そろそろ因幡屋通信、えびす組劇場見聞録の次号を視野に入れる7月であります。毎年関東地方の梅雨明けの猛暑には悩まされますが、元気を出して。
*劇団青羽(チョンウ)『そうじゃないのに』 @新宿タイニイアリス
今年のアリスフェスティバルは、いつもより早くはじまる。そのオープニング公演に、昨年大活躍のソウルの劇団青羽(チョンウ)が登場する。
*ハイリンドvol.14『ヴェローナの二紳士』(1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13)
ハイリンドが初のシェイクスピア作品に挑戦、しかも「めったに上演されることのないマイナー作品」(公演チラシより)。初沙翁とは意外に思ったが、今回演出を担当する西沢栄治が主宰するJAM SESSIONの『夏の夜の夢』に、ハイリンドのメンバーが客演していたためだろう。出産と育児でおやすみしていたはざまみゆきが復帰するのもうれしいかぎり。
*新国立劇場マンスリープロジェクト トークセッション「別役実の世界」
劇作家・別役実と演劇評論家・扇田昭彦の対談。
*ゲンパビギャラリー公演『トーキョー拾遺』
前回の企画公演『明け星の頃には~セロ弾きのゴーシュ~』の印象があざやかなうちに、新しい舞台に会えるのはうれしい。
*杮葺落七月大歌舞伎(1,2,3)
夜の部『東海道四谷怪談』尾上菊之助がお岩、小仏小平、佐藤与茂七の三つの役を初役で演じるのが大きな話題で、染五郎も松緑もそれぞれ初役に挑戦する。若手が初役というと、「清新な舞台に期待」となるが、「フレッシュでさわやかな四谷怪談」とはゆくまい。さあどうなるか。
*劇団民藝稽古場公演『ヨールカの祈り』(1,2,3,4,5,6,7)
『イルクーツック物語』などで知られる劇作家アレクセイ・アルブーゾフの本作は、民藝で1981年に初演された。今回は配役を一新し、新しい構成と演出でお目見えとなる。
*声を出すと気持ちいいの会 本公演 山本タカ作・演出『女郎蜘蛛』(1,2,3,4,5,6,7,8,9)
「コエキモ」一年半ぶりの本公演は、谷崎潤一郎の『刺青』をモチーフにした「肉体不在の恋愛」とのこと。2009年に起こった「新橋ストーカー殺人事件」がどう絡むのか。
*こまつ座『頭痛肩こり樋口一葉』(1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16)
井上ひさしの代表作として配役を変えては繰りかえし再演されてきた作品だ。1984年こまつ座の旗揚げ公演から長きにわたり、けがによる休演が一度あったきりで、一貫して新橋耐子が演じてきた「花蛍」が、ついに新しい女優に手渡されることになった。担うのは若村麻由美である。新橋耐子の一挙手一投足が記憶にしみついているから、これは観客にとっても挑戦だ。
*ミナモザ#14 瀬戸山美咲作・演出『彼らの敵』
(1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19)
実際に起こった事件をモチーフにするのが瀬戸山美咲の劇作の特徴だが、今回は芝居の題材と事件当事者との距離が非常に近いものである。ん、この書き方で伝わるかしら。昨年好評を博し、今回の新作のベースになったリーディング公演『ファミリアー』も上演される。
早く観劇の日にちを決めて予約しましょう。
*演劇集団円『ワーニャ伯父さん』
台本・演出を内藤裕子が担う。タイトルロールは、ずっと「この人でみたいな」と思っていた金田明夫。こちらも早く予約を入れましょう。
★因幡屋の俳句日記★(1)
先週は第30回金星句会で、投句者13名がそれぞれ5句ずつ、のべ65句を前に喧々諤々の2時間あまり。不思議なのはあれやこれや何度もつくりかえた句は、演劇評論家の江森盛夫さんふうにいえば「一顧だにされず」、なんとなく出来てしまったものに選がはいることだ。文章とおなじ、肩の力を抜きなさいということか。
しかし歳時記をしっかり読み、面倒がらずに辞書を引いて、ことばひとつひとつを確認し吟味しなければ、季がさなり、字あまりや字足らず、旧かなづかいのまちがいを起こす。そういう隙のある句はまずまちがいなく選ばれない。
内容を批評されることもなく、それこそ一顧だにされないのである。
今回の兼題のひとつは「葛餅」である。
「葛饅頭」をつかった自分の句に対して、指南役から注意を促された。「葛餅」と「葛饅頭」はべつのたべものであり、同列の使い方はできないこと、兼題はあくまで「葛餅」であり、ほかに置きかえはできない。どうしても「葛饅頭」を出すならそれをよく理解した上にすること・・・ということである。
実はそのときよくわからなかったため、べつの方に伺ったところ、「主季語」と「傍題」というものについて、「蜜豆」と「餡蜜」の例をあげて教えてくださった。「ものすごく単純なNG例を教えて」という不勉強な問いに対して懇切丁寧に、しかも食い意地の張った自分には実にぴったりの解答に感激しきり。ありがとうございました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。
このように、初心者、初学者の失敗をひとつひとつ着実に重ねて俳句にもならないものをお目にかけながら(泣)、それでも楽しくてなりません。句会の皆さまに感謝して、7月は「熱帯夜」と「百合」でがんばります。
どうぞよろしくお願いいたします。
とまとめようと思いましたが、来月早々に木挽町句会の締切が迫っているのでした。こちらの兼題は「梅雨」、さて、これからもうひとがんばりです。
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