これまでの記事
(1,2、3、4、5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22、23,24,25,26)
海軍操練所が閉鎖された。これからどうやって生きていくかを仲間たちと模索する龍馬のところへ、溝渕広之丞(ピエール瀧)が弥太郎(香川照之)の手紙をもって訪れる。投獄された武市半平太(大森南朋)と岡田以蔵(佐藤健)の悲惨な状況に驚愕した龍馬は、溝渕の助けを借りて土佐に戻る。
タイトルの通り、吉田東洋殺しの嫌疑から武市と以蔵を救うため、龍馬は後藤象二郎(青木崇高)相手に大芝居をうつ。予告編の作り方(龍馬の台詞のつなぎ方)には少々疑問あり。余裕たっぷりの自信満々にみえる芝居だが、内心どれだけ必死であったかは、後藤を張り倒したあとに溝渕と弥太郎のもとに駆け込んだ龍馬の様子から伝わってくる。今までみたことのない龍馬の顔。そして再び別れを告げる龍馬に弥太郎は半泣きになって「嫌じゃ、いやじゃ」とすがりつく。龍馬に対してこんなに素直になる弥太郎を初めてみた。吹き出しながらもほろりとさせられる。これまで弥太郎は龍馬や武市に対して僻みや妬みもあって嫌な振る舞いをすることが多かったが、この2人によって、弥太郎が本来もっている心根の優しさが思わず表出してしまうのだろう。
誰かをひたすらに尊敬し、一心についていこうとすることは素晴らしい。しかし誰それの一番弟子、好きな言い方ではないが何々チルドレンという生き方には限界がある。誰それや何々が失脚してしまえば、弟子やチルドレンは行き場を失う。これまでの龍馬は生き方を教えてくれる人を探し求め、この人と思い決めるとその懐に飛び込んで素直に耳を傾け、思想や哲学を存分に吸収していった。脱藩して家族とも絶縁し、勝麟太郎という後ろ盾をなくした龍馬が、自分の足で歩き始める後半がますます楽しみになった。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます