6日午前8時5分ごろ、沖縄県・尖閣諸島周辺の接続水域に中国海警局の「海警」6隻が入り、その周辺を中国漁船約230隻が航行しているのを第11管区海上保安本部(那覇市)が確認した。尖閣周辺で中国船の活動が活発化しており、外務省は5日に続き中国側に抗議した。

 午後2時ごろには、さらに海警1隻が接続水域に加わった。外務省によると、今回は漁船の数が多い上、海警7隻が同時に接続水域に入るのは異例。一部は機関砲のような武器を搭載していた。

 同省の金杉憲治アジア大洋州局長は6日午前、駐日中国公使に電話で「緊張をさらに高める一方的な情勢のエスカレーションであり、決して受け入れられない」と伝えた。これに対し、中国側は「尖閣諸島は中国固有の領土だ」と主張した。金杉氏は午後にも中国公使に電話で抗議した。 

尖閣沖に中国漁船230隻と公船7隻 外務省が電話抗議
朝日新聞 2016年8月6日20時16分

 政府は6日、同日午前8時5分ごろから、沖縄県・尖閣諸島魚釣島沖の日本領海外側の接続水域に、中国海警局所属の公船「海警」7隻が相次いで入ったと発表した。周辺では、中国漁船が約230隻という異例の規模で航行していた。外務省は「現場の緊張をさらに高める行為」として中国側に強く抗議した。

 海上保安庁によると、公船4隻は機関砲のようなものを搭載していた。

 外務省は、金杉憲治アジア大洋州局長が郭燕・在日中国大使館公使に電話して公船の接続水域からの退去を求め、「一方的な情勢のエスカレーションであり、受け入れられない」として強く抗議した。

 現場周辺の接続水域ではほぼ連日中国公船が進入している。過去には1日13隻入ったこともあったが、最近は3隻程度で推移。外務省関係者は「中国側が公船の隻数を増やしたことを重くみた」としている。

 一方、現場は日本の排他的経済水域(EEZ)内だが、日中漁業協定によって中国漁船が漁をすること自体は問題がない。ただ例年は100隻規模だという。

 尖閣諸島周辺では5日午後、公船2隻が日本領海に侵入し、外務省の杉山晋輔事務次官が程永華(チョンヨンホワ)・駐日中国大使を呼び出して抗議している。(武田肇、伊藤嘉孝)

中国漁船と公船の航行・進入、常態化を懸念 日本側
朝日新聞 2016年8月6日23時58分

 6日、尖閣諸島周辺で大量の中国漁船が航行するのに合わせて、中国公船7隻が接続水域に入った。実効支配を狙う中国が、漁船と公船をセットにしての進入を常態化させるのではないか、と日本側は懸念する。

 尖閣諸島周辺での中国公船の動きは、前日の5日に2隻が領海に侵入したのに続くものだ。この際、公船は漁船の周辺を周回するなど特異な動きを見せた。日本政府が中国政府に抗議を申し入れた際、中国側は公船の動きについて「漁船の保護が目的」と正当性を主張したという。

 尖閣諸島周辺では6月、中国軍艦の接続水域への進入が初めて確認され、一気に緊張が高まった。しかし日中は7月上旬、日中韓外相会談を8月下旬に日本で開くことで一致。「9月に中国・杭州で開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議まで対話モードが続く」(外務省幹部)と、楽観論が出ていただけに、意図を測りかねている。

 ただ中国では今、重要会議のため河北省の避暑地、北戴河に指導部メンバーや党長老が集まり、来年の党大会に向けた政治的駆け引きも本格化している。今回の大量の漁船投入は「対外的な緊張を高めることで国内の不満を外に向け、結束力を高める狙い」(北京の外交筋)との見方が強い。

 中国は軍事演習のため、7月31日から8月4日まで、東シナ海の広い海域を禁漁区域に指定。1日には艦艇100隻以上と軍用機数十機が実弾演習を実施した。また防衛省によると、中国が東シナ海の日中中間線付近で建設を進める海洋プラットホームに艦艇などの動きを監視する対水上レーダー装置を設置していることも6日明らかになった。南シナ海での中国の主権を否定した常設仲裁裁判所の判決に国際社会の関心が集まる中、権益確保への強い意思を改めてアピールする狙いがあるとみられる。(倉重奈苗=北京、武田肇)

尖閣へ集結の中国漁船約230隻、乗り込むのは軍事訓練受けた漁民か 
習近平政権、日本支配の打破へ新段階 南シナ海関与を牽制も

産経新聞 2016.8.6 20:38

 【北京=西見由章】尖閣諸島(沖縄県石垣市)の周辺海域に中国が漁船約230隻を集結させたのは、日本の実効支配を崩すため新たなステージに踏み出そうとする習近平政権の明確な意思がうかがえる。南シナ海問題への関与を牽制(けんせい)する狙いもあるようだ。

 これだけ大量の中国漁船が尖閣諸島周辺に集まったのは、日中平和友好条約締結のため国家指導者、鄧小平が来日する半年前の1978年4月に100隻以上の中国漁船が集結して以来とみられ、極めて異例だ。当時、漁船の一部が日本領海に侵入し、領有権問題の存在をアピールした。

 今回も漁船に乗り込んでいるのは「射撃などの軍事訓練を受けた漁民」(中国軍事研究者)で、中国当局や軍の意を受けて動く民兵の一種とみられる。

 中国当局は安倍晋三政権の内閣改造で、安倍首相に政治信条の近い稲田朋美氏の防衛相起用などを受けて政権の「右傾化」を警戒。今後の南シナ海問題への関与強化に対抗する狙いもあるようだ。

 先月12日にオランダ・ハーグの仲裁裁判所が南シナ海における中国の主権を全面的に否定する判断を示して以降も、中国は海洋進出の既成事実を積み重ねる姿勢を崩していない。今後、行動をエスカレートさせる可能性もある。

 中国が大量の船や大型船を尖閣周辺に出せば海上保安庁による対応は難しくなる。中国は海上警備行動の発令を「軍事力の行使だ」として牽制しているが、日本側の毅然(きぜん)とした対応が求められている。

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世界の常識が通じないならず者大国・中国。武力で脅せば、何でも通ると思っています。一度許せば、ずるずると既得権益化させてしまうことでしょう。

そうやって尖閣諸島を実効支配したら、次は沖縄本島にやってくるはず。しかも、いまの沖縄県知事は、沖縄が中国に実効支配されても構わないような人間ですから、そこへつけこんできても不思議はありません。

ともあれ、日本政府は断固たる態度を取り、世界へ向けて中国の非道をアピールして、国際世論を味方につけるとともに、万が一の事態に備えておくべきです。

稲田朋美新防衛相の手腕が試させる場面が出てくる可能性もあります。毅然たる態度で、中国の野望に負けないようにしないといけません。