この人、本当に気分転換の上手い人です。
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産経新聞社主催の囲碁タイトル戦「森ビル杯 第55期十段戦五番勝負」の第2局が30日午前9時半から大分県宇佐市の宇佐神宮で行われ、午後5時25分、井山裕太十段(27)=六冠=が挑戦者の余正麒(よせいき)七段(21)に160手までで白番中押し勝ちし、連勝で防衛にあと1勝とした。持ち時間は各3時間で、残りはともに1分。第3局は4月6日に長野県大町市で行われる。
序盤、余は右上隅の折衝で黒25、27の連続オシなど「思い切った趣向」(解説の中小野田智己九段)を見せ、黒39まで、右辺に模様を張る。この間、実利を稼いだ井山は白40トビから模様を消しにいき、白50と侵入に成功するが、その過程で左辺一帯にも黒模様ができ、井山がいかに模様を消すかが勝負になった。
白54ケイマに黒55と守ったのが余の最初のつまずきで、井山はすかさず白56とキリ、92まで中央を大きく荒らした。余は終局後、「黒130と打って中央を大事にするべきだった」と後悔した。
黒93ツケの後に95と右下を守った手も「ぬるかった」と悔やんだ。ここは左上に黒102と打つ手が大きかった。逆に白98から102と最後の大場に回られた時点で「はっきり白が優勢になりました」と中小野田九段。この後、余にチャンスはなく、無念の投了となった。
井山は「来週すぐ第3局がある。自分らしく打ちたい」。余は悔しさをにじませながら「全力を尽くすだけ」と声を振り絞った。
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井山六冠は、ワールド碁チャンピオンシップ(WGC)で3連敗したので、国内棋戦でもそのままずるずると負け続けるのではないかとおもったら、さにあらず。その直後の名人戦リーグでは羽根直樹九段を一蹴し、そして十段戦でも若手の余正麒七段を圧倒するのですから、恐れ入ります。
これならば、国際棋戦へ出ても、堂々と戦えそう。十段を防衛して、世界へ羽ばたく姿が見えてきます。期待したいものです。
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