2013年から無人島になっている桜島沖の新島。移住に向けて準備を進めている元島民とその家族が23日、鹿児島市役所桜島支所に転入届を提出しました。

新島の元島民で北九州市の佐々木和子さん(59)とその夫・直行さん(65)は、新島へ転入届を提出するために23日、桜島支所を訪れました。

桜島の北東にある新島。ピーク時はおよそ250人が住んでいましたが、市街地への移住や高齢化で6年前に無人島になりました。佐々木さん夫婦は、無人島になって以降も、元島民らと島の清掃など保全活動を続け、北九州市から月に2回程、鹿児島に帰ってくる生活を続けていました。

しかし、今年、ふるさと・新島を守りたいという思いから新島への移住を決意。島では空き家のリフォームが着々と進められています。佐々木さん夫婦も毎日、作業の手伝いをしていて、久しぶりに晴れたこの日は、外壁にペンキを塗る作業を行っていました。

離島での作業は一筋縄ではいかないところも。職人さんたちの朝晩の島への送り迎えのほか、買い出しで桜島に渡らないといけないときなど、船が必要になります。新島と桜島をつなぐ定期船は週に3日しか出ていないため、去年、直行さんが一念発起して船舶免許を取得しました。佐々木さん夫婦は、苦労しながらも楽しみながら準備を進めています。

そして、23日。転入届を提出するため、桜島支所を訪れました。書類には新しい住所となる新島町の文字が書きこまれ、無事に転入届が受理されました。

佐々木さん夫婦は、来月中には荷物の運び込みを終える予定で、無人島だったふるさとが人口2人の島になります。

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大変なこともあるでしょうが、夫婦ふたりで夢を実現してしまうその姿は感動させられます。現実は厳しいでしょうが、島独占のロマンもあります。うらやましい限りです。

佐々木夫妻の幸せなアイランド・ライフを祈念します。