来日した世界保健機関(WHO)のダグラス・ベッチャー生活習慣病予防部長は7日、厚生労働省で記者会見し、受動喫煙対策について「完全禁煙は世界基準になってきており、東京五輪を控えた日本は今が絶好の機会だ」と述べた。世界保健デーのこの日、対策強化を盛り込んだ健康増進法改正案の国会提出を目指す塩崎恭久厚労相を表敬訪問しエールを送った。

 ベッチャー部長はたばこ規制政策の第一人者で、「日本には何度も来ているが何も変わっていない」と苦言。厚労省案が飲食店や一部公共交通機関、職場などに喫煙所の設置を認めていることに対し、「部分的な禁煙では受動喫煙を防ぐことはできない。100%禁煙にしてほしい」と注文を付けた。

 売り上げが減るとする法案反対派の懸念には「米国やオーストラリアなどでは完全禁煙後もレストランの売り上げ減少は全くなかった。生産性が上がり、欠勤が減ったことも分かっている」と強調。アイルランドでは喫煙者の7割が完全禁煙を支持していると紹介し、「日本も支持されている。事業者や政治家は何も恐れることはない」とした。 

受動喫煙「日本の対策時代遅れ」WHO幹部
日テレNEWS 24 2017年4月7日 23:25

 受動喫煙を規制する法案の今国会提出を政府が目指している中、WHO(世界保健機関)の幹部が来日し、「日本の対策は時代遅れだ」と苦言を呈した。

 WHOのナンバー2、バー事務局次長らは7日午後、塩崎厚労相に面会し、東京オリンピック・パラリンピックに向けて、公共施設については、国レベルで屋内を完全に禁煙するよう要請した。これに対し、塩崎厚労相は、「しっかり対応していかなければならない」と答えたという。

 また、WHOのベッチャー生活習慣病予防部長は、日本の受動喫煙対策は「時代遅れだ」と苦言を呈した。

 ダグラス・ベッチャー氏「日本は、経済やテクノロジーは発展しているが、たばこ対策、特に受動喫煙対策は時代遅れです

 日本の飲食業界には、屋内禁煙にすると売り上げが落ちるとの不安の声があるが、ベッチャー氏は、アメリカやオーストラリアなどで完全禁煙を実施した後、レストランの売り上げは減少しなかったという調査結果を紹介し、日本での実現を強く求めた。

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公共屋内の全面禁煙化は、日本が世界と交わした公約です。ところが、それがまったく実現していません。タバコ権益にしがみつく政治家たちのせいです。このままでは、日本は世界の笑われもの。「おもてなし」どころの話ではありません。

厚労省案にしても、WHOのべッチャー氏が指摘しているように、まだまだ甘いもの。一日も早い世界標準の受動喫煙防止法案の実現を望みます。