、ふざけて登記簿を友人に引き渡してしまったとします。後日、返してくれると思っていたのに、友人は斉藤様の土地を自分名義に変更する所有権移転登記してしまい、更に、友人は、その土地を知り合いの井真井に売却し、登記の所有権者名義を井真井に移転してしまいました。
井真井は、斉藤様のことを知りませんし、友人がどのように斉藤様から土地を取得したのか、その経緯も知りません。
法律用語で、「知らない」ことを「善意」と言います。「知っている」ことを「悪意」と言います。
設問では、・・・実は友人は斉藤様の言動につき冗談だと知っていた(=悪意だった)けど、井真井は斉藤様の真意を全く知らなかった(=善意)場合、斉藤様は友人の悪意を理由に友人との売買契約は無効であるとして、井真井に対しても、土地と所有権登記の返還及び無効を主張できるのか?・・・・と聞いているのです。
民法93条2項では、「善意の第三者には対抗できない」としています。
よって、斉藤様は善意の井真井には勝てないのです。
設問では「井真井は過失により善意」とありますが、民法93条2項では「善意」につき、「無過失」であることを要求していませんので、井真井が何か重要なことを聞き逃し(=過失)、その結果、斉藤様と友人との取引状況につき何も知らない(=善意)状況であっても、斉藤様が井真井に対抗できないことに変わりありません。
(心裡留保)
第九十三条 意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。
ただし、相手方がその意思表示が表意者の真意ではないことを知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする。
2 前項ただし書の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。
→(設問)
A(斉藤様)に売る意思もないのに、A(斉藤様)所有の土地がA(斉藤様)からB(友人)、B(友人)からC(井真井)へと売り渡され、移転登記もなされている。この場合、B(友人)が悪意であれば、C(井真井)が過失により善意でも、A(斉藤様)はAB間(斉藤様と友人間)の売買契約の無効をC(井真井) に対して主張することが「できる」。×
結論:<心裡留保による意思表示は、善意の第三者には無効を主張できない!!>
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下記の問題を分かりやすく解説して頂きたいです。
>1. Aに売る意思もないのに、A所有の土地がAからB、BからC へと売り渡され、移転登記もなされている。この場合、Bが悪意であれば、C が過失により善意でもAはAB間の売買契約の無効をC に対して主張することができる。
【井真井】
例えば、斉藤様(仮名)が宴会の席で、気分が高揚し、冗談のつもりで「私の土地を君に格安で売ってあげよう!」と友人に言ったとします。冗談のように、真意と異なる意思表示を法律専門用語で「心裡留保」と言います。
斉藤様の心の中など、誰もわかりませんので、このように意思表示をしてしまった場合、それが本心でなくても、この発言は有効とみなされますので、友人が売却を本気で請求してきたら、斉藤様はその人に土地を格安で売らなければいけない義務を負います。
売買契約は諾成契約です。売る側が「売ります」、買う側が「買います」と互いの承諾のみによって有効に成立します。だから、冗談でも軽はずみな言動は避けるべきなのです。
言われた側の友人が、斉藤様の真意を察し、「この人、ホラ吹きだからねえ」といったように、土地を格安で売る意思など、斉藤様には無いと知っていた場合、または知ることができた場合は、斉藤様の発言には法律的な効力は生じませんので、「無効」となります。
しかし、斉藤様が冗談とはいえ、ふざけて登記簿を友人に引き渡してしまったとします。後日、返してくれると思っていたのに、友人は斉藤様の土地を自分名義に変更する所有権移転登記してしまい、更に、友人は、その土地を知り合いの井真井に売却し、登記の所有権者名義を井真井に移転してしまいました。
井真井は、斉藤様のことを知りませんし、友人がどのように斉藤様から土地を取得したのか、その経緯も知りません。
法律用語で、「知らない」ことを「善意」と言います。「知っている」ことを「悪意」と言います。
設問では、・・・実は友人は斉藤様の言動につき冗談だと知っていた(=悪意だった)けど、井真井は斉藤様の真意を全く知らなかった(=善意)場合、斉藤様は友人の悪意を理由に友人との売買契約は無効であるとして、井真井に対しても、土地と所有権登記の返還及び無効を主張できるのか?・・・・と聞いているのです。
民法93条2項では、「善意の第三者には対抗できない」としています。
よって、斉藤様は善意の井真井には勝てないのです。
設問では「井真井は過失により善意」とありますが、民法93条2項では「善意」につき、「無過失」であることを要求していませんので、井真井が何か重要なことを聞き逃し(=過失)、その結果、斉藤様と友人との取引状況につき何も知らない(=善意)状況であっても、斉藤様が井真井に対抗できないことに変わりありません。
(心裡留保)
第九十三条 意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。
ただし、相手方がその意思表示が表意者の真意ではないことを知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする。
2 前項ただし書の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。
→(設問)
A(斉藤様)に売る意思もないのに、A(斉藤様)所有の土地がA(斉藤様)からB(友人)、B(友人)からC(井真井)へと売り渡され、移転登記もなされている。この場合、B(友人)が悪意であれば、C(井真井)が過失により善意でも、A(斉藤様)はAB間(斉藤様と友人間)の売買契約の無効をC(井真井) に対して主張することが「できる」。×
結論:<心裡留保による意思表示は、善意の第三者には無効を主張できない!!>
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