日本の新聞は、自民党の横暴を許さないために、このような記事を毎日でも書き続けるべきだったのです。
**********
喫煙規制「五輪水準」遠く 北京など飲食店内禁煙
東京新聞 2018年2月23日 朝刊
政府が受動喫煙防止対策を急ぐ背景には、二〇二〇年の東京五輪・パラリンピック開催を控えた国際社会からの強い要請がある。だが、自民党が二十二日に大筋了承した健康増進法改正案は、小規模な既存飲食店での喫煙を認めており、規制内容は不十分。過去に五輪を開催した海外の都市の水準よりも劣っている。
法改正案は「客席面積百平方メートル以下」「資本金五千万円以下」などの要件を満たす既存の飲食店では、「喫煙可」と店頭に表示することで喫煙を認めた。そのほかの飲食店は「原則屋内禁煙」だが、室内への喫煙室設置は認めている。
直近三回の夏季五輪開催都市と比較すると、差は顕著。二〇〇八年の北京、一二年のロンドン、一六年のリオデジャネイロとも飲食店は全面的な屋内禁煙で、喫煙室の設置を認めない。
非喫煙者や妊娠中の女性、子どもが多く出入りし、外国人観光客も頻繁に利用する飲食店で喫煙規制を徹底することが、国際社会が求める受動喫煙防止対策の柱だ。今回の改正案は、そうした観点からみて、五輪開催都市が満たすべき国際基準からは程遠い内容だ。
受動喫煙防止対策に関しては、与党の自民党内で、厳格な実施を妨げるような動きが続いてきた。
厚生労働省が昨年三月に公表した原案では、国際基準より緩い規制であるものの、喫煙を例外的に認める飲食店は三十平方メートル以下を目安とするバーやスナックなどに限られていた。
ところが、自民党議員でつくる「たばこ議員連盟」が、喫煙可能な飲食店を広範囲に認める対案を提示。厚労省は昨年の通常国会と特別国会で改正案を提出できなかった。
世界保健機関(WHO)と国際オリンピック委員会(IOC)は一〇年に「たばこのない五輪」などの推進に合意。五輪開催地は、受動喫煙防止のための罰則付きの法律や条例を整備することが国際的な「ルール」になっている。緩い規制内容となった今回の法改正案は、野党だけでなく国際社会からも厳しい批判にさらされる恐れがある。 (中根政人)
**********
受動喫煙対策のための公共屋内全面禁煙措置に対して拒否反応を示しているのは、自民党だけではないようにおもえます。日々、この問題をチェックしている人間としては、マスコミも追及が甘かったように見えて仕方ないのです。
本気で飲食店の全面禁煙を求めるなら、大手新聞は毎日のように上のような記事を書き続けるキャンペーンを張るべきでした。散発的な批判では、自民党は堪えません。10年ぐらい前のアメリカの新聞の禁煙キャンペーンと比べたら、その熱意のなさには失望させられます。
いまからでも遅くありません。「国際社会から厳しい批判にさらされる」などとすかしたことを書かないで、「日本国民から厳しい批判にさらされる」と書いて、飲食店の全面禁煙化を実現させるのです。
とはいえ、新聞社にはまだまだスモーカーが多そう。望むのは無理ですか。やれやれ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます