日本人のように明確な宗教心がない民族では、仏教徒だったり、無宗教なのにクリスマスを勝手に祝ったりしますから、こんな問題は起きないのですが、他民族・他宗教国家であるアメリカでは深刻な問題です。
**********
米ウォルマートは「クリスマス」陣営に 呼称論争は下火(朝日新聞) - goo ニュース
2006年12月23日(土)10:30
「メリークリスマス」と「ハッピーホリデーズ」の対立が続いてきた米国のこの季節に、今年は少し静寂が戻った感がある。店員に「ハッピーホリデーズ」と言うことを奨励してきた大手小売店が「メリークリスマスも認めます」と宣言、柔軟姿勢を示したことなどで対立が見えにくくなったことが背景にある。
クリスマスを祝う伝統の「メリークリスマス」の代わりに「ハッピーホリデーズ」と言う傾向は90年代からじわじわ広まった。1年のこの時期はキリスト教のクリスマスだけでなく、ユダヤ社会の「ハヌカの祝い」やアフリカ系米国人の「クワンザの祭り」が重なることから、少数者への配慮が「ハッピー」の広まりの背景にあった。しかし、特にここ2、3年はキリスト教右派などがこれをクリスマスに対する攻撃だとして「メリークリスマス」の復権を強く求める運動に出た。
昨年まで店員に「ハッピーホリデーズ」を奨励した小売り最大手ウォルマートは年末商戦前の11月、クリスマス飾りを売る区画を「ホリデーショップ」から「クリスマスショップ」に改めるなどの方向転換を発表。「クリスマス」表示の商品を60%増やすとした。追随業者も出て、昨年は「メリークリスマス」支持者の不買の動きまで起きた小売業界という最大の衝突前線がなくなった。
ただ、今年もいくつかの宗教的なあつれきは生じている。シカゴでは市が運営にかかわったマーケットでキリスト生誕物語の映画の宣伝ビデオの上映を許可するかどうかでもめた。クリスマスツリーばかり14本を飾ったシアトルの空港でハヌカのメノラ飾りをユダヤ教の宗教指導者が求め、ツリーの大半が一時撤去される騒ぎもあった。
「メリークリスマス」復権のため90年代から活動し、宗教ラジオ局で番組のホストを務めるドン・クロウさんは「大手小売店が正しい決断をしたことで、クリスマスをめぐる戦いは収束に向かっているように見えるが、消えたわけではない。政治的な正しさの名の下で宗教に対する攻撃は続くだろう。闘い続けなければならない」と話す。
**********
ゴウ先生は、1988年から1994年までアメリカに暮らしました。ゆえに、この“Merry Christmas”から“Happy Holidays”への転換をこの目で見たのですが、キリスト教信者でもユダヤ教信者でもないので、ほとんど気にしませんでした。
そして、優勢になっている“Happy Holidays”でいいじゃないかと思っていたものです。
しかし、キリスト教原理主義者には許せないことだというのも想像できます。最近の映画で言えば、『キング 罪の王』(レビューは、こちら!)に出てくるウィリアム・ハート演じる牧師は、進化論を否定し、(キリスト教的)神の普遍的支配を信じます。“Merry Christmas”を使えない社会など許せるものではないでしょう。
その意味で、“Merry Christmas”の復活には、どこかきな臭いものを感じるゴウ先生なのでありました。よからぬことが起きなければよいのですが。
**********
米ウォルマートは「クリスマス」陣営に 呼称論争は下火(朝日新聞) - goo ニュース
2006年12月23日(土)10:30
「メリークリスマス」と「ハッピーホリデーズ」の対立が続いてきた米国のこの季節に、今年は少し静寂が戻った感がある。店員に「ハッピーホリデーズ」と言うことを奨励してきた大手小売店が「メリークリスマスも認めます」と宣言、柔軟姿勢を示したことなどで対立が見えにくくなったことが背景にある。
クリスマスを祝う伝統の「メリークリスマス」の代わりに「ハッピーホリデーズ」と言う傾向は90年代からじわじわ広まった。1年のこの時期はキリスト教のクリスマスだけでなく、ユダヤ社会の「ハヌカの祝い」やアフリカ系米国人の「クワンザの祭り」が重なることから、少数者への配慮が「ハッピー」の広まりの背景にあった。しかし、特にここ2、3年はキリスト教右派などがこれをクリスマスに対する攻撃だとして「メリークリスマス」の復権を強く求める運動に出た。
昨年まで店員に「ハッピーホリデーズ」を奨励した小売り最大手ウォルマートは年末商戦前の11月、クリスマス飾りを売る区画を「ホリデーショップ」から「クリスマスショップ」に改めるなどの方向転換を発表。「クリスマス」表示の商品を60%増やすとした。追随業者も出て、昨年は「メリークリスマス」支持者の不買の動きまで起きた小売業界という最大の衝突前線がなくなった。
ただ、今年もいくつかの宗教的なあつれきは生じている。シカゴでは市が運営にかかわったマーケットでキリスト生誕物語の映画の宣伝ビデオの上映を許可するかどうかでもめた。クリスマスツリーばかり14本を飾ったシアトルの空港でハヌカのメノラ飾りをユダヤ教の宗教指導者が求め、ツリーの大半が一時撤去される騒ぎもあった。
「メリークリスマス」復権のため90年代から活動し、宗教ラジオ局で番組のホストを務めるドン・クロウさんは「大手小売店が正しい決断をしたことで、クリスマスをめぐる戦いは収束に向かっているように見えるが、消えたわけではない。政治的な正しさの名の下で宗教に対する攻撃は続くだろう。闘い続けなければならない」と話す。
**********
ゴウ先生は、1988年から1994年までアメリカに暮らしました。ゆえに、この“Merry Christmas”から“Happy Holidays”への転換をこの目で見たのですが、キリスト教信者でもユダヤ教信者でもないので、ほとんど気にしませんでした。
そして、優勢になっている“Happy Holidays”でいいじゃないかと思っていたものです。
しかし、キリスト教原理主義者には許せないことだというのも想像できます。最近の映画で言えば、『キング 罪の王』(レビューは、こちら!)に出てくるウィリアム・ハート演じる牧師は、進化論を否定し、(キリスト教的)神の普遍的支配を信じます。“Merry Christmas”を使えない社会など許せるものではないでしょう。
その意味で、“Merry Christmas”の復活には、どこかきな臭いものを感じるゴウ先生なのでありました。よからぬことが起きなければよいのですが。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます