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さすが趙治勲、AI「Deep Zen Go」に勝利を収める

2016年11月20日 07時56分37秒 | 時事放談: 国内編

さすが歴戦の勇士・趙治勲名誉名人、Deep Zen Goの隙をついて逆転勝ちを収めてくれました。

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趙名誉名人「囲碁AI、見えない世界が見えている」
朝日新聞 2016年11月19日19時28分

 AI(人工知能)を実装した日本のコンピューター囲碁ソフト「Deep Zen Go(ディープゼンゴ)」と、趙治勲(ちょうちくん)名誉名人(60)との三番勝負「囲碁電王戦」の第1局が19日、東京都内であった。正式な碁の十九路盤を使い、ハンディなしの「互先(たがいせん)」という国内初の対局は、史上最多のタイトル獲得数を誇る趙名誉名人が223手までで黒番中押し勝ちし、人間の意地を見せた。

 国内最強クラスのZenは、序盤から犠牲を払いつつ主導権を握る大胆な手で優勢を築いた。立会人の張栩(ちょうう)九段は「石の働きや効率など碁の深いところをわかっている。知らないうちにペースをつかんでいる感じ」と言う。だが終盤の詰めで疑問手が続き逆転を許し、はじき出す勝率が50%を大きく割り込んだ。最後は開発プログラマーの判断で投了した。

 対局は20日に第2局、23日に第3局がある。趙名誉名人が第2局で勝ち越しを決めても3局打つ。

 チェスや将棋のトッププロがコンピューターに敗れるなか、着手の選択肢がけた違いに多い囲碁はボードゲームの中で「人間の最後の砦(とりで)」と言われてきた。しかし今年3月、米グーグル傘下で開発された「アルファ碁」が韓国の世界最強棋士の一人を圧倒。日本のプログラマーや東大のAI研究者らがアルファ碁に対抗すべくプロジェクトチームをつくり、それまで最強とされていたZenを強化。「開発途中」ながら趙名誉名人に挑んだ。

 対局後、趙名誉名人は「Zenは布石がめちゃくちゃ強い。見えない世界が見えている。少なくとも僕より強い」。Zen開発チーム代表の加藤英樹さんは「勝てると思ったが、中盤で読み筋と違う手を打たれ判断を誤った。第2局以降もいい勝負ができると思う」と話した。(大出公二)

【囲碁電王戦 国内最強ソフトvsトップ棋士】第1局始まる 驚異的なスピードで進行 
11月19日 14:59

【囲碁電王戦 国内最強ソフトvsトップ棋士】第1局始まる 驚異的なスピードで進行 

【第2回囲碁電王戦第1局】囲碁ソフト「DeepZenGo」と対局する趙治勲名誉名人(右) 左はコンピュータ囲碁ソフトZen開発者の加藤英樹氏 =19日午後、東京都千代田区(納冨康撮影)

(産経新聞)

 国内最強とされる囲碁ソフト「Deep Zen Go」と、歴代最多74タイトルの趙治勲(ちょう・ちくん)名誉名人(60)が対局する「第2回囲碁電王戦」が19日、東京都千代田区のホテルニューオータニで始まった。それぞれ2時間の持ち時間を使い切ると、1手60秒の秒読みが3回あるルール。人間の頭脳が勝つのか、それとも計算力にすぐれた人工知能が上回るのか、注目の一戦だ。

韓国のテレビも取材に

 ホテル内の一室に設けられた対局場。午後1時の対局開始前に、約40人の報道陣が集結した。今年3月に「アルファ碁」(グーグル傘下の英ベンチャーが開発)に敗れたイ・セドル九段の地元、韓国のテレビクルーも訪れた。

 午後0時45分ごろ、「Deep Zen Go」開発チームの加藤英樹代表が入室。続いて趙名誉名人がイスに座った。趙名誉名人はペットボトルに入ったお茶をゴクリとひと飲みし、気持ちを落ち着かせた。

 「5分前になりましたので、ニギリを行ってください」と声をかけたのが立会人の張栩(ちょう・う)九段。通常のタイトル戦では50〜60歳代以上の重鎮が務めることが多い立会人を、36歳と一線級の張九段が任されるのは、特殊な対局ならでは。「やったことがないので、緊張しました」と張立会人。さらに先後を決めるニギリは開始時に行われるが、この日は5分前に。インターネット中継「ニコニコ生放送」ですぐさま配信できるよう前倒しされたようだ。

コンピューターは自画自賛!?

 ニギリの結果、先番になった趙名誉名人が第一着を右上隅へ。20秒ほど考えたZenの手を、加藤代表が右下隅の星に置いた。

 「ニコニコ生放送」内で解説を務める一力遼七段は「Zenは思いきった手もありますね」とコメント。一方、控室では「Zenはあっちこっちを打って、とても強いとは思えない」との声も。趙名誉名人が用意してきた布石ということもあるが、驚異的なスピードで進み、開始から1時間で68手まで進んだ。「ニコニコ生放送」内では、その局面でZen自身が考える「評価値」(優勢ととらえる数値)が59、相手の趙名誉名人を41と判断していることに、「コンピューターの頭の中をみてみたい」と疑問視する声も上がった。

【囲碁電王戦 国内最強ソフトvsトップ棋士】第1局 「Zenはボクより強い」と一力遼七段も絶賛
11月19日 16:14

 相当強い!

 国内最強とされる囲碁ソフト「Deep Zen Go」と、トップ棋士の趙治勲名誉名人による「第2回囲碁電王戦」第1局。対局開始1時間を過ぎたころ、立会人を務める張栩九段が、ニコニコ生放送の解説に参加した。一力遼七段とのやりとりで「ここまではボクより強い打ち方をしているのでは。基本がしっかりしている」と絶賛した。Zenが考える評価値が、けっこう正しいという認識だ。

 囲碁ソフトZenは平成26年2月の「第1回囲碁電王戦」に出場し5人と戦っている。張豊猷(ちょう・りゆう)八段、平田智也七段の若手2人は九路盤で戦い、ともにZenに連勝。世界アマチュア選手権の日本代表だった江村棋弘さんは十三路盤で対局し、こちらも連勝。十九路盤で囲碁愛好家の小沢一郎・生活の党代表(当時)のみが敗れている。Zen開発チームの加藤英樹代表は「強い方々やプロ棋士に打っていただけると、コンピューターの弱点が分かるので、たいへん勉強になる」と話していた。

 そのときのZenのスペックは5台のPC(計30コア)のクラスタで戦った。今回のマシンスペックは1台ながらCPUが44コア、メモリ128GBが用意された。

 飛躍的に能力アップ

 Zenは電気通信大学(東京都調布市)で行われている電聖戦にもたびたび出場している。今年3月には小林光一名誉棋聖と3子局(あらかじめソフト側に石を3つ置いた有利な状態)で対戦し、4目半勝ちしている。そのときに解説を務め、対局の進行を見ていた趙名誉名人は「小学生レベルだった」と振り返る。

 しかしその後、IT関連のドワンゴが東京大学の人工知能研究室とタッグを組み、人工知能技術の向上と囲碁界発展に貢献することを目的に「Deep Zen Go」プロジェクトを発足させ「相当数の対局」(関係者)を繰り返したことで棋力は飛躍的に向上。今月9日の会見でドワンゴの川上量生(のぶお)会長は「昨秋時点のアルファ碁より強い。トッププロと互角に戦えるはず」と自信をみせていた。“昨秋のアルファ碁”というのは、欧州の大会を3連覇したプロ二段の棋士に5連勝したときのことだ。

 公式戦に使用される十九路盤を使用し、ハンデなしの互先(たがいせん)でプロが対局するのは、国内で初めて。趙名誉名人も「最近の対局の棋譜を見たら、相当強くなっている。負けるつもりはないが、新しいものに挑戦できる楽しみは多い」と意欲を語っていた。

 対局開始から2時間が過ぎ、Zenは1時間20分考慮時間を残しているのに対し、趙名誉名人は50分を切った。通常の対局のように「う〜ん」などとうなったり、何やらボヤいたりしている。

 ただ、一時は「Zenが優勢なのでは」との声が強かったが、120手あたりまでの進行ではやや打ち損じがあり、趙名誉名人が盛り返してきているとの見方も。どちらにせよ、ここから大熱戦が始まりそうだ。

【囲碁電王戦 国内最強ソフトvsトップ棋士】第1局 趙治勲名誉名人がソフトに先勝

【囲碁電王戦 国内最強ソフトvsトップ棋士】第1局 趙治勲名誉名人がソフトに先勝

【第2回囲碁電王戦第1局】囲碁ソフト「DeepZenGo」との対局に勝ち第1局を振り返る趙治勲名誉名人 手前はコンピュータ囲碁ソフトZen開発者の加藤英樹氏=19日午後、東京都千代田区(納冨康撮影)

(産経新聞)

 国内最強とされる囲碁ソフト「Deep Zen Go」とトップ棋士の趙治勲名誉名人による「第2回囲碁電王戦」第1局は、趙治勲名誉名人が223手で黒番中押し勝ちし、先勝した。

 意地の勝利

 「わかんないねえ。う〜ん」を連発する趙名誉名人。197手目を考慮中に2時間を使い切り、60秒以内に打つことが求められる秒読みが始まった。40秒…の声にせきたてられるように、着手する。一方で、Zenは1時間近く、持ち時間を残している。考慮時間があるほうが当然、有利だ。

 202手目を考慮中に「あと何回?」と記録係に尋ねる趙名誉名人。「あと2回」と知らされ、背筋を伸ばす。60秒まで読まれるのが3回目に入ると、「59、ろくじゅう」と読まれるまでに着手しなくてはいけない。

 ただ終盤、Zenのほうにミスもあり、趙名誉名人の指先に力が戻ってくる。209手目でZenの考える評価値は48−52と本局で初めて逆転計算ソフトでは「趙名誉名人の2目半勝ち」という予測がニコニコ生放送で報じられ、控室がわきかえった。

 結果は223手で午後4時31分にZenが投了。第1局は趙名誉名人の黒番中押し勝ちとなった。

 「布石(序盤の段階)がめちゃくちゃ強いね。自分では悪いと思っていなかったけど、相当悪かったんだね。悪いと知らずに打っていたのが、良かったのかも。2カ月前に(Zenが対局した)十数局の棋譜を見たが、実戦で戦うと、また違った。とても楽しかった」と笑みを浮かべた趙名誉名人。一方のZen開発チームの加藤英樹代表は「勝てると思ったんですが…。改良できるところは改良して、あすまた頑張ります」と話した。

 立会人の張栩九段は「ソフトの急激な進化も驚くべきことだが、プレッシャーがかかるなか打った治勲先生の精神力もさすが。私ならちょっと遠慮したい」と苦笑い。ニコニコ生放送で解説を務めた一力遼七段は「ソフトは終盤が課題かも。この状態なら3連勝もいけるのでは」とリップサービスしていた。

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日本最強棋士のひとりである張栩九段がいっていますが、プレッシャーがかかればかかるほど強くなるのが趙名誉名人です。頼もしい人が対戦相手になってくれたと思ったら、その通りの結果を出してくれました。常に最強手を打ち続けるのに、Zenも戸惑ったのでしょう。たいしたものです。

改良されるということですが、1日でZenは強くなるのでしょうか。今日の対戦も楽しみです。

がんばれ、趙治勲!がんばれ、AI開発者!


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