*歌舞伎座夜の部
忠臣蔵の外伝劇で、赤穂浪士が吉良邸討ち入りを果たした太鼓の音を聞いて大喜びしているバカ殿の話、である。
今年の芝居納めの一本にしてはちょっと・・・というのが正直な気持ちだった。
夜の演目は一本めが『重の井』で、三吉を演じた中村児太郎くんの頑張りは嬉しかったが、客席はいまひとつ盛り上がらず、二本めの玉三郎主演の『船弁慶』は楽しむには難解で、できれば最後はいい気分で過ごしたかった。
その気持ちが通じたのか、松浦のお殿様を演じる中村勘三郎の風格と愛嬌に客席はすっかり虜になってしまった。
大いに笑いながらも本懐を遂げた浪士たちの心情にホロリとさせられ、「ああ楽しかった!」と心から喜べる舞台であった。
忠臣蔵は仇討ちに直接関わった人物はもちろんのこと、周辺の人々からも多くのドラマを生み出した。
先日NHKで「仇討ちに参加するか、しないか」を視聴者からアンケートを取りながら討論する番組を放送しており、自分はとうとう最後までどちらか決められなかった。
辛抱強く耐え抜いて仇討ちを果たした四十七士には文句なく感服するが、そうしなかった、できなかった人々の「一分の了簡あり」という気持ちにも寄り添いたいのである。
誰の作かは失念したが、こんな句があるそうである。
「熱燗や 討ち入りおりた者どうし」
向き合って何も言わず酒を酌み交わしている男たちの姿がみえる。
討ち入りに加わったもの、おりたもの。どちらにも言葉に言い尽くせない思いがあり、それを想像すると胸が熱くなる。
今年の観劇はこれをもって終了。刺激多く恵まれた一年に感謝である。
「2005年のベスト○○」は別途近日中に。
忠臣蔵の外伝劇で、赤穂浪士が吉良邸討ち入りを果たした太鼓の音を聞いて大喜びしているバカ殿の話、である。
今年の芝居納めの一本にしてはちょっと・・・というのが正直な気持ちだった。
夜の演目は一本めが『重の井』で、三吉を演じた中村児太郎くんの頑張りは嬉しかったが、客席はいまひとつ盛り上がらず、二本めの玉三郎主演の『船弁慶』は楽しむには難解で、できれば最後はいい気分で過ごしたかった。
その気持ちが通じたのか、松浦のお殿様を演じる中村勘三郎の風格と愛嬌に客席はすっかり虜になってしまった。
大いに笑いながらも本懐を遂げた浪士たちの心情にホロリとさせられ、「ああ楽しかった!」と心から喜べる舞台であった。
忠臣蔵は仇討ちに直接関わった人物はもちろんのこと、周辺の人々からも多くのドラマを生み出した。
先日NHKで「仇討ちに参加するか、しないか」を視聴者からアンケートを取りながら討論する番組を放送しており、自分はとうとう最後までどちらか決められなかった。
辛抱強く耐え抜いて仇討ちを果たした四十七士には文句なく感服するが、そうしなかった、できなかった人々の「一分の了簡あり」という気持ちにも寄り添いたいのである。
誰の作かは失念したが、こんな句があるそうである。
「熱燗や 討ち入りおりた者どうし」
向き合って何も言わず酒を酌み交わしている男たちの姿がみえる。
討ち入りに加わったもの、おりたもの。どちらにも言葉に言い尽くせない思いがあり、それを想像すると胸が熱くなる。
今年の観劇はこれをもって終了。刺激多く恵まれた一年に感謝である。
「2005年のベスト○○」は別途近日中に。
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