一昔前ならば「内職」と呼ばれた地味な仕事も、ネットやスマホの普及で、一気に「ワールドワイドなビジネス」に繋がる時代だ。専門家いわく、「一億総副業時代」の幕開けがやってきた。手軽に始められる副業のひとつとして、ここでは代行業を紹介しよう。

 古くは「家政婦」も、家事の「代行」の仕事。その人の代わりに何かをするという代行の仕事は、近年、ネット上のマッチングの進化もあって、急速に幅を広げている。

 ニーズが増えているのは、高齢者の買い物の代行や病院への付き添い、犬の散歩の代行など。さらに、結婚式の代理出席や墓参りの代行など、変わり種の代行業が無数に存在すると言っていい。

 代行出席サービスを展開する「ブライズメイド」では、さまざまな代行メニューを提供。子供の運動会や入学式の両親代理、セミナー、学会への代理出席から、たまった不満を電話口でじっくりと聞く「愚痴聞き代行」、営業マンがノルマを達成するためにお客さんに扮してくれる「営業ノルマ達成・お客様代理」まで、多種多様。

「代行いただいたかたへのギャランティーは、たとえば結婚式の場合、挙式・披露宴で1回6000円、セミナーは時給1500円、愚痴聞きは時給1000円と案件によりさまざま。女性の比率が6〜7割と高く、25〜50代のかたが多いです」(ブライズメイド担当者)

 代行業においては、高齢になるほどオイシイ仕事にありつけることがある。最近は簡素化しつつあるが、地方では豪華絢爛な葬儀がまだまだ健在。葬儀の出席代行は、サクラとしての需要がある。特に高齢の参列者の方がリアリティーがあり、しめやかで落ち着いた雰囲気になる。年齢が高いほど需要が多いため、近年ギャラが高額化しているという。『複業の取説』著者の染谷昌利さんが語る。

「この10年で単価は2倍近くになり、月に10万円以上稼げることもめずらしくありません」

 自分が参列する側で、仕事などで行けないから、香典と記帳を代行してもらうケースも多く、その際は年格好が近い中高年が望まれるという。

※女性セブン2019年1月17・24日号

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需要ある所に供給あり。年寄りには年寄りの使い道があるというものです。発想した人に拍手です。