

■PSP:「PSP ギガパック セラミックホワイト」
今回のPSP初期不良問題について、
ようやく久多良木SCE社長(久夛良木健)からコメントが発表された。
日経ビジネスに掲載されたコメントを読んだ後、
私は「やはり、技術屋に商売は出来ないのだな」と痛感した。
天下のSCE社長様に向かって何と大それたことをと自分でも思うが、
今回だけは言わせてもらう。
久多良木社長は商売人失格である。
私がつべこべ言うより、読んでいただくのが一番早いだろう。
以下は日経ビジネスに掲載されたコメントである。
「それがPSPの仕様だ」
久多良木SCE社長、ゲーム機不具合を一蹴
「一番美しいものを作った」
これが、私が考えたデザインだ。
使い勝手についていろいろ言う人もいるかもしれない。
それは対応するゲームソフトを作る会社や購入者が、
この仕様に合わせてもらうしかない。
使用する液晶画面はこれ以上小さくしたくないし、
PSP本体もこれ以上大きくしたくなかった。
ボタンの位置も狙ったもの。
それが仕様。
これは僕が作ったもので、そういう仕様にしている。
明確な意志を持っているのであって、間違ったわけではない。
世界で一番美しいものを作ったと思う。
著名建築家が書いた図面に対して門の位置がおかしいと難癖つける人はいない。
それと同じこと。
上記のコメントはボタンを押しても反応しない点についてであり、
全ての初期不良に対してのコメントではない。
ボタンが戻らない点については記事の中で不具合と認めている。
修理対応となったのは出荷数全体の0.6%ということなので、
年内出荷50万台として3千台が「修理対応」となったわけだ。
しかし、逆に言えばSCEが「不良」と認めたものだけでも3千台あったわけである。
本当は「修理対応」という点からして既におかしいわけだが、
今回はその件については言及するまい。
今回の記事から感じられたのは、技術屋としての驕りとプライドのみ。
不良品を掴まされたユーザーに対しての謝罪は一切なかった。
せっかく表に出て来る気になったのなら、
コメント次第でいくらかの名誉挽回は出来たはずなのだが、
久多良木社長の口から出てきたのは
「素人がごちゃごちゃぬかすな」(としか私には読めなかった)
という専門家からの逆ギレであった。
不良品に当たってしまったユーザーや、
初期不良の噂を耳にしてなかなか購入に踏み切れないユーザーが
この記事を読んだ時、果たしてどう思うのだろうか。
純金製の茶器が最も機能的に優れているわけではないように、
「世界で一番美しいもの」が一番優れているとは限らない。
美しさも大事だとは思うが、何よりもまず
「お客様にお出ししても恥ずかしくない物」を作るべきではないのか。
「週刊ポスト」で取り上げられた時、
もっと信頼性の高い媒体に飛び火して欲しいと書いたが、
消火に出てきたはずの久多良木社長は
燃え盛る火事現場に灯油缶を投げ込んで去って行った。
尻拭いをしなければならないSCEの営業には同情を禁じ得ない。
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2005年1月22日
あまりにも書き込み数が多いのでこちらで追記を。
まず、何件かあった「タイトルに問題あり」とする指摘についてだが、
私も納得するところが多かったので変更させていただいた。
多数の方に誤解を与えてしまったことをお詫び申し上げる。
次に、「ユーザーでない立場の人間が言うな」という指摘についてだが、
私は業界の末端に身を置く者であるが、
同時に年の割には熱心なゲーマーでもある。
PSPの購入も予定しているれっきとしたユーザーなのだ。
今回の久多良木氏のコメントは、いちユーザーとして腹立たしいのと同時に、
「修理対応という説明に納得しなかった客に自腹で返金した」
「修理に時間がかかる上に交換品も店頭になかったので自腹で返金した」など、
激昂する客に対し身銭を切って平身低頭で詫びたというショップの話を
いくつも聞いているだけに、同じ業界に身を置く者としても許せないのだ。
「技術屋に商売は出来ない」という表現について。
これは私個人の考えというより、昔から言われていることだ。
「名選手、名監督に非ず」という言葉もあるように、
どちらかと言うと「餅は餅屋」というニュアンスに近い。
もちろん、例外が多く存在することも承知している。
アクセス解析をつけてはどうかという意見もいくつか頂いていたが、
私は、私自身が素性を隠して当BLOGを運営している以上、
来訪者の素性も問わないというスタンスでやっていきたいのだ。
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2005年1月23日(24日、25日、27日にも少し追加)
SO503i、ついに交換開始 ユーザーの声届く
2001年の記事である。
当BLOGに限らず、今回の件について
「ネット上でいくら騒いでも何も変わらない」
という書き込みを何度か見かけたが、
私はそれでも「何も言わないよりはマシ」だと思う。
ユーザーの声が届いた前例が、同じソニーの製品であるのだから。
「クレームを言ってくるお客は、販売店にとっては有り難い存在だ。
指摘された箇所を改善すれば問題は解決するし、
何より同じ思いをするお客を未然に防ぐことが出来る。
一番恐いのは、不満を感じても何も言わない代わりに
二度と来店してくれない客だ」
某販売店の店長から聞いた話だ。
24日午後11時現在までに寄せられた500件以上のコメントや、
80件にも上るトラックバックには、
SCEへの不満と愛情が込められていると思う。
ようやくネット上でも久多良木社長のコメントの全文が読めるようになった。
お時間のある方はこちらで確認していただきたい。
27日の共同通信のニュースより。
戦略的誤りと経営分析 ソニー副社長、決算で
この記事中に井原副社長の印象的な発言がある。
「ユーザーの目線に立っていたか、
何を守り何を捨てるかで過去に戦略的誤りがあった」
その言葉、すぐ側に居る人間にも聞かせては如何か。
最後に、当BLOGは基本的に書き込みを削除しないことにしているが、
今回は私の判断で150件近くの書き込みを削除させていただいた。
該当した方、申し訳ない。