時代が急速に変わっていきます。
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GSとモルスタが銀行持ち株会社に、投資銀行モデル終えん(トムソンロイター) - goo ニュース
2008年9月22日(月)19:15
[東京 22日 ロイター] 米投資銀行首位のゴールドマン・サックスと2位のモルガン・スタンレーが米国で銀行持ち株会社に移行することになった。これにより両社の監督権限は証券監視委員会から連邦準備理事会(FRB)に移り、自己資本規制比率に縛られることになる。
邦銀関係者からは「借入金を膨らませて高収益を上げてきたハイ・レバレッジ(てこの原理)のビジネスモデルは終わった」との声も漏れ、GSやモルスタが生き残りのために、米国の商業銀行の買収に走るとの見方も出ている。
米国型投資銀行ビジネスモデルの1つのあり方は、自己資本規制の適用を受けずに市場から割安の資金を調達し、レバレッジを効かせて投資し、高収益を稼ぎ出してきた点だ。自己資本を極力少なく抑え、借入金を膨らませれば膨らませるほどハイ・リターンを得ることができるという、このビジネスモデルは投資銀行だけではなく、広く企業買収ファンドなども応用した手法である。
しかし、今年に入って激しさを増した信用収縮により、市場からの資金調達が苦しくなった結果、リーマン・ブラザーズなどの下位の投資銀行は相次いで破たんや救済合併に追い込まれてきた。
ある邦銀役員は「世界的な信用市場の混乱は、市場が信用に対する価格をどのように付けたらいいのかを見直す動きだ。貸出先のビジネスモデルが有効なのかどうなのかをゼロから問い直す必要がある。投資銀行のビジネスモデルも今、問い直されている」と分析する。
GSの発表によると、現在の中核的自己資本(Tier1)比率は11.6%。しかし、市場から割安の資金を得られなくなりつつあるとの指摘もある。「ファンディング(資金調達)の根源的手段は、自分自身で預金をかき集めることだ」と、別の邦銀幹部は説明する。
銀行持ち株会社の認可を得ることで、両社はFRBから日々の業務に必要な資金の貸出を受けることが可能になるだけではなく、預金取り扱い金融機関としてグループ内にリテール銀行を抱えることもできるようになる。「GSとモルスタは、米国で商業銀行の買収に打って出るのではないか」とこの邦銀幹部は見る。
しかし、投資銀行がFRBの監督下に入ることは、益を得るだけではなく失うものも多いとの指摘もある。「これまで当局の規制の目をかいくぐって、自在に行ってきた金融取引が、今後はFRBの厳しい監視下に置かれるようになる」と、ある東京駐在の外資系投資銀行の幹部は解説する。「ブラックボックスが投資銀行の利益の源泉の1つだった。GSが生き残ったとしても、もはやそれはかつての投資銀行ではないだろう」とのこの幹部は話す。
もう1つの仮説も、東京市場の中でささらかれている。米銀の動向に詳しいある市場関係者は、今回の2つの投資銀の業態変更とも言える銀行持ち株会社への移行の先に、自己資本への公的資金注入というスケジュールが見え隠れすると話す。その市場関係者は、この先に米銀への公的資金注入というイベントがあると指摘する。その際に自己資本への公的資金注入を受けられるのは「金融システムに連結した銀行に限るということになる可能性がある。その時に備え、銀行になったと言う理屈が成り立つ」と述べる。
米金融界は、半年前には想像もしなかったテンポで、マーケットから再編を迫られている。この先の再編の形を今回の2つの投資銀の対応が、指し示している可能性が高い。
(ロイター日本語ニュース 布施太郎記者;編集 田巻 一彦)
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当英語塾INDECはビジネス・スクール留学のお世話を看板の一つに掲げている関係で、10年前の発足当時から会員の大半が都市銀行員でした。そんな彼らに将来の目標を尋ねると、決まって「投資銀行で働きたい」というのがありました。
そのたびに、「投資銀行ってそんなにいいの?」と問い返したものですが、その疑問がいまや切実な問いになってしまっています。栄枯盛衰とはよく言ったもの、昨年70億円以上のボーナスをもらったと言われているゴールドマン・サックスのブランクファインCEOなど、今年はボーナスなどあるのでしょうか。
ともあれ、仕事などというものは、自分のしたいことを誠実にやり続けるしかないのでしょう。これからしばらく投資銀行で働きたいという人の数も減るのかもしれませんが、こういう時こそ「投資銀行で働きたい」というへそ曲がりも頼もしく思えます。もちろん、無知から出た言葉ではありますが。
若い人の熱いパッション。これこそがいちばん大切なものです。
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GSとモルスタが銀行持ち株会社に、投資銀行モデル終えん(トムソンロイター) - goo ニュース
2008年9月22日(月)19:15
[東京 22日 ロイター] 米投資銀行首位のゴールドマン・サックスと2位のモルガン・スタンレーが米国で銀行持ち株会社に移行することになった。これにより両社の監督権限は証券監視委員会から連邦準備理事会(FRB)に移り、自己資本規制比率に縛られることになる。
邦銀関係者からは「借入金を膨らませて高収益を上げてきたハイ・レバレッジ(てこの原理)のビジネスモデルは終わった」との声も漏れ、GSやモルスタが生き残りのために、米国の商業銀行の買収に走るとの見方も出ている。
米国型投資銀行ビジネスモデルの1つのあり方は、自己資本規制の適用を受けずに市場から割安の資金を調達し、レバレッジを効かせて投資し、高収益を稼ぎ出してきた点だ。自己資本を極力少なく抑え、借入金を膨らませれば膨らませるほどハイ・リターンを得ることができるという、このビジネスモデルは投資銀行だけではなく、広く企業買収ファンドなども応用した手法である。
しかし、今年に入って激しさを増した信用収縮により、市場からの資金調達が苦しくなった結果、リーマン・ブラザーズなどの下位の投資銀行は相次いで破たんや救済合併に追い込まれてきた。
ある邦銀役員は「世界的な信用市場の混乱は、市場が信用に対する価格をどのように付けたらいいのかを見直す動きだ。貸出先のビジネスモデルが有効なのかどうなのかをゼロから問い直す必要がある。投資銀行のビジネスモデルも今、問い直されている」と分析する。
GSの発表によると、現在の中核的自己資本(Tier1)比率は11.6%。しかし、市場から割安の資金を得られなくなりつつあるとの指摘もある。「ファンディング(資金調達)の根源的手段は、自分自身で預金をかき集めることだ」と、別の邦銀幹部は説明する。
銀行持ち株会社の認可を得ることで、両社はFRBから日々の業務に必要な資金の貸出を受けることが可能になるだけではなく、預金取り扱い金融機関としてグループ内にリテール銀行を抱えることもできるようになる。「GSとモルスタは、米国で商業銀行の買収に打って出るのではないか」とこの邦銀幹部は見る。
しかし、投資銀行がFRBの監督下に入ることは、益を得るだけではなく失うものも多いとの指摘もある。「これまで当局の規制の目をかいくぐって、自在に行ってきた金融取引が、今後はFRBの厳しい監視下に置かれるようになる」と、ある東京駐在の外資系投資銀行の幹部は解説する。「ブラックボックスが投資銀行の利益の源泉の1つだった。GSが生き残ったとしても、もはやそれはかつての投資銀行ではないだろう」とのこの幹部は話す。
もう1つの仮説も、東京市場の中でささらかれている。米銀の動向に詳しいある市場関係者は、今回の2つの投資銀の業態変更とも言える銀行持ち株会社への移行の先に、自己資本への公的資金注入というスケジュールが見え隠れすると話す。その市場関係者は、この先に米銀への公的資金注入というイベントがあると指摘する。その際に自己資本への公的資金注入を受けられるのは「金融システムに連結した銀行に限るということになる可能性がある。その時に備え、銀行になったと言う理屈が成り立つ」と述べる。
米金融界は、半年前には想像もしなかったテンポで、マーケットから再編を迫られている。この先の再編の形を今回の2つの投資銀の対応が、指し示している可能性が高い。
(ロイター日本語ニュース 布施太郎記者;編集 田巻 一彦)
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当英語塾INDECはビジネス・スクール留学のお世話を看板の一つに掲げている関係で、10年前の発足当時から会員の大半が都市銀行員でした。そんな彼らに将来の目標を尋ねると、決まって「投資銀行で働きたい」というのがありました。
そのたびに、「投資銀行ってそんなにいいの?」と問い返したものですが、その疑問がいまや切実な問いになってしまっています。栄枯盛衰とはよく言ったもの、昨年70億円以上のボーナスをもらったと言われているゴールドマン・サックスのブランクファインCEOなど、今年はボーナスなどあるのでしょうか。
ともあれ、仕事などというものは、自分のしたいことを誠実にやり続けるしかないのでしょう。これからしばらく投資銀行で働きたいという人の数も減るのかもしれませんが、こういう時こそ「投資銀行で働きたい」というへそ曲がりも頼もしく思えます。もちろん、無知から出た言葉ではありますが。
若い人の熱いパッション。これこそがいちばん大切なものです。
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