忍之閻魔帳

ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)。
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あと3%詰め切れず「ファミコンウォーズDS」

2005年07月07日 | 作品紹介(ゲーム)

配信中■Wii U(VC):ファミコンウォーズDS

たまには発売後のソフトも取り上げてみる。

私のウォーシミュレーション好きは
「大戦略」からではなく「ファミコンウォーズ」から始まった。
ファミコンウォーズ(1988年)
ゲームボーイウォーズ(1991年)
スーパーファミコンウォーズ(1998年)
ゲームボーイウォーズアドバンス1+2(2004年)
と、ハドソンから発売された
「ゲームボーイウォーズターボ」シリーズや
発売中止になった「64ウォーズ」などを除けば
17年で5作目と、割と寡作なシリーズなのだが、
本作は昨年11月に発売されたGBA版から
わずか半年という短いサイクルでリリースされた新作である。
もっとも、GBA版は海外で2001年と2003年にリリースされていたものを
ローカライズし2本パックにした商品なので、
実際には2年周期で新作が送り出されていることになるのだが。

GBA版を未だにDSのGBAスロットに
差し込んでいるほど「ウォーズ」好きな私から言わせていただくと、
本作の内容は完全に「ゲームボーイウォーズアドバンス3」である。
そのままGBAで出ていても何の不思議もないほど
世界観、ストーリー、キャラクターなど、全てが継承されている。
DS版のキャンペーンモードは唐突にストーリーが始まるため
初心者はGBA版の「1・2」を先にプレイしてからの方がお勧めだ。
DSの2画面を使用した戦闘モードなどもあるにはあるが、
全体的に大幅な変更点はなく、あくまでも追加シナリオという印象が強い。
DSを使った利点と言えば、画面切り替えをしなくても
ユニットのデータなどが上画面で確認出来るぐらいで、
タッチペンを使った操作も相性が良いとは言えず、
はっきり言ってDSで出す必要性はあまり感じられない。
新たなユニットやショーグンの登場と、それに伴うルールの追加は
GBA版体験者からすれば+αで済むので大したことはないが、
本作を「ファミコンウォーズ」以来プレイするというような
古参ユーザーにはいささか敷居が高いかも知れない。

GBA版からプレイしているユーザーなら御存知と思うが、
本作には部隊を率いる各リーダー(ショーグン)ごとに
異なる特殊能力が備わっており、メーターが溜まると
「ショーグンブレイク」という必殺技を発動出来るようになっている。
この「ショーグンブレイク」の存在が、GBA版で随分と私を惑わせた。
ウォーシミュレーションに必殺技などという
邪道な要素は必要ないと思っていたからだ。
結局、GBA版は「1」をクリアするまで違和感を拭い切れず、
相手がブレイクを使う度に何か「ズル」をされたようで
腑に落ちない思いを抱きつつプレイしていた。
本作ではハナから覚悟が出来ていたせいか、さほど違和感は感じなかったが、
ブレイクの種類が2種類に増えたばかりか、
2人分のショーグンブレイクを合体させたタッグブレイクなどまで追加され、
GBA版よりさらに効果が強力(凶悪)になっている。
特にタッグブレイクは2ターン連続で相手側のユニットに
総攻撃をかけられるため、完全にやられっぱなしになってしまう。
これでは地味に戦略を練って楽しむという
ウォーシミュレーションの醍醐味は得られない。
これはこれで割り切れば面白いのかも知れないが、
私はやはり「ショーグンブレイク」に関しては
「あり・なし」をオプションで設定出来るようにすべきであったと思う。

本作には様々なモードが搭載されており、
キャンペーンモードをクリアした後もいくらでも遊び込める要素を
詰め込んであるのだが、私が期待していた「コンバットモード」は
少し消化不良気味で残念であった。
発売前に触った時のアンケートで
「アイディアは良いがまだまだ未完成」と書いて帰ってきたのだが、
結局そのまま発売されてしまったようだ。
このモードだけはアクション要素があり、
自分でユニットを動かし、弾を撃ち、占領するという特殊なモードで、
作り込み次第では化ける可能性もあったと思うのだが、
「バランスの悪い『バトルシティ』」で終わってしまっている。
一応2人ほどのショーグンでクリアして感じたのは、
軽戦車が一番効率が良い、というか、歩兵、偵察車は守備が弱過ぎ、
自走砲は歩みが遅い上に攻撃のタイムラグが大き過ぎで使い物にならないということだ。
各ユニットごとの特徴をもっと明確に出し、強弱のバランスを整えなければ
軍資金をどう振り分けるか悩む楽しみが湧かないではないか。
歩兵など、他のユニットでも占領出来るという時点で価値は0に等しい。
都市や工場をいくら占領しても全く有利にならないのも疑問。
(森などでは多少視界が開けるが所詮その程度)
工場を占領した時に得られるユニットが
占領したユニットと同種に限定されているのもよくわからない。
自分は1機ずつしか出せないにも関わらず、
相手側は複数が同時に攻めて来るため、
マップによっては開始早々でハメられて終わり、ということもあった。
プレーヤーが操作出来るのが1機だとしても、
その他のユニットをAIでコントロール出来るなど、
チーム戦としての面白さを引き出せば
格段に良くなっていたと思われるだけに惜しい。

何か愚痴ばかり書いてきたような気もするが、
「ショーグンブレイク」などの特殊攻撃の好き・嫌いを除けば
実は相当に完成度の高いシミュレーションである。
上に挙げた不満はインテリジェントシステムズの高い開発能力を
知っているからこその不満であり、
いつも50点を取っている子供が60点を取ると満足するが、
いつも90点を取っている子供が80点では満足しないようなものである。
インテリジェントシステムズは私の中で「常に良い点を取る子」なのだ。
DSのラインナップ的には、
何も今発売しなくても他にいくらでも弾はあったはずなので
秋ぐらいまで時間をとってさらに完成度を高めて欲しかった。

ちなみに、DSにGBA版を差し込んでプレイすると
追加マップや壁紙が増えるのは予想していなかっただけに嬉しかった。


配信中■3DS(VC):ファミコンウォーズ」
配信中■3DS(VC):スーパーファミコンウォーズ *New3DS専用

配信中■Wii U(VC):ファミコンウォーズ
配信中■Wii U(VC):スーパーファミコンウォーズ
配信中■Wii U(VC):ゲームボーイウォーズアドバンス1+2
配信中■Wii U(VC):ファミコンウォーズDS

*今回の紹介は、
1:購入したロムを使用している。
2:12時間ほどプレイした上での雑感である。
要するに「いつもよりは少しだけマシ」ということだ。


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
 タイトル:ファミコンウォーズDS
   機種:ニンテンドーDS
 メーカー:任天堂
  発売日:2005年6月23日
   価格:4800円(税込み)
公式サイト:http://www.nintendo.co.jp/ds/awrj/
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
コメント (42)
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