忍之閻魔帳

ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)。
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家族を扱う2つの作品 その2「ぼくらのかぞく」

2005年01月24日 | 作品紹介(ゲーム)

■PS2:「ぼくらのかぞく」


さて、今度は「ぼくらのかぞく」というソフトを取り上げてみる。
発売までにまだ間があるので認知度は高くないかも知れないが、
「ぼくのなつやすみ」シリーズの開発を手掛けた
ミレニアムキッチンが送る人生シミュレーションだ。
キャラクターデザインも「ぼくなつ」でお馴染みの上田美根子が担当している。
ハードはもちろんPS2。

ゲームは、結婚してから定年までの35年間の生活を
家族の長として過ごすというものだ。
四季ごとに発生するイベントで判断を下し、家族を導いていく。
35年間の間には子供も生まれ、イベントも子供にまつわるものが増えてくる。
こう書くと「プリンセスメーカー」のような
育成シミュレーションに近いと思う人もいるかも知れないが、
そこまで感情移入して遊ぶタイプではない。
クイズゲームが好きな方向けに説明すると、
「子育てクイズマイエンジェル」や「すくすく犬福」から
クイズ部分をすっぽり抜き取って
イベントシーンだけを続けて遊んでいるような感じ、
と言えば分かってもらえるだろうか。

このソフトの中でプレーヤーがすることは、
年4回だけ適当と思われる項目を選択するだけだ。
トントン拍子に進めば35年を約1時間半で終了出来るらしい。
前回紹介した「千年家族」ですら1時間で1年だと言うのに、
「ぼくらのかぞく」はその30倍以上のスピードで人生を消化していく。
それでもSCEの営業はこう言うのだ。
「まさに人生をシミュレーションできます」と。
「自分の子供がこう育てばいいなぁと思いながら遊んで欲しい」と。

プレーヤーの思うままに家族を育てて下さいとは言うものの、
何歳で結婚し、
何歳で一人目が生まれ、
何歳で二人目が生まれ、
何歳で三人目が生まれ(子供は三人で固定)、
という、人生において最も重要と思われる部分が全て変更不可能というのは解せない。
生まれてくる子供の数や性別まで決められているという時点で
もうそこに自分の未来像を重ね合わせることは不可能だろう。
「家族」の最小単位とは何だ?
母子家庭は「家族」と呼ばないのか。
子供がいなければ「家族」と言えないのか。
プレーヤーによっては夫婦だけで暮らしたい人もいるだろうし、
野球チームを作れるほど子供が欲しい人もいるはずではないか。

確かに一見シミュレーションっぽい作りにはなっているが、
結局は製作者の「理想の家族像」をなぞることしか出来ないように感じた。
ならば、タイトルの「ぼくらのかぞく」から「ら」を抜いて欲しい。
少なくとも、その「ら」の中に私は入っていない。

*なお、開発途中のROMを使ってのプレイであること。
 数分のプレイによる第一印象であること。
 発売までに内容変更の可能性もあることをお断りしておく。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
  タイトル:ぼくらのかぞく
    機種:PS2
  メーカー:SCE
   発売日:2005年3月24日
    価格:6090円(税込み)
 公式サイト:http://www.playstation.jp/scej/title/bkz/
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
コメント (56)
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