【ブリュージュ(ベルギー西部)で八田浩輔】中世の街並みを残し、世界遺産に指定されているベルギーの古都ブリュージュ旧市街地で、5トンのプラスチックごみで作った巨大なクジラの野外アート作品が観光客に人気の撮影場所になっている。海のプラごみ問題を考えるきっかけにしてもらおうと、海岸で集めたごみから作られた。

 「摩天楼」と名付けられた高さ12メートルの作品は、街の象徴である運河から飛び出すクジラを模した。米国のデザイン事務所が、国際美術展覧会「ブリュージュ・トリエンナーレ」のために制作。素材は環境保護団体とサーファーの団体が米ハワイの海岸で集めたプラスチックごみ5トンを使い、輸送費などはインターネットを通じて調達した。

 作品の一部には「石巻」「たろう」(田老)など東日本大震災の被災地から流出したとみられる漁業用コンテナも含まれていた。展示は9月16日まで。

 プラごみによる海の環境汚染は国際的な問題になっており、世界経済フォーラムの報告書は、現状のレベルで海への流入が続いた場合、2050年には世界の海のプラごみが重量換算で魚を上回ると警告する。

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クジラが選ばれたのは、プラごみを食べてしまう被害者であるからでしょう。

その美しいクジラが、醜いプラごみでできているという皮肉も強烈です。

プラごみの海洋投棄を一日も早く減らすきっかけに、このプラごみクジラがなってくれることを願います。