走ったら反則、接触プレーは禁止−。ユニークなルールの「ウォーキングサッカー」が話題を集めている。高齢者や障害者も参加でき、サッカー経験がなくても気軽に始められるからだ。大阪府サッカー協会は今月9日に堺市のJ−GREEN堺で開いた「障がい者サッカーフェスティバル」で初めて導入。運営に携わった同協会事業本部次長の大槻良太さんは「健常者も障害者も一緒になって楽しめた。魅力を広めていければ」と話している。

 「ウォーキングサッカー」はサッカーそのものの母国であるイングランド(英国)が発祥の地。統括団体が発足した当初は約200チームだったが、現在は50歳以上の愛好者を中心に1000を超えるチームが存在し、数万人がプレーしているという。

 日本では「日本ウォーキングサッカー協会」(佐藤光則代表理事)と「日本ウォーキング・フットボール連盟」(桑田丹(あきら)理事長)が1、2年前から体験会や大会を開き、日本サッカー協会とともに普及活動を実施している。ピッチの広さはフットサルと同じで、「安心、安全なルールが最優先。年齢に関係なく、激しい運動はちょっと、という人でも参加できる」と佐藤代表理事。自身も人工関節をつけている桑田理事長は「ボールを蹴ったことがない人でもすぐに始められる。失敗しても楽しいし、(親、子、孫の)三世代が一緒にプレーできる」と魅力を語る。

 「障がい者サッカーフェスティバル」では、大阪府内で活動しているアンプティサッカー(切断障害)やCPサッカー(脳性まひ)、ソーシャルフットボール(精神障害)など「日本障がい者サッカー連盟」に加盟する7団体のチームが参加。各団体に所属する選手の障害の差や程度にかかわらずにプレーできる競技として「ウォーキングサッカー」を取り入れた。

 当日は健常者も含めて約200人が出場。当初はルールに戸惑っていた参加者もすぐに慣れ、和気あいあいとプレーできたという。「最初はついつい走ってしまうが、どこにいればパスを受けられるかなど、ポジショニングも大切。ボールをどうやって奪うかなど、頭を使う戦略的な要素もある」と大槻さん。大会後には同協会に「孫と一緒に一度やってみたいが、どうしたらいいか」などの問い合わせもあった。関西を拠点にしているJリーグのチームも教室開催などの関心を示しているという。

 関西では2020年東京五輪の翌年に生涯スポーツの祭典「ワールドマスターズゲームズ2021関西」が開かれる。先月に大阪開催が決まった2025年国際博覧会(万博)のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。「歩くことで健康増進につながる」(佐藤代表理事)「健康寿命を延ばすきっかけになる」(桑田理事長)との利点がある「ウォーキングサッカー」は親和性が高く、注目度は高まっていきそうだ。

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歩いても、サッカーが愉しめる。この発想が、すばらしいです。さすが、サッカー王国イングランドと感心してしまいます。

サッカーに関心がほとんどない人間なのですが、ウォーキングサッカーならやってみたいし、観てみたい気がします。日本全国に普及することを祈念します。