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中国は、現実的脅威である

2005年12月16日 10時04分21秒 | 時事放談: 中国編
ここ最近、前原誠司民主党代表の動きを追っています。次世代の国際ビジネスパーソンを育成する英語塾の塾長として、極東の軍事情勢からは絶対に目を離せませんから。

しかも、与党ならともかく、野党からこのような正論を述べる人が現れたのは頼もしい限り。応援したくなります。

さらに、今日から民主党党大会。ここまでやられっぱなしの民主党が新代表の下どのように失地回復していくのか、興味深さも増してきます。(構造偽装事件に関する証人喚問で活躍する、5人の子持ちの馬渕議員一人が気を吐いているようでは、寂しいではないですか。)

しかし、ウェブでニュースを漁る限り、あの政党の未来は決して明るくありません。代表を支えるべき幹事長以下の“長老”たちが、代表の足を引っ張っているからです。

親中マスコミの代表・朝日新聞はこう書きます。

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前原代表に強い風当たり 鳩山、菅両氏が相次ぎ苦言 (朝日新聞) - goo ニュース

2005年12月15日 (木) 20:55

 民主党内で前原代表への風当たりが一段と強まっている

 鳩山由紀夫幹事長は15日の記者会見で、前原氏が米国での講演で中国の軍事力を「現実的脅威」とした点について「先制攻撃はしないというのが中国の方針だ。その意図も考えれば、党の方針ではそのような(現実的脅威という)考えは取っていない」と語った。

 鳩山氏は同日、前原氏に電話し、講演前に内容を小沢一郎、菅直人両氏ら党内の有力議員に説明すべきだったと忠言したことも明らかにした。前原氏は「これから配慮します」と答えたという。

 また、菅氏は14日付の自身のホームページで「昨今の言動が、自民党との差がなく、二大政党としての存在理由が無くなっているという多くの人の指摘に、前原代表自身、真摯(しんし)に耳を傾けてもらいたい」と指摘した。

 その前原氏は15日、沖縄を訪ねて稲嶺恵一知事や岸本建男名護市長らと会談。那覇市での記者会見で訪米、訪中の成果が上がらなかったことを指摘されると、「日本の国会議員として日本の国益に照らした発言をし続けることは、与野党にかかわらず重要なことだ。小泉さんは議論すらできない。(首相と)同列視されるのは筋違いだ」と不快感を示した。


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この記事が本当なら、鳩山幹事長の発言には呆れます。「中国が先制攻撃をしないと言っているのだから、中国が現実的脅威にはなれない」と述べているようなものだからです。

これでは世界中から笑われてしまいます。あの軍事力を誇示する中国が先制攻撃をしない確約はどこにもありません。過去の例を見てください。中国がいかに好戦的な国であるかは、戦後の歴史が証明しています!

ただし、朝日の記事ですから、どこまで幹事長の発言を正確に伝えているかどうか信用できません。

朝日の宿敵・産経新聞を当たってみました。やはり朝日とは相当違うニュアンスで書かれています。

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きょうから民主党大会 前原流、似通う小泉流 トップダウンめざす (産経新聞) - goo ニュース

2005年12月16日 (金) 03:06

 前原誠司代表就任後初の民主党大会が十六日から、都内で開かれる。中国の軍拡路線を「現実的脅威」と指摘し、トップダウンの党運営を図る前原氏に対し、党内外から「小泉純一郎首相の政治手法に似通ってきた」との指摘が出始めている。首相が言及した「大連立」構想の波紋も広がる中、「前原流」で党内がまとまれるのか。党大会は、民主党の将来を占う場となる。

 「(小泉首相の)靖国参拝の問題が解決しても、日中間の問題は解決しないことがつくづく分かった」。前原氏は十四日までの中国での日程を終えた直後、同行した議員にこう漏らした。

 前原氏は北京市の大学での講演で、「中国との首脳交流がほとんどできないという異常事態は、小泉首相の靖国参拝が大きく影響しているのは間違いない」と断言。しかし、翌日に胡錦濤国家主席との会談をキャンセルされると、都合の悪いことを言う国会議員には会わない中国側の姿勢に記者会見で疑問を投げかけた。今回の訪中は前原氏にとって、日中関係において掲げてきた「靖国参拝障害論」を転換する機会となった。

 「下から意見を積み上げて、それを代表として発言するというのは、私の求めるリーダー像ではない」。前原氏は党運営の面でも、党内手続きを重視する従来の「自民党流の意思決定過程」を否定し、トップダウンの政策決定を多用する「小泉流」を取り入れようとしている。

 政治スタイルに共通項が目立ってきた二人は「大連立」構想の当事者でもある。「相手の都合もあるからねえ。前原さんがどう出るか…」と含みを残す首相に対し、「(連立は)99・99%ない」という前原氏も「人生に絶対はないという意味で、0・01%は(可能性が)あるかもしれないが、気持ちとしては絶対ない」と微妙な言い回しだ。

 鳩山由紀夫幹事長は十五日の記者会見で、「民主党では、戦力だけで(中国が)軍事的脅威という考えは取っていない」と言明。「(党内の)多くの方との議論を通じて発言すればよかった」と注文を付けた。

 十六日からの党大会は、衆院選大敗からの出直しを期すものとなる。党内融和を重視して主要政策をまとめられない民主党の“体質改善”を目指す前原氏の姿勢が受け入れられるかどうかに注目が集まっている。

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幹事長は「民主党では、戦力だけで(中国が)軍事的脅威という考えは取っていない」と言っていますから、まだ朝日の描く幹事長像よりは理解できます。とはいえ、あの戦力を脅威だと考えないとしたら、幹事長の政治生命はほとんど終わりではないでしょうか・・・。

さらに、相手国に行って、相手国に注文をつける。フツーの国同士ならば当然の外交交渉です。しかも、駐日中国大使のあの横柄な態度よりも、前原代表は冷静にアプローチしたはずです。

しかし、それが受け入れてもらえない。あの国は、この記事が示すように、批判に耳を貸さない、外交常識のない旧態依然の国なのです。そのことを第一野党の党首が理解してくれたのは進歩です。

ともかく、こうした中国の現実に民主党は目を開かねばなりません。ある意味、北朝鮮と変わらない部分を持っている国なのですから。

そのような中国の恐ろしさをしっかりリアルタイムで書き留めた記事が出ています。地方新聞でありながら、中国事情に詳しい西日本新聞(少し左巻きなところが残念ですが)のものです。ご覧ください。

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中国、「脅威論」封じ込めへ 対日非難強める 政治交流に新たな足かせ (西日本新聞) - goo ニュース

2005年12月16日 (金) 01:45

 【北京15日傍示文昭】中国政府が、日本の政治家の「中国脅威論」を強く非難する姿勢を強めている。国営新華社通信と共産党機関紙・人民日報の電子版サイトは、外務省の秦剛副報道局長が十三日の定例会見で、前原誠司・民主党代表の「脅威論」に強く反発したことをトップで報道。中国政府は報道機関も巻き込んで強硬姿勢を強く打ち出しており、日本の政治家の靖国神社参拝だけでなく、「脅威論」にかかわる言動も徹底して封じ込めようとする方針を明確にしたことを示している。

 秦氏は十三日の会見で「中国は永遠に平和を擁護する。中国の一体どこが脅威なのか」などと反論し、前原氏が指摘した軍事費の増強に関する「現実的脅威」発言に不快感を表明。前原氏の一連の言動が胡錦濤国家主席ら最高指導部の会談拒否につながったことを示唆した。

 秦氏はさらに、「日本の政治家は中日友好関係に役立つ言動をすべきだ」とも指摘。前原氏に限らず、「脅威論」を主張する日本の政治家に対しては、今後も胡主席ら最高指導部が会談に応じることはない、との姿勢を暗に強調した。

 中国各紙など主要メディアは十四日、秦氏の非難発言を中心に報道しながら、前原氏の一連の言動を初めて紹介した。中国外務省は、麻生太郎外相が七日の講演で「軍事費の透明性向上」を求めた際も強く反発。日本の政治家の「脅威論」にかかわる言動に神経をとがらせていることをうかがわせていたが、今回、報道を通して政府の方針を明確にすることで、「脅威論」に対しては毅然(きぜん)とした態度で対処することを内外に強くアピールするとの狙いがあるとみられる。

 前原氏は十三日、記者会見で「中国側にとって耳の痛い話を言う日本の政治家には(要人は)会談に応じないという姿勢であれば、仮に靖国神社参拝問題が解決したとしても、真の友好関係は永遠に築けない」と述べ、中国政府の対応を強く批判。暗に方針の転換を求めたが、中国側が靖国参拝問題だけでなく「脅威論」を含めて対日姿勢を硬化させ、一連の言動を封じ込めようとしてくるのは間違いないとみられる。「脅威論」は、両国の政治的な交流の中で今後、新たな「足かせ」になりそうだ。

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あきれた話です。対外的に透明性を高めておくのが国際常識である軍備力の現状を明らかにしようとせず、そのことを要求すると門前払いを食らわせるというのです。日本に対しては、教科書から神社へのお参りにいたるまで内政干渉を続けるくせに。

言語道断です。

外交ですから、冷静さは必要です。いたずらにヒステリーを起こすべきではありません。昭和初期ではないと分かっています。

しかし、これが隣国の現実であるのです。そのことを、良かれ悪しかれ、民主党だけでなく、われわれ日本国民も知っておかなければならない時が来てしまったのです・・・。

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★言うまでもなく、中国を仮想敵国とみなす見方は、ブッシュ政権においてもはやごく当たり前のこととなっています。

ブッシュ政権を支えるネオコンのシンクタンク、アメリカン・エンタープライズ・インスティチュートの主任研究員であるゲーリー・シュミット博士が書いた「アメリカの本当の敵は誰か」(『日本の論点2006』所収』)にその辺の事情が述べられています。ぜひお読みください!

日本の論点2006

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★そのシュミット博士がFinancial Timesに書いた論文“It is time the world saw Japan as a normal country”を解説した「ネオコン論客が見た日本」という記事を本日裏ブログ「映画と本と音楽にあふれた英語塾」にアップロードしています。どうぞこちらからおいでください!

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