いやあ、強い!手の見えることでは囲碁界有数の高尾紳路九段の大石を撲殺してしまうのですから。
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本因坊戦
井山勝ち3勝1敗に 第4局
毎日新聞 2016年6月14日 15時07分(最終更新 6月14日 21時06分)
長崎県西海市の「オリーブベイホテル」で13日から繰り広げられた第71期本因坊決定戦七番勝負(毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)の第4局は14日午後2時44分、128手で井山裕太本因坊(27)が挑戦者の高尾紳路九段(39)に白番中押し勝ちし、3連勝で通算成績を3勝1敗とした。残り時間は高尾2時間33分、井山1時間48分。第5局は29、30の両日、福島市の「吉川屋」で打たれる。
7冠の王者井山が剛腕を発揮、高尾の大石を仕留め、5連覇、永世本因坊の資格獲得に向け、あと1勝とした。
封じ手の白76から、2日目の戦い。1日目に白68と厳しく押したことから勝負どころの競り合いに入っていたが、井山は白86、88と黒を切断して、大石への猛攻を開始した。
高尾は黒89から眼形を求めてシノギをはかるが、白100が何とも強烈な眼取りの急所。黒は一気に苦境に追い込まれた。
黒107からコウに粘り、打開をはかる高尾。黒115まで大変化となり、一瞬紛れたように見えた。しかし、白116から120までが鮮やかな決め手。一応攻め合いの形にはなっているものの、白の一手勝ちはゆるがない。結局、白128まで、上辺および右上の黒大石が討ち死にとなった。
こうなっては、白の勝勢は誰の目にも明らか。高尾は首をかしげながら考えること1分。頭を下げ、潔く投了した。【金沢盛栄】
目の前の一局に集中
井山裕太本因坊の話 1日目はまずまず。白86、88の切断は半分取りに行く気持ちで強攻した。最後の攻め合いで、勝ちを確信した。次の1勝がさらに大変なのは分かっている。今まで通り、目の前の一局に集中したい。
悔いの残る手が多く
高尾紳路九段の話 1日目、右辺と上辺のフリカワリはまずまずと思ったが、右上の折衝で後手をひく誤算があり、苦しい展開になった。悔いの残る手が多く、次はそのようなことがないよう、精いっぱい打ちたい。
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ちょうど2時過ぎに、インターネットで棋譜を見ていて、このままでは高尾九段の大石が死んでしまうことが明らかになり、まだ120手ですから、そんなと思ったら、あっという間の投了劇でした。タイトル戦で、こんなに早く終わるのも珍しいこと。びっくりしてしまいました。高尾九段としても、過去の七番勝負でもっとも速い投了だったのではないでしょうか。
ともかく、高尾九段のミスを誘ったのが、井山七冠の凄さです。あれこれ雑用が多そうなのに、きっちりと勉強して体調を整えているがゆえに、これほどの強さをタイトル戦で示すことができるのでしょう。恐るべき27歳です。
今月中に「永世本因坊」の資格を取ることになるのか。第5戦を楽しみに待ちます。
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