*ホ・ジノ監督
連れ合いに不倫されてしまった片割れ同士が、いつのまにか心を通わせ合う話である。もの静かで淡々とした雰囲気の作品で、台詞も少なく、観客にいろいろなことを想像させる。
前後関係がよくわからず、はっきりしない箇所も多少ある。
たとえば後半、ぺ・ヨンジュンが引っ越し荷物に囲まれて麺類を食べている場面がある。これはどこの部屋なのか。妻と別れたということなのか。推察する間もなく次の場面になってしまい、よくわからない。
たとえばラストシーンである。雪の中を車が走る。フロントガラスの向こうは銀色。「どこに行きましょうか?」「どこに行きたいですか?」という二人の会話が、声だけ聞こえる(台詞は記憶によるもの。正確ではない)。これが現実のものなのか、つまりそれぞれ結婚相手と別れて、新しい人生を選択した二人の旅立ちなのか、それとも幻想なのか。
シナリオやノベライズには、カットされた場面も書かれているので、ストーリーがよく理解できるらしい。
が、どうしてもそれを知りたいとは思わなかった。
みた映画をそのまま素直に味わいたい。わからないところはわからないまま、とっておきたい。
そんな気持ちにさせる作品である。
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