*信濃町 文学座アトリエ
今年文学座アトリエの会では三本の作品の上演が予定されており、それがすべて書き下ろしという贅沢なものである。「現代演劇、その地平に見えるもの・・・」と題して、その三本の戯曲を執筆する劇作家と演出家が一堂に会してのシンポジウムが開かれた。客席はほぼいっぱいで、芝居の上演以上の熱気が感じられる。さまざまな話が聞けたが、劇作家と演出家の関係が三者三様でまことにおもしろかった。
1 青木豪&坂口芳貞 →おっとりした生徒を優しく見守る校長先生。坂口は青木が作・演出を担当する劇団グリングの公演に客演したこともあり、青木の作家、演出家としての資質もよく理解している印象。青木豪は「当て書きの名手」であると思うが、演出するときは、相当に俳優を「苛める」のだという。グリング公演の俳優とその役柄がぴたりの印象は、そういうプロセスが産んだものなのか。
2、川村毅&高橋正徳→元気があり余って何をやらかすかわからない変わり者の先生に、戸惑いながら寄り添っている、これも少々変わり者の生徒。川村毅は現在稽古中の芝居のストレスのせいなのか、トーク炸裂。その中で「何かおもしろそうな奴であれば、役者はできる。でも三本が限度」という話に、不意に大人計画の荒川良々が思い浮かんだ。
3、松田正隆&高瀬久男→互いが向き合うのではなく、同じもの(この場合戯曲であったり、登場人物の心情であったり)を静かにみつめている。二人のあいだには常に距離があるが、互いにその距離を慈しみあっているかのような、プラトニックでエロティックな匂いがする。
客席との質疑応答になったところで、少々議論が拡散した印象あり。質問の内容が抽象的だったことにもよるが、質問が長くなるにつれ、質問を越えて自分の考えを訴えたい、伝えたい勢いになってくるせいもあるだろう。
業界人が多かったようだが、仕事上必要だから、おつきあいだからという雰囲気は感じなかった。 演劇を好きな人がこんなにいるんだなと思った。舞台上演だけでなく、今回のような集いに足を運べること、演劇の不思議な魅力に取り憑かれた人々が醸し出す空気に身を浸せることの幸運にもっと感謝したい。
今年文学座アトリエの会では三本の作品の上演が予定されており、それがすべて書き下ろしという贅沢なものである。「現代演劇、その地平に見えるもの・・・」と題して、その三本の戯曲を執筆する劇作家と演出家が一堂に会してのシンポジウムが開かれた。客席はほぼいっぱいで、芝居の上演以上の熱気が感じられる。さまざまな話が聞けたが、劇作家と演出家の関係が三者三様でまことにおもしろかった。
1 青木豪&坂口芳貞 →おっとりした生徒を優しく見守る校長先生。坂口は青木が作・演出を担当する劇団グリングの公演に客演したこともあり、青木の作家、演出家としての資質もよく理解している印象。青木豪は「当て書きの名手」であると思うが、演出するときは、相当に俳優を「苛める」のだという。グリング公演の俳優とその役柄がぴたりの印象は、そういうプロセスが産んだものなのか。
2、川村毅&高橋正徳→元気があり余って何をやらかすかわからない変わり者の先生に、戸惑いながら寄り添っている、これも少々変わり者の生徒。川村毅は現在稽古中の芝居のストレスのせいなのか、トーク炸裂。その中で「何かおもしろそうな奴であれば、役者はできる。でも三本が限度」という話に、不意に大人計画の荒川良々が思い浮かんだ。
3、松田正隆&高瀬久男→互いが向き合うのではなく、同じもの(この場合戯曲であったり、登場人物の心情であったり)を静かにみつめている。二人のあいだには常に距離があるが、互いにその距離を慈しみあっているかのような、プラトニックでエロティックな匂いがする。
客席との質疑応答になったところで、少々議論が拡散した印象あり。質問の内容が抽象的だったことにもよるが、質問が長くなるにつれ、質問を越えて自分の考えを訴えたい、伝えたい勢いになってくるせいもあるだろう。
業界人が多かったようだが、仕事上必要だから、おつきあいだからという雰囲気は感じなかった。 演劇を好きな人がこんなにいるんだなと思った。舞台上演だけでなく、今回のような集いに足を運べること、演劇の不思議な魅力に取り憑かれた人々が醸し出す空気に身を浸せることの幸運にもっと感謝したい。
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