やれやれ、こんな人が財務大臣でいる以上、日本の飲食店から、いや日本全体から受動喫煙被害はなくなりません。
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【衆院予算委員会】受動喫煙対策で麻生太郎財務相「タバコが吸えないシガーバーには行かない」
麻生太郎副総理兼財務相は20日の衆院予算委員会で、不特定多数の人が集まる場所を原則禁煙とする厚生労働省の受動喫煙防止対策に関連し、飲食店などへの過度の規制強化に懸念を示した。
民進党の本村賢太郎氏が「麻生氏といえばウイスキー片手に葉巻をくゆらせる姿が印象的で、とてもかっこいい。受動喫煙防止対策が進んでいくとシガーバーにも影響が出ると思う」と質問したのに対し、麻生氏は「、」ときっぱり。
税収への影響ついて問われると、「影響を計算できる段階ではない」と前置きした上で「(年間の税収の)2兆1400億がゼロになると多大な影響が出ることははっきりしている」と答弁した。
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どういう議論で、こういう発言になったのかわかりませんが、飲食店の全面禁煙化によって、タバコからの税収「2兆1400億円がゼロになる」わけがないではないですか!
これは、すべての国民がタバコを買わなくなったときの話です。受動喫煙防止法案は個人の喫煙権を奪うものではありません。タバコを吸いたい人は、自宅その他喫煙可能なプライベートな場所で吸えばよいのです。
しかし、こういう発言を財務相がすると、あたかもタバコ販売禁止法案を論じているかのような印象を読者に与えます。ミスリーディングもよいところです。
さらに、タバコの売り上げが減って、そこからの税収が減ったとしても、それによって病気になる人が減れば、医療費がかからなくなり、国家の歳入はプラスに転じるかもしれません。
ところが、麻生氏は、ズルいことに、そこに触れません。それもそのはず、麻生氏、スモーカーなんですね。しかも、かなり偏狭で、科学的事実を無視するタイプの。
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麻生太郎財務相は21日の衆院財務金融委員会で、喫煙者が減っていることについて触れるなかで、「肺がん(の患者数)は間違いなく増えた。たばこってそんな関係あんのって色んな人に聞くんです」と述べた。日本維新の会の丸山穂高衆院議員の質問に答えた。
麻生氏は愛煙家として知られ、喫煙と肺がんの因果関係に疑問を示した形だ。さらに電子たばこについて「国会で吸えるよう提案してみてはどうか。イライラがずいぶん収まって、激論もちょっとは減るんじゃないか」とも語った。
国立がん研究センターなどの研究班によると、喫煙者が肺がんになる可能性は、男性では非喫煙者の4・4倍、女性では2・8倍高い。厚生労働省の専門家会議が昨夏まとめた「たばこ白書」は、「科学的根拠は因果関係を推定するのに十分」としている。
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いまどき、こんな非科学的発言をするのは、日本の政治家ぐらいのものです。世界中がタバコの害を減らそうとし、電子タバコの健康被害も論じられている中、麻生氏は喫煙を推奨しようとするのですから、信じられない話です。
こんな政治家が政権中枢にいるようでは、日本から受動喫煙被害は、減りそうにありません。嗚呼、情けなや……。