地方紙でも、飲食店の完全禁煙化を求める記事が出てきました。とても素晴らしいことです。
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たばこに甘い国、返上を 増える全面禁煙の飲食店
中日新聞 2015年10月23日
◆五輪視野に動き
たばこの臭いを気にせずに食事を楽しんでもらおうと、全面禁煙にする飲食店が徐々に増えている。ファストフードのチェーン店が中心で、個人経営の焼き肉店やカフェにも賛同が増える一方、「客足が遠のくのでは」と二の足を踏む居酒屋もある。禁煙を推進する市民団体や医療者らは「二〇二〇年の東京五輪を、たばこに甘い日本社会を変えるきっかけにしたい」と手ぐすね引く。
「全面禁煙かどうかを事前にインターネットで調べて、店を選びました」。名古屋市西区の焼き肉店。区内で機械部品工場を営む男性(56)は笑顔で肉を口に運んだ。
この日は長女(30)と一歳半の孫も一緒。まだ小さい孫の健康のためにも、たばこが吸えない店に来たかったという。長女は「子どもと外食するときには、たばこの臭いがしないところがいい」と話す。
別のテーブルで食事をしていた女性(70)は肺がんで手術を受けたことがある。「分煙の店でも、喫煙席から漂ってくる臭いが気になるから行きたくない」という。
店は二月に開店したばかり。店主の男性(54)は開店前、「全面禁煙にすると喫煙者の客が減ってしまうのでは」と悩んだが、たばこの臭いのしないところで国産牛肉のうまみを味わってほしいと決断。屋外に喫煙場所を設けた。「幼い子を連れた家族や女性同士のお客さんに好評です。禁煙にして良かった」と語る。
「タバコと健康を考える愛知の会」世話人の坂田仲市さん(80)=愛知県刈谷市=によると、ファストフード店では全面禁煙が比較的進んでいるが、居酒屋や焼き肉店などお酒を出す店ではなかなか進まないという。たばこには約七十種類の発がん性物質が含まれ、さまざまな病気の原因になるとされる。坂田さんは「喫煙席や空気清浄器の設置だけでは対策が不十分」として、分煙の効果には疑問を投げかける。
同会は五月、飲食店の全面禁煙を後押ししようと、愛知県内で二十以上の飲食店を経営する企業で、全店を禁煙にしている十八社に感謝状を贈った。「食事の場にたばこはいらない。これが当たり前になってほしい」と坂田さんは強調する。
同様に感謝状を贈る取り組みは、前橋市が二〇一三年から行っており、対象となった二十六店舗を市のホームページで紹介している。市健康増進課は「全面禁煙の飲食店が増加するように力を入れたい」としている。
◆医学会 罰則付き条例制定を要望
国内の禁煙対策は店の自主性に任されており、強制力のある禁煙には及び腰だ。
このため、日本癌(がん)学会や日本呼吸器学会など二十四医学会は八月、五年後の東京五輪を見据え、国や東京都、日本オリンピック委員会などに飲食店を含む屋内施設を全面禁煙とする罰則付きの条例制定を求める要望書を提出した。
世界保健機関(WHO)のたばこ規制枠組み条約のガイドラインによると「受動喫煙を防ぐには、全面禁煙が必要」とされ、日本は〇四年に批准している。
要望書を取りまとめた兵庫県立尼崎総合医療センターの藤原久義院長は「健康増進法は、受動喫煙の防止が努力義務にとどまっており、重大な健康被害を防げない。〇四年のアテネ大会以降、全ての五輪開催国は罰則付きの法や条例を作っており、日本も見習うべきだ」と訴える。
(林勝)
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しかも、書いているのがどうやら男性記者。男性の新聞記者の中にも、飲食店の全面禁煙化に賛成する人が増えているのかもしれません。徐々に時代も変わってきたようです。
美味しい料理を食べて、心身ともに健康になりたいと思って食事をするのに、受動喫煙という健康被害を受けるのでは本末転倒。飲食の時間くらい、タバコを忘れて、料理と酒の味と香りに集中できるようにしたいものです。スモーカーも、2、3時間くらいタバコを吸わずに飲食に集中すればよいのですよ(まあ、それができないからニコチン依存症という薬物中毒なのですが)。
飲食店の完全禁煙化を命じる立法化を強く望みます!
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