これまでの記事
(1,2、3、4、5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22、23,24,25,26,27,28,29,30)
龍馬たちは小曾根乾堂(本田博太郎)のはからいで亀山に拠点を構えた。亀山社中のはじまりである。前回龍馬は、西郷吉之助(高橋克実)に長州と手を結ぶこと、そのために自分があいだに立つことを申し入れた。仲間に相談していないようだがいいのかなと思ったが、今回亀山に移ったときにはすでに皆龍馬の考えを知っているという設定でやや拍子抜け。さらに龍馬と陸奥陽之助(平岡祐太)が高杉晋作(伊勢谷友介)に会おうと大宰府に赴くが、彼は留守。 大宰府には三条実美(池内万作)たち公家が幽閉されており、龍馬たちはその警護にあたっていた中岡慎太郎(上川隆也)と再会する。
今回タイトルバックに名前が出てこないので、もしやと思ったらやはり高杉晋作が出ないとわかって激しく気落ちする。いまや伊勢谷友介の高杉晋作は、自分の「龍馬伝」に対するモチベーションを大きく左右する存在となった。
龍馬は西郷から「長州と手を組んでもいい」と答を引き出し、大宰府で再会した中岡と互いの考えが一致することを確認した。龍馬たちは桂小五郎(谷原章介)に会うために下関へ向かい、中岡は西郷をその地に連れていくことを約束する。藩の重要な役職についているわけでもなく、何の後ろ盾もない脱藩浪士たちは、政治家で言えばジバンもカンバンもない無所属の新人である。彼らが日本を変えようとしているのだ。己の志だけをよりどころにして、世の中の仕組みを作り変えようとしている。そのことに改めて感じ入る。
残念だったのは、陸奥陽之助が海軍操練所のことやあれこれをお公家たちを相手に熱弁を振るう場面とそのあとである。陸奥は相手が誰であろうともの怖じせず勉学にも優れていて、元土佐藩のメンバーとはひと味違う冷静で知的な人物に描かれている。しかし彼が三条たちにしていた話やその話しぶりは必要以上に大仰で、それを聞くお公家たちのリアクションもいかにも「驚く公家たち」のごとく既視感があり、三条が陸奥の話に心を動かされ、坂本龍馬が信頼するに足る人物であることを確信して、桂への親書をしたためるアクションを起こすことを納得させるものとは感じられなかった。龍馬たちは西郷から一筆ももらわずに三条たちを訪問したのだ。それにも関わらず三条は龍馬を信じて託そうとした。そうさせるために、陸奥には派手なことをしなくていいから、情理を尽くして自分たちの志を伝える場面がぜひみたかった。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます